CSI: Miami - Season 3, Episode 21
You know, Amy, sometimes we tell a lie to protect the people we love. But it's still a lie, isn't it?
ブラッド・マニングと前妻シェリ・ライルが、娘エイミーの虐待を訴えた。お互いに相手が娘を虐待していると主張。
2人は離婚した時も親権をめぐって争い、その時はシェリーが勝ってブラッドに接近禁止令を出していた。だがブラッドは、命令を無視してエイミーを連れ出したことがあった。警察が2人を発見した時、エイミーの下着には血が付いていたが、その血液はブラッドともエイミーとも不一致。検査を実施したヴァレーラがミスをして停職中であるため、カリーはウルフに血液の再テストを指示する。ホレイショはエイミー本人に事情を聞こうとするが、エイミーは「パパとの秘密」と、詳細を語ろうとしなかった。
DNA検査の結果、シェリとエイミーは実の親子だが、ブラッドと血縁関係はなかった。それを聞いたブラッドは「州が違っても同じ」と言って立ち去る。その言葉が気になったホレイショが他の州の前歴を調べると、ブラッドの記録はなかったが、シェリは詐欺、窃盗、脅迫などで起訴されていた。シェリはネットで自分のセクシーな写真を公開し、男性を釣って詐欺をはたらいていたのだ。
デルコ、トリップ刑事担当。ビル・キーラーという男性が、マンションの16階にある自宅から落下して死亡。前腕が何箇所も骨折しており、身を守る体勢であったことから、他殺が考えられた。車で現場に向かうトリップ刑事は途中で追突事故を起こすが、ぶつけられた側であるはずの相手は、いきなり車を発進させて逃亡。
キーラーの手の甲には何かで刺したような跡があり、首は皮膚が変色していた。また、陰毛の先端が枝毛になっており、性的な逸脱行為の可能性があった。
ヴァレーラの代わりにDNAラボに入ったニコールの調べで、虐待事件の被害者エイミーの下着にあった血痕が、ボブ・キーラーの物とわかる。2つの事件は関連していたのだ。
* * * * *
キーラーのハードドライブには、シェリとともにエイミーが映っている「広告写真」があった。ホレイショはシェリが娘を売り物にしていたのではないかと疑う。
キーラーの首の変色は、ブラッドのヘアダイだった。ブラッドは、朝ラボへ来てホレイショと会った後、キーラーのマンションへ行き彼を殺害したのだ。次の狙いは前妻のシェリと思われた。シェリは午後4時に、予審のため裁判所に現れるはず。ホレイショは急遽現場へ向かう。
裁判所にシェリとエイミーが現れる。ブラッドは銃を抜く。トリップはその日、事故を起こした相手のドライバーを発見。その男は晴天の下でなぜか傘を広げる。ブラッドはシェリに銃を向ける。ホレイショとブラッドはほぼ同時に発砲。シェリは負傷、ブラッドは死亡する。男が傘を広げたのは、監視カメラを遮るためだった。
傘をさしていた男ドン・ランディスは運転手で、空港で乗せた男から、どこで何をするかを指示されたと言う。だが、指示した男はブラッドではなかった。
シェリの傷口から摘出した弾は45口径だった。ブラッドの銃は38口径。ホレイショは9ミリで1発しか撃っていない。その弾はブラッドの胸から摘出されていた。他の誰かがシェリを撃ったことになる。
銃撃が行われた時、裁判所の前ではニュースの録画が行われていた。そのビデオの音声を分析すると、銃声が3回していたことがわかる。カリーとウルフは、銃声にかかっていたエコーを手がかりに再現実験を行い、第3の射撃者の位置を特定。その付近には、焼け焦げの付いた新聞紙の切れ端が落ちていた。新聞で銃を隠して撃ったのだ。新聞紙のインクの特徴から、北西部で印刷されたものとわかる。また、車を運転しなかったことから、ニューヨーク在住の可能性を考えて調べると、シェリの被害者の中にNY在住のヴィンセント・レスカがいた。ランディスはヴィンセントを乗せたことを認めた。
