CSI: Miami - Season 1, Episode 14
Justice is not for you to dispense. And now you're going to pay for it.
ホレイショ、スピードル、バーンステイン刑事担当。豪邸に住む男が、自宅の寝室で遺体となって発見された。ベッドでうつ伏せに手足を縛られ肛門を何度も突かれていた。頭にも傷があり、傷口には錆びた金属片。死因は、口をふさいだ布が食道の奥に引き込まれたための窒息だった。部屋にいくつもあった高級な調度品は手つかず。また、家の名義・車の持ち主・腕時計に刻印された名前はすべて違う名だった。
タトゥーの痕跡から、身元はトーマス・カーペンターと判明。元強盗で、現在は「うまい方法」で儲けていたらしい。カーペンターの家にあった調度品の中には、ジュディ・ジョンソンという女性から盗難届けの出されている物があった。カーペンターは、強盗したうえに、それを訴えられないよう被害者をアナルレイプして脅していたのだ。レイプ強盗の被害者は複数いたが、ジュディ以外は他の街へ引っ越し、ジュディは事件後に自殺していた。ジュディの夫が調べられたが、犯行につながる証拠は見つからない。
行き詰ったスピードルは、犯行に使われた布を分析。化学繊維なので、製造者の特徴があるのだ。そこから製造者と取り扱い店を調べると、レナード&エリン・マーフィの経営している店があった。カーペンターの家には「ERIN LOVE LENARD」と刻印した花瓶があった。
マーフィーの店の芳名帳にはトーマス・カーペンターの名前があった。作業場にはハサミと錆びた鉄パイプ。それらは犯行に使われたものと一致したが、エリンはレイプされたことを否定。犯行時のアリバイもあった。強盗されたうえにアナルレイプで脅されていたのは、夫のレナードの方だった。忘れようとしたが、ある日カーペンターが店に来た。相手は自分をすっかり忘れていたので、芳名帳に名前と住所を書かせた。そして自宅に行って彼を襲い、自分がされたのと同じ目に合わせて殺したのだった。
カリー、デルコ、リブル刑事担当。火葬場で経営者のベニート・ラモンが撲殺された。裏庭には、安置所から送られた遺体が何体も山積みになって捨てられていた。火葬炉が故障しており、ベニートは遺体を火葬せずに捨てていたのだ。
ベニートは手に何かを握っていたが、デス・グリップが強くて取り出せない。手首を電子レンジにかけて取り出すと、小さなパレットの形をした金属製のメダルだった。それは「キャンバス」という、ダンサーがステージ上で身体に蛍光塗料を塗りたくるショーを見せる人気クラブのVIP会員証だった。
現場には赤いバッグが落ちており、持ち主はミッシェル・カーターという女性。ミッシェルは2週間前に行方不明になっており、最後に見かけられた服装は、現場にあったバッグと靴と一致した。その後、ミッシェルの遺体は捨てられた遺体の山の中から発掘された。遺体には、体中に塗料。彼女は「キャンバス」のダンサーだったのだ。クラブのオーナーは、ミッシェルが働いていたことは認めたがベニートは知らないと言う。ミッシェルはクラブと専属契約をしていたのに、それを破って別の店でイベントを企画し、オーナーの怒りをかっていた。
ミッシェルの頬には殴られた跡があり、その形状はクラブのオーナーがしていた指輪の形と一致した。オーナー二人の指輪には、犯行を裏付ける物質は付着していない。だが写真をよく調べると指輪が3つ製造されていたことがわかる。クラブの法律顧問グラッツィアーノが実質上のオーナーだったのだ。
グラッツィアーノはクラブの経営に何度か失敗し、現在の「キャンバス」でやっと成功していた。だがミッシェルを通じて客を他の店に取られそうになり、怒って彼女を殺害。VIPにすることと引き換えにベニートに火葬を頼んだが、炉の故障で焼かれていないことを知り、さらに怒ってベニートをも撲殺したのだった。グラッツィアーノの指輪にはミッシェルとベニートの血と、遺灰が付着していた。
ホレイショとスピードル、カリーとデルコの組み合わせが続く。
「目には目を」という邦題はまぁ「そのまんま」な感じだけど、原題の “Forced Entry” って被害者宅に押し入ったという意味じゃないよね。ちゃんとチャイムを鳴らして入ってるし。ということは、誰がどこに何を forced entry したのか……と考えると、けっこう生々しいタイトルじゃないか?
中盤でスピードルは被害者の犯した犯罪に怒り、「妻のかたきをとった夫を逮捕するなんて……逆に表彰したいくらいだ」と言う。ホレイショはそれを黙って聞いているのだが、ラストでは犯人に対して「正義を行うのはあなたではない」と、ちょっと冷たい物言い。ドラマのスタンスが一定してないような感じで、見ていてやや居心地が良くなかった。レイプ被害者が女性でも、ホレイショは同じように言っただろうか?
カリーの事件は冒頭がグロ。マイアミでは「わっ、グロ!」と思ったことがあまりないのだが、たまに登場するグロは写実的なグロというよりホラー映画のようなおどろおどろしさがある。まぁそれはそれとして、「遺体の手首をレンジでチン」に戸惑うカリーが少々意外。こういうことには動じないと思ってたんだけどなー。それとも、レンジの本来の用途を知らずに、「先週も手をチンした」直後くらいにランチを温めて食べちゃったことでもあるのだろうか。
こういう時にホレイショがいれば、「別に手首をチンして食っちまったわけじゃないんだ、気にするな」とか言って慰めるのだろうか。「チーフ……あたしそこまで考えたわけじゃ……」
— Yoko (yoko221b) 2006-04-02