CSI: Miami - Season 1, Episode 4
… for the evidence, as always will speak for itself.
浜辺でキスを交わす男女が突然襲撃され、男性は死亡、女性は意識不明で病院に運ばれた。男性は頭を何度も殴られ、顔にシガーを押し付けられ、首をギザギザな刃物で切られていた。女性はレイプされた様子で、口の歯列矯正具からペニスの皮膚の断片が発見されたが、頭を殴られたショックで記憶を失っていた。現場には色のついたガラスの破片と、血痕のついた眼鏡の鼻当て。被害者の男性は、身体的特徴から職業はバーテンと推察された。
その女性ジェーン・レンショーは恋人のポールと一緒にマイアミに来ていたはずだが、浜辺で死んだ男性は別人で、ポールはホテルにいて無事だった。ポールはハミルトン家のパーティにジェーンを連れて行き、酔ってゲストハウスで寝てしまい何も知らないと主張する。ハミルトン家は政治家を何人も出しているマイアミの名家で、ポールはタイラー・ハミルトンと大学で同級だった。死んだ男性は、グアテマラ人のエステバンというバーテンであると判明した。
現場で発見されたガラス片を組み立てて、凶器となったビンを復元すると、そこからポールの指紋が検出された。エステバンの顔に押しつけられたシガーとポールの持っていたシガーも同じものだった。腕には、彼には買えそうもない高級品の腕時計。そこを問い詰めると、ポールは観念して話し始めた。ポールは、パーティでタイラーに「ジェーンにキスをさせろ」と要求され、その代償に1万ドル以上する腕時計をもらっていた。ジェーンはキスを許したがポールに腹を立て、彼の手からシャンペンを引ったくり一人でビーチに行った。ポールはその後、泥酔してゲストハウスで寝てしまい、何が起きたのかは知らなかった。
腕時計からはポールの他に、ジェーンの口にあった皮膚の持ち主のDNAが検出された。タイラーはジェーンにオーラルセックスさせたことは認めたが、金具に引っ掛けられてその気が失せ、部屋に戻って寝た、バーテンも見なかったと言う。ホレイショはビーチからハミルトン家に向かう板張りの道にエステバンの血を発見して令状を取るが、タッチの差でゲストハウスは取り壊されてしまった。ゲストハウスの残骸からは、シガー、タイラーの服の燃え残りが発見された。シガーはエステバンの顔に押し付けられたものと同じで、タイラーの唾液とビーチの砂が付着。服の燃え残りには、凶器と同じ比重のガラスの粉が付着していた。タイラーはジェーンがバーテンに関心を示したことでプライドを傷つけられ、ジェーンを殴り、エステバンの顔に葉巻を押し付けてビンで殴ったのだ。
だが、眼鏡の鼻当てのことが残っていた。タイラーは眼鏡をかけない。ホレイショはタイラーの叔父ドレイクの眼鏡からエステバンの血を発見。ドレイクは、悲鳴を聞き、タイラーがエステバンと争っているのを見た。エステバンが助けを呼ぶのを止めるために、割れたビンで首を切り裂いたのだ。
ホレイショとドレイクの出会いは15年前。ドレイクの車が事故で大破し、その事件を担当したのがまだ新人だったホレイショだったのだ。運転していたのはドレイクで、同乗していた女性を見捨てて逃げたために彼女が死んだという疑いが強かったが、ドレイクにはアリバイがあり、彼の関与を示す証拠も得られなかったという苦い記憶があった。
ホレイショの新人時代の苦い思い出。2話の爆弾処理班のことと合わせて、こういう過去の数々が現在のホレイショを作っているのかなと思う。このドラマのテーマは「犯罪現場」を読み解くことよりもむしろ、ホレイショ・ケインという人物を掘り下げることなのかもしれない。
それにしても、呆れた事件だな。バーテンの人もとんだとばっちりだ。仕事が終わったら給料をもらってさっさと帰るに限る。
タイラーがポールに「腕時計をやるから一度だけキスさせろ」と言っていたので、てっきりポールにキスしたいのかと思った。「そうかー、彼はゲイだったのか。なのにジェーンに迫られたので怒ったのかな」とか誤解しちゃったじゃんよ。口説きたいならその相手に直接アプローチしろよ。彼の持ち物じゃないんだから。
ドレイクが自らの血筋を呪うかのように「(遺伝子情報を?)消しちまう方法はないのか」と言っていたが……彼とその甥が粗暴なのは血筋のせいではないような気がする。マイアミの名家で代々の実力者であるおかげで、ちやほやされて自らを律することができないからなんじゃないの? 刑務所で叩き直されるといいのだ。でも、もっとワルになってしまうと困るけど(そうなると無敵)。
— Yoko (yoko221b) 2006-01-22