CSI: Miami - Season 3, Episode 22
Mortality clock. It counts down the remainder of someone's life. Or their life sentence.
カリー、ウルフ担当。高校の同窓会会場のトイレで、同窓生のひとりパトリック・ヘイルが後頭部を殴られて殺害された。トイレのゴミ箱には、凶器と思しきシャンパンのボトルが捨てられていた。
パトリックの妻ジェニー・ヘイルは、夫の首にキスマークを見つけて怒る。パトリックは高校時代に本命の彼女とは別に遊んでいた相手ミシェルがいた。この日もミシェルとトイレでキスを交わしたが、彼女はパトリックに馬鹿にされ、怒ってその場を立ち去っていた。
同窓会会場には、生命保険の勧誘員のダンがいた。ダンは同窓生ではないが、同窓会は保険の勧誘には最適な場所であるため、マイアミで開かれる同窓会にはたいてい顔を出すという。ジェニーは事件の直前に、ダンの勧めでパトリックに保険をかけていた。
シャンパンのボトルには、被害者の血の下にアラゴナイトの粉末が付着していた。バハマの海岸の砂によく見られるものだ。シャンパンのボトルは、バハマの海岸の砂とともに「タイムカプセル」の箱に入っていたものだった。その箱の鍵を持っていたのは、幹事のクリスタルとミシェル。ミシェルはシャンパンを出してパトリックを誘い、トイレの床に置いてそのままにしていた。ミシェルの言葉から、生命保険のダンは、実はその高校を1年でドロップアウトしていたことがわかる。
ダンは1年生の時、パトリックにいじめられ、縛られてロッカー室に閉じ込められたことがあった。ダンの身体にはその時のテープの跡がまだ残っていた。ダンは謝れと言ったが、パトリックは笑って取り合わなかった。人生を奪われた恨みから、ダンは彼の命を奪ったのだ。
ホレイショ、デルコ担当。パトリック・ヘイル事件の現場にいたホレイショは、別の事件の連絡を受けてその場を離れる。そこで射殺されていたのは、ボブ・キートンだった。その現場は警察が到着する前に、すでに指紋の採取や薬きょうの回収などが行われていた。
ボブ・キートンの遺体の胸には、テープをはがしたような跡があり、その部分に指紋が残っていた。身につけていた盗聴器を何者かが持ち去ったと思われた。また、傷口には銃口を押し付けた跡が残っていた。
指紋の主は、デイヴィッド・パークという政府職員。国勢調査の係だという。指紋の件を持ち出され、パークは現場を調べたことを認めたが、ボブの殺害は否定。「幽霊を呼び起こすものではない」と忠告を残す。
現場にあった白い粉末は、コカインだった。組成から、コロンビア人のフリオが扱っている物とわかる。フリオはボブと一緒にいたことは認めた。だが連行しようとしたところで、フリオが狙撃され死亡。フリオの手下のルイスを逮捕してみると、ボブの身体に残っていた銃口の跡とルイスの銃が一致した。
だがフリオを撃った銃はルイスの物ではなかった。フリオは口、胃、腸に潰瘍があり、両手に火傷のような損傷があった。さらに検査の結果、リンパ球の値が異常に低いことがわかる。潰瘍と併せて考えると、放射線に被曝した可能性がある。フリオのアジトを捜索すると、そこにはX線マシンがあった。マシンのシリアル番号は、リチャード・トマソンという人物に行き着くが、トマソンの事情聴取の途中でデイヴィッド・パークらが登場し、トマソンを逮捕。ホレイショは、背後に大きな力が動いていること、そしてレイモンドがそれに関わっていることを確信する。
華やかな同窓会会場、というマイアミらしい場面から始まったと思ったら、もうひとつの事件はボブ・キートンの殺害! しかも何者かがすでに現場を調べている。
どうやらボブやレイモンドは、単なる麻薬捜査ではなく、もっとスケールが大きく危険な犯罪(テロ?)を探っているらしい。こうなると、いくらホレイショでも地方警察署の鑑識チーフに太刀打ちできるレベルではないと思うのだが……。初登場のデイヴィッド・パーク捜査官は、目に力のある印象的なキャラだ。国勢調査やってますとか言われて、いったい誰が信用するだろうか。
やっと何かあると気づいたのか、それともここに来てこれ以上気づいていないふりはできないと思ったのか、イェリーナが珍しくホレイショに強い口調で迫る。彼女はホレイショにただ守られる存在であることを止め、レイを取り戻すために共に戦う同志になるのだろうか? と、ちょっと期待。
レイの死に方も前シーズンまでとは変わっていて、どうやらホレイショやイェリーナにも詳細を知らされないままだった、ということになったようだ。検死報告書は非公開、棺の蓋も閉じられたまま葬儀が行われ埋葬されたらしい。身代わりの死体を用意して、顔を吹っ飛ばすか焼き殺すかしたのだろうか(だ、誰を?)。それとも棺の中にはレイの体重と同じだけの重りが? 津波で流出したらどうすんの? ……うーむ、あまり考えてはいけないな。
死んだはずの人間が実は生きていたり、重要な情報を握る被疑者が逮捕直後に狙撃されたりと、もうこれは「24」か! と思うような展開だった(爆弾はどうした、爆弾は!)。もうマイアミは科学捜査とかミステリとかいう観点では見ていないのだが、この調子でどこまで行くのだろう。もうどこまでも行ってくれ、どこまでついて行けるかはわからないが。
— Yoko (yoko221b) 2006-09-25