ヴィンセントの狙いはシェリではなくブラッドだった。ヴィンセントはホレイショと同時に発砲し、ブラッドが撃たれて倒れたために弾がシェリに当たったのだ。ヴィンセントのDNAを検査すると、彼がエイミーの実の父親であることが判明。
エイミーが行方不明になったと報せが入るが、ホレイショは図書館で難なくエイミーを発見。エイミーはホレイショに「秘密」を打ち明ける。ブラッドは、母親やその彼氏たちがエイミーを傷つけない場所へ連れて行くつもりだった。ホレイショは、もう誰もエイミーを傷つけないと約束する。
シェリはエイミーを連れて帰ろうとするが、エイミーの代理人としてケンウォール・デュケーンが現れ、エイミーは州の保護下に置かれると宣言する。シェリは娘を危険に晒した罪で逮捕される。
今回は、少し変わった始まり方をした。冒頭、裁判所前の銃撃シーンから始まる。男が銃を抜き、カリーとウルフが口論し、トリップが怪しい男を発見、そしてホレイショが銃をかまえ「ブラッド、やめろ!」と叫ぶ。そして銃撃。倒れるカリー。え、いったい何が起きてるの? と思っていると、いきなり画面は「8時間前」に戻る。そこでやっと、どういう事件なのかがわかるのだ。
インパクトのある場面を最初に持って来て、後から「これこれこういう経緯でした」と説明する方法は、このシリーズでは初めてかな。でも、時間を巻戻す方式と、それによって一見別々の事件を関連させていく手法は、本家ベガスのシーズン5で見たばかり。向こうの方が構成としては手が込んでいたので、その点で割を食った感はある。でも、別々の事件が「午後4時@裁判所」に向けてまとまっていく勢いとスピード感が心地良く、ぐいぐい引き込まれていった。
改めて冒頭のシーンを見ると、ホレイショの “Don't do it!” は、いつもの凶悪犯に対する威嚇とは口調が違っているように感じる。
しかし、そこでホレイショの銃弾がブラッドを殺さねばならなかっただろうか? というところには、いささか疑問が。脚とか肩を撃つことはできなかったのだろうか。ブラッドを殺したのはホレイショではなく、実はヴィンセントの銃だった――という方が、何だかしっくりくるような気がするんだけどな。
いつも女の子には優しいホレイショだが、今回のエイミーとは、今までとはちょっと違う不思議なケミストリーを感じたので(化学作用がホレイショからの一方的な物質発散ではなく、相互作用だったような感じ)よけいに、ホレイショにはブラッドを殺してほしくなかった……。
ホレイショはエイミーに「愛する人を守るために嘘をつくこともあるけれど、嘘はやはり嘘だ」と言う。そう言った後に当のホレイショが、愛するイェリーナを守るために「ボブのファイルに不審な点はなかった」と嘘をつく。そう言われたイェリーナは嘘に気づいただろうか。気づいたけれど、ホレイショから言ってくれるのを待つつもりなのか(あの様子を見て何も気づかないようなら、もう刑事を辞めた方がいい)。
カリーとウルフが冒頭からもめていたと思ったら……最近「ウルフどうしちゃったの?」「デルコどうしちゃったの?」とかわりばんこに言っているような気がするが、今回はとうとう「カリーどうしちゃったの?」と思ってしまった。裁判所命令にはただ従えば良いのではなく、地方検事の所へ行って不服申し立てをする、なんていうのはカリーが指示しなければいけないのでは? と思った(命令書は見ているのだから)。ウルフに対する態度も、いつものカリーらしくないように感じられた。ホレイショとはさすがに、意思の疎通ができているようだけど。
でも、ウルフがカリーパパのことでちょっと嫌味なことを言った時はひやひやした。パパの存在はカリーのアキレス腱なのだから。パパのことでカリーを怒らせたヘイゲンがどうなったか、見ただろうウルフ! でも、ラストでウルフが謝っていたし、パパも弁護士としてカッコ良かったし、これはこれで解決……だよね。
あ、でも「デルコどうしちゃったの?」は今回も感じたかな……。デルコ出番あった? どこ行っちゃったの?
— Yoko (yoko221b) 2006-09-19