CSI: Miami - Season 4, Episode 16
Personally, no. Professionally, yes.
公園でフィリップ・ゴードンという男が他の4人の男たちに襲われ、殺害される。フィリップは子どもに対する性犯罪で収監され、仮釈放されてからまだ1ヶ月も経っていなかった。体中に傷があり、致命傷は腹部を刺された傷だったが、靴の上に滴下血痕があることから、立った状態で刺されたことがわかる。
地面の血痕は公園の砂場に続いており、そこには子ども用の携帯電話が落ちていた。電話を持っていたのは近隣に住むヴィクター・テラザの娘イザベル。ヴィクターはフィリップがイザベルに手を出したのを見て追いかけて殴ったが、刺してはいないと主張する。ヴィクターがフィリップを警戒していたのは、彼の前歴を書いた張り紙を見たからだという。指紋を調べると、その紙を貼ったのは近所に住むアレックスだった。アレックスは仕事で痛ましい事件を何度も目にしており、小さな子を持つ母親としても、性犯罪者の動向は常にチェックしていたのだ。
フィリップは前歴のおかげで住む場所もなく、弟(兄?)のロバートとその妻ヘイリーの家に居候していた。ロバートの話では、フィリップは自分の性癖を変えようと努力していたというが、張り紙のせいで近所からの嫌がらせが絶えなかった。嫌がらせをした隣人の中には、性犯罪の前歴を持つネッド・オストロフ(シーズン2「CSIの汚名」に登場したアシュリーのストーカー)や、フィリップのかつての被害者だった少女もいた。
ネッド・オストロフが警察署に現れ、覆面をした男に銃を突きつけられ「子どもたちに手を出すな!」と言われて殴られたと言う。痣の形状を撮影して調べると、ネッドの胸に残る銃の跡は、ヴィクター・テラザが所持していた銃と同じ型だった。ヴィクターはフィリップを懲らしめるために娘を囮に使ったことを認めた。だがヴィクターが持っていたナイフは被害者の傷口とは一致しない。被害者の腰に小さな切り傷があったことからも、凶器は被害者自身が所持していたナイフであると思われた。
フィリップを刺した凶器は、ゴードン家のキッチンで発見される。ロバートは、フィリップが更正しようと努力していることを信じてかばってきたが、隣人からの嫌がらせがひどく、そのストレスで妻ヘイリーは流産。そのうえフィリップが子どもたちの姿を公園で覗き見しているところを見てしまい(フィリップは「自分を試しているんだ」と言って抗議したが)、ナイフを取り上げて刺したのだった。
すごい邦題……たしかに「ポルノ爆弾」は登場するけど、別にそれが主題というわけじゃなし、何もタイトルにしなくても。表示された写真はどれも普通のスナップ写真だったけれど、露骨なポルノだとテレビで映せないだろうからしょうがないか。児童ポルノは製造・販売はもちろん、単純所持やメール送付でも罪になるとのこと(少なくともフロリダ州では)。爆弾といっても本当に爆発するわけじゃなくメールで簡単に送りつけられるのだから、さほど罪の意識もなく他人を冤罪に陥れるお手軽な「爆弾」になるのもわかる気がする。そういえば、ベガスの小説版でも、児童ポルノをダウンロードした疑いで会社のワークステーションを根こそぎ押収という話があった。
今回は、個人的なあれこれは多少あったものの(特にアレックス)、事件の描写が多かったので良かった。シーズン2「CSIの汚名」でAV女優をストーカーしていたネッドが再登場したこともあって、シーズン1~2の頃を思い出した。デルコとウルフがポスターを探す時の分割画面も、分割する意味はあまりないような気もしたけれど、視覚効果としては楽しめたし良かったと思う。DVDのメインメニューの音楽は、このシーンのだったのね。
珍しく意見が対立するカリーとウルフ。で、最後にちゃんと仲直りしたことはともかく、そこで「続きはこの後ビールでも飲みながら」となったことにちょっとびっくり。服も同じグリーンだし、ちょっと何となくそーゆー雰囲気!? ウルフはナタリアからもパーティに招かれているし、いったいどうしたんだ! それより目はもう大丈夫なのか!
今回ウルフはホレイショの命令で何か影で動いているらしいことも示唆される。おそらく例のスパイを探る仕事か何かなんだろうけど……この「スパイ」、今まで「スパイがいる」という情報だけが先行して、誰に雇われてどういう情報を売っているのかがよく見えてこない。スパイを送り込んでいるのは検察なのか検死局なのか。それとも、金次第で誰にでも情報を売る独立系(?)の情報屋なのか。そろそろはっきりさせてくれないと飽きるよ。
さて事件の方では、アレックスの言動にいささか疑問を感じてしまった。もちろんアレックスは子どもが犠牲になる事件を担当しているし(シーズン1「魔の手」など)、再犯のおそれのある元受刑者が近所にいるとなれば気が気ではないだろうが、それにしては冒頭の遺体発見現場で普通に検視してるのよね。群集心理からエスカレートして殺人に至ってしまった事件を担当したことがないとは思えないし、自分でポスター貼ったことくらい覚えてるでしょ? それに「自分の行動が被害者を死に至らしめたかもしれない」ことより「罪に問われる」方が気になるの?
それにしても被害者のフィリップは、刺されて重傷を負いながら、公園で女の子に話しかけたのだろうか。死ぬ前にせめてもう一度……と思ったのか。なんだか救いようがないな。
【追記】公式サイトの解説によると、フィリップが女の子に話しかけたのは両親を呼んで助けてもらうためだったらしい。でもそうは見えなかった。