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CSI: Miami - Season 2, Episode 13

#37 Blood Moon


Like father, like son.

事件概要

ミゲル・ベルナード殺害事件

ホレイショ、デルコ担当。ファン・マルコ葉巻店で店のオーナー、バロンが惨殺された。椅子に縛られ、ひどく拷問されたうえに喉を切られていた。凶器は葉巻を切るためのチャベタという刃物。背中には、葉巻のブランドを入れる焼きごての火傷があった。デルコは現場でタバコ以外の植物を発見する。

被害者の電話には、自由キューバ協会の携帯電話から事件の直前に電話を受けた記録があった。これは、ボートでたどりついた難民を支援するための組織である。GPS機能で位置を調べると、電話の持ち主マリセラ・コートは海岸にいた。陸上での支援は合法だが、海に入って助けるのは違法。コートは、バロンのことは知らないが、難民に携帯電話を貸すのはよくあることだと言う。

そこへ移民が泳いでたどり着いたが、溺れそうなのを見たホレイショはデルコに命じて迷わず法律違反。

マリセラの携帯電話にはいくつもの指紋があった。その中にひとつ、送話口をふさぐ位置にはっきりした指紋があった。指紋の主はカルロス・ゴンザレスで、事件当日の夜に海岸に上がり、移民税関局に拘束されていた。事件の起きたのは10時だが、海岸で拘束されたのは12時。それは係官も確認した。

被害者の身元を調べると、本物のバロンは91年に死亡していることがわかった。被害者はバロンになりすましていたのだ。本名はミゲル・ベルナードといい、キューバでは「虐殺者」と呼ばれた拷問担当官だった。背中に焼き印を押すなど、残忍な行いで知られていた。ミゲルがフロリダにわたったのは15年前なので、まだカルロスが彼の拷問を受けたとは考えにくい。再びマリセラを訪ねたホレイショとデルコは、彼女が被害者であったこと、そしてカルロスがマリセラの息子であることを知る。

人を刺し殺す時は、加害者自身も切り傷を負う。チャベタに付着した血液は量が多く、その日は特に忙しかったので、それまでは被害者の血液しか検出できていなかった。ホレイショはヴァレーラに、もっと詳しく調べ直すよう指示を出す。

凶器に使われたチャベタの取っ手の裏からは、カルロスの血液が検出された。カルロスは海岸に上った後、母親の制止を振り切ってベルナードの殺害に向かった。カルロスは母親がベルナードに何度もレイプされ拷問されたことを許せなかったのだ。だがベルナードは、実はカルロスの父親であった――。

マット・ウォルトン殺害事件

カリー、スピードル担当。ATMの前で若い男が胸を撃たれて死んでいた。ATMの監視テープを調べると、被害者マット・ウォルトンは、現金を引き出している途中で振り返っていた。その背後には車の映像。その車に乗っている誰かと話していたと考え、車種とナンバープレートから持ち主を割り出す。メラニー・ハインズという若い女性の車だった。駐車した時間の1時間後に盗難届けが出ていた。メラニーは、ビーチに映画を見に行き、終わったら車が盗まれていたと主張。

被害者に当たった弾は貫通していなかったが、傷口にもなかった。体内で大動脈に入り込み、血流で運ばれて足首の位置で止まっていたのだ(弾丸塞栓症)。弾丸から、使われたのは小型の軽量な銃とわかる。

マットの靴にはジュートのような繊維があった。ビーチで映画を見る時に砂の上に敷く敷物に使われる繊維である。映画の係員は、マットとメラニーを覚えていた。二人とも映画を見に来ていたが、途中でケンカを始めたので出て行ってもらったという。

メラニーの車が発見される。車の窓ガラスは割られていたが、内部にガラスは落ちていない。盗られた物もなく、さらにキーがなければエンジンもかけられない状態。持ち主のメラニーが盗難と見せかけたのは明らかだった。メラニーは、マットと会って口論になり、車で追跡して罵声を浴びせたことは認めたが、殺人は否定。

野外映画館の近くで、女性用の小型拳銃が発見される。指紋や上皮は検出できなかった。弾倉の溝の中に肌の保湿剤があった。メラニーが飲んだ炭酸の缶に付着したローションと、化学的成分が一致。

メラニーは、脅そうと思って銃を持って行ったが、引き金が軽かったため、つまずいた拍子に発射されてしまったと認めた。銃の引き金をテストすると、その銃の引き金は通常よりかなり軽く、メラニーの言い分に矛盾がないことがわかった。検事は証拠不十分のため起訴には消極的であり、釈放するしかなかった。

???事件

マット・ウォルトンの現場でアレックスが「これで3人目」と言っていたので、もう1件死者の出た事件があるはず。詳細不明。


感想

久しぶりのキューバ難民ネタ。シーズン1「漂流 新月の闇」は新月で、今回は満月。

上陸した難民を救援するのは合法だが、海に入って助けるのは違法――だが、溺れそうな難民を見て迷わず法を侵すホレイショ。やはり、こうでなくては。これは、デルコのためでもあるのだろうか。どのみちデルコはあの難民たちを黙って見てはいられないだろうから、万が一表ざたになった場合に「彼は命令に従っただけ」と言えるように。

ラストのオチは……うーん、ここまで必要かなぁ? という疑問がなくもない。「血の因縁」みたいなドロドロの展開になる前に終わっちゃった感じだし、中途半端なまま後味の悪さが残ったような。

キューバといえば、ホレイショの母親がキューバ人という設定をどこかで見たような気がするのだが、ドラマの中ではそれを思わせるような描写を見た記憶がないな。スペイン語も少し話せる程度だし、キューバ人コミュニティともあまり交流がないようだった。ホレイショはシーズン1(2002年)で45歳だと言っていたので、生まれたのは1957年ごろ。ちょうど、カストロがメキシコから戻ってきて革命戦争を始めた頃になる。もしかしたらケイン家は、キューバ革命を逃れてアメリカに亡命した、旧支配階級だったのかもしれない。

カリーとスピードルの事件。あれで起訴しないのか。銃を持っている時には、うっかり引き金を引かないように十分注意する、というのは当然の義務だと思うんだけどな。まぁ被害者の遺族が民事訴訟を起こせば、それなりに制裁は受けることになるのだろうけど。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2006-06-24