CSI: Miami - Season 1, Episode 12
- I was curious. I'm not a monster. &br; - To her, you were.
ホレイショ、スピードル、ブラナー刑事担当。ホテルにチェックインした男女が、ベッドの下で若い女の遺体を発見。部屋の掃除係はベッドの下まで見なかったらしい。被害者はその前に宿泊した客で、カップルで泊まっていたが、チェックインも支払いもしたのは被害者。売春の常習犯スーザン・マクリアリーだった。細い刃物で何度も刺されていた。壁には血液を拭き取った跡。遺体はカルダモン入りのせっけんで洗われていた。犯人は、犯行後にバスタブで血と遺体を洗ったのだ。
死因は動脈を切られたことによる失血死。体外にあまり大量の血が流れないような血管を選んで刺しており、後始末を楽にするためだろうかとホレイショは疑う。身体には縛られた跡。だが性交の形跡はなかった。風呂のパイプは洗浄され、DNAは取得できず。ベッドカバーには現場以外の場所に生えるカビが付いていた。
ホレイショは被害者のベルトから指紋を検出。傷害の前歴のあるコール・ジャドソンという男だった。ジャドソンは、前歴の件は冤罪であり、犯行当時は海岸を散歩していた主張。
ホレイショは牛の血で実験し、指紋の偽造が可能であることを示した。それは犯罪学者により最近発表された、誰かを罪に陥れる方法である。だが、指紋の偽造は陪審員を混乱させるため、検察は認めたがらない。ホレイショはベッドカバーに付着していたカビに注目。固体を特定するため、カビのDNAを分離するようスピードルに指示する。
ホレイショは、ジャドソンがその前歴ゆえに目をつけられたと推測し、情報の売買記録を調べる。ジャドソンの情報を買ったのは家主のバスティーユだった。家主の家には犯罪学の本、風呂場にはカルダモンのせっけんがあった。妻は、夫婦の関係は冷え切っていたのに、ある日突然夫が別人のようになり、風呂で毎日身体を洗ってくれるようになったと言う。犯行の夜は、9時少し前に水道の修理に呼ばれて出かけていた。
バスティーユはジャドソンとともに配管の修理をしたときに、修理用のパテと樹脂を使って指紋の複製を作ったのだ。バスティーユ家の風呂場にあったカビと現場にあったカビのDNAが一致した。バスティーユは「殺人を楽しんだ」と言う。彼は人生に飽き飽きし、死んだような気持ちになっていた。手の中で生命が消えるのを見るまでは――。
カリー、デルコ、セビリア刑事担当。カージャックを試みた男がドイツから観光に来た夫婦を襲い、夫が殺害された。犯人は車を降りて逃げた夫を追いかけて撃ち殺した。カージャックらしからぬやり方に違和感をおぼえるデルコ。
血痕からは、夫が一度撃たれてから逃げたように見えるが、傷は1つで、耳の後ろから口に貫通。その傷で逃げられたことを、カリーはいぶかしむ。現場には不審な靴の跡もあった。監視ビデオを調べると、それは靴跡ではなく、血で滑って転びそうになった時の手袋の跡だった。
銃弾は1つはつぶれていたが、もう1つは被害者の口に入り喉の奥に留まっていた。それで傷が1つしか見えなかったのだ。車の血痕は血の咳のせいだった。無事な方の銃弾から、以前コンビニ強盗に使われた銃が浮上。主犯は服役中だが、未成年の従犯マルコムは出所して祖母とともに暮らしていた。マルコムの家からは、犯人の使っていたものと同じ手袋が発見される。
手袋からは被害者の血液とともに、祖母の口紅らしき成分が検出された。車のミラーにも同じ成分の口紅があった。マルコムの犯行は決定的かと思われた。問題は、いつマルコムが車に乗ったかだ。カリーとデルコはビデオを分析し、マルコムの銃口に対する妻グレタの反応が異常に速いことに注目。
マルコムの兄ブライアンは以前シュトゥットガルドのバレエ団にいたが、解雇されて個人レッスンをするようになった。そこで被害者の妻グレタにダンスを教え、そのうちに殺人を請け負うことになった。口紅の成分がヨーロッパの製品だったのは、ブライアンが現地から祖母に送っていた物だったためだ。グレタはフロリダ州では死刑になると言われて自白を始める。グレタとブライアンはお互いに、自分は冗談で言っただけなのに相手が勝手に本気になったと主張し、罪をなすり合う。
指紋の偽造が可能だとなると、陪審員が混乱する――って、言われてみればたしかにそうだけど、考えてもみなかった。だって、ベガスのシーズン1から見ていると、他人の指紋を残すなんてできて当然じゃん! と思ってしまうもの。
この事件の場合は、他の証拠の始末(DNAとか血液とか)がほぼ完璧なのに、あからさまに指紋が残っている点がかえっておかしい! と思ったのかもしれないなぁ。
カビのような原始的な生物でDNAを分離するなんて、rough(この場合は「つらい」とか「難しい」という感じかな)な仕事だ、と思わず不平をこぼすスピードルに「無実の人間を死刑にするほど rough じゃない」と答えるホレイショ。正義感と思いやりは強いが人使いが荒いところ、ホレイショもある意味 rough な気がする。
カリーの事件は、検死官がなかなか来られなくて、最初の方は話がなかなか進まなかったが、逆にこれをもうちょっと引っ張っても良かったような気がする。銃弾が口の中に入っていて見つからなかった、なんて意外に盲点だし、これをメインの謎解きにしてもいいくらいだと思うんだな~。でも、ブライアンはどうしてもバレリーノには見えない。
— Yoko (yoko221b) 2006-03-19