CSI: Miami - Season 1, Episode 3
Freedom is Light, though, isn't it, under any moon?
釣りを楽しんでいた客がサメの腹を割くと、中から人間の腕が出現。残っていた胸の部分に銃創があることから、殺人が疑われた。腕の主は男性で、皮膚にはキリスト教の抵抗運動(反カストロ運動)を示す刺青。サメを釣った位置から、被害者はキューバから船に乗って密入国を企てたキューバ人と思われた。
デルコとスピードルは不審なボートがあったという報告を受けて調べに向かう。船の中には吸入器、にじんだ文字のメモ、弾丸、血痕があった。弾丸は被害者から摘出したものと同じだが、弾丸からは女性の染色体も発見された。すなわち、もう一人被害者がいることになる。船の中には隠し部屋があり、コカインがこぼれていた。メーガンは波止場で警備カメラのフィルムを押収。
救命具に乗った若い女性の遺体が見つかり、ホレイショとメーガンが現場へ。救命具はロシアからキューバに輸出された中古品と思われた。女性は脚を撃たれた後止血され、聖母のネックレス(キューバ人が旅のお守りに持つ守護神)を持っていた。マイアミに住むキューバ人は、旅の安全を祈って故国にいる親族にそのお守りを贈るという。手作りの高級品だったため、そこから被害者の身元が判明。キューバ人居住地区に住むデ=ソト夫妻の姪エレナだった。夫妻の家には甥のペドロがいた。
検死の結果、エレナは喘息の薬の過剰服用と心臓の異常で止血の効果もなく死亡したと思われた。止血ロープから採取したDNAによると、止血したのはエレナの近親者、おそらく兄弟。エレナから摘出した弾は、最初の男性被害者を撃った弾、および船から見つかった弾と同じだった。
船には少なくとも12人の亡命者と数百キロのコカインが乗っていた。ハリケーンに遭遇して船は重心を失い、船長は銃をつきつけて難民たちを船から降ろした。上半身の男と身元不明の女性が船で撃たれた後、銃はペドロの手に渡る。ペドロは岸まで泳げるだけの力があったがエレナにはなかった。キューバからの亡命者は、陸上で見つかれば移住できるが、海上で見つかると沿岸警備隊を経てキューバに送還される。しかし海上でも、怪我をしていれば病院に収容されるのだ。それが目的でペドロはエレナの脚を撃って止血したが、警備隊は結局彼らに気づかず、喘息の薬を過剰服用したためエレナは失血死、ペドロだけが生き残ったのだった。
キューバ難民、というのはフロリダならではの話題なのかな。地図で位置を確認してみたら、たしかにすごく近い。
無事に陸に上がればアメリカに住むことができて、海上ならばキューバに送還。原題の “Wet Foot/Dry Foot” というのは、その両者の違い(足が濡れているかどうか)が運命の分かれ道、ということだと思う。扱いが違ってしまうのは、おそらく国際法上の理由からだろうと思うのだが……。でも怪我をしていれば病院に収容されるんだよね。ということは、海上で沿岸警備隊に見つかりそうになったら、乗客全員で乱闘を演じて全員怪我人になればよさそうな気もするんだけど。
冒頭に引用したのは終盤でのホレイショの台詞。“Freedom is Light” って、何かの詩から引用したように見えたので検索してみると、いくつかヒットした。が、このフレーズが使われている詩がいくつかあって、それぞれ違う詩なので、特定の出典があるというわけではなさそう、かな? ホレイショが “under any moon”(どんな月の下でも)と言った後に、画面では空の月が満月から新月に変わっていった。明るい満月だろうが、暗闇の新月だろうが関係なく、自由はそれ自体が光である、と言いたかったのだろうか? と思った。
それはそうと、ホレイショの強引な捜査のせいでデルコがキューバ人街にいづらくなって「今晩泊めて」ってカリーに頼むのだが……え、何でカリー?「寝室に入らないならいい」と言われていたので、恋人というわけではない……んだよね。デルコはスピードルよりもカリーと仲がいいのかな。姉弟みたいな間柄?
— Yoko (yoko221b) 2005-12-31