CSI: Miami - Season 1, Episode 22
Ronnie, the guilt keeps us sharp. It makes us better.
クラブ「ディセント」で火災が発生した。ステージの演出に使う花火がカーテンに引火してあっという間に燃え広がったのだ。そこにはたまたま、スピードルとデルコが居合わせていた。出入り口にはチェーンが巻かれており、客たちはパニック状態に。スピードルが別の出口を見つけ、デルコとともに客を誘導する。報せを聞いたホレイショも現場に急行。
クラブが開店許可を得た時には扉のチェーンはなかった。また、消防署の要請に応じて壁の防音材を交換していたが、交換後は工事の領収書を見るだけで現場はチェックしないという紳士協定があった。オーナーのクエンティン・ヘイドは、客が忍び込まないようチェーンを巻いたのだ。中に入ってみると、オーナーの金庫から金が盗まれ、バーテンが1人行方不明になっていた。
ホレイショは途中でトリップ刑事からの呼び出しを受ける。判事が売春婦を家に呼んだところ、女性がバスルームで倒れて死んだというのだ。彼女は、シャワーを浴びている途中で咳き込んで倒れ、シャワーで頭を打って死亡した。彼女はクラブ・ディセントで煙を吸っていた。煙は時限爆弾のようなもので、吸った直後は無事でも後から影響が出ることがある。女性が乗ってきた車の持ち主はヘイド。ヘイドはクラブを経営しながら、売春婦の斡旋業もしていたのだ。
ライブを録音したテープを分析すると、燃焼促進剤に引火したような音が入っていた。カーテンを調べるとラム酒が大量にふりかけられていた。クラブにラム酒があるのは当たり前なので、最初に燃焼促進剤を調べた時には気づかれなかったのだ。放火の可能性が高くなる。
火事の現場では、瓦礫の下から行方不明のバーテンが発見された。焼死ではなく、割れたガラス瓶で刺されたための失血死だった。火災の前に死んだので、バーテンが放火したという線は消えた。
一方、ヘイドにワナを張っていたホレイショとトリップは、ヘイドが盗まれた金を車のトランクに隠し持っていた現場を押さえる。帳簿をごまかし、金を盗まれたことにしてつじつまを合わせようとしていたのだ。
スピードルは脱出に使った扉が自然に閉まらないことに気づく。火災発生当時もそうだった。誰かが火事の前に出て行き、扉を閉めなかったためだ。その次に扉を触ったのはスピードル。熱かったので服の袖で触っていた。その時に着ていた服を調べると、袖口に血がついていた。DNAデータベースには該当者なし。だが、バーンステインはクラブの用心棒ダニーが消防士の試験に3回落ちていることに気を留める。火事が起きれば、消火活動と人命救助をして英雄になることができる。それをバーテンに見られて刺したのではないかと考えられる。デルコは病院で献血をしているダニーを訪れ、言葉巧みに警察へ行かせ、彼の血の付着した脱脂綿を回収。
デルコはダニーを尋問。ダニーの家は代々消防士だったが、彼は「消防士になる資質が欠けている」と言われ、人命救助をして消防士になろうとしたのだ。小火ですむよう計算したはずだった。だが、DJが花火を蹴り倒して火が燃え広がったことや、オーナーが燃えやすい物質で壁を塗り替えたこと、扉のチェーンなどは計算外のことだった。
事件は解決。オーナーは耐火性のある壁を、後から燃えやすい塗料で塗装してしまったため、保険金がおりなくなり、67人の遺族からも業務上過失致死で訴えられることになる。デルコは、クラブで知り合ったコニーの追悼のため献血をする。消防所長は、ヘイドのずさんな工事を見逃した責任を取り辞職しようとするが、ホレイショは思いとどまるよう説得した。
冒頭からホレイショがかっこいい! クラブで火事に気づいたスピードルとデルコが通報すると、なぜか消防車より早く現場に駆けつけるホレイショ。ちゃっかり女性を救助。
今回、火事以外にも犯罪が起きているのでまとめると
というところか。消防士ってそんなにまでしてなりたいものなのか……。本気でなりたいんじゃなく、英雄ごっこしたいだけなんじゃないのかと思った。
タイトルの “Tinder Box” は、火口箱。ヨーロッパでマッチが発明される前に使用されていた着火装置で、箱の中におがくず、火打石、こよりなどが入っているもの。最近はRPGのアイテムとしてもポピュラー。転じて「怒りっぽい人、紛争の火種」などの意味も。これから紛争(民事裁判)が起きることを考えると、今回の事件はまさに火口箱だったわけだ。
— Yoko (yoko221b) 2006-05-10