CSI: Miami - Season 6, Episode 6
マイアミで皆既日食が起きたその瞬間、ホテルのプールサイドでロニー・テンプルという若者が首を絞められて死亡する。宿泊客たちは皆日食に気を取られて目撃者はゼロ。現場に来たアレックスは「日食の最中に死んだ人は、誰かの魂を道連れにするまで安息できないのよ」という言い伝えを口にする。
遺体のそばには、プールには不似合いなアタッシェケースが置かれていた。中身は空。ケースに付着したDNAはなぜか狼のような形質を呈している。そのDNAの主マリオ・モンテロは狼男に傾倒し、狼のホルモン剤を摂取していたのだった。モンテロは「ドラッグなら何でも扱う」売人のロニーがプールで商売をしていることを知り、ホルモン剤を盗んだだけだと主張する。
アレックスはロニーの検死を行っていたが、その途中で突然倒れて意識を失う。
その後、夜勤チームが扱ったダイアナ・ロングという女性の事件が、ロニー事件と同じ手口であることがわかる。ダイアナはインターネットで一日中チャット三昧という暮らしぶりで、必要なものは宅配で揃えていた。遺体を発見したのも配達業者で、最後に頼んだ物は「2人ぶんの食事」だったという。
アレックスが倒れた原因は、ロニーが覚せい剤を服用し、体内でガスが発生していたためとわかる。アレックスは倒れる前に毛髪を採取しており、それを調べてみると狼の毛と判明。そこでデルコとナタリアはモンテロの自宅へ向かうが、モンテロは首を絞められて倒れている。突然何者かに教われ、飼っている狼が撃退してくれたのだという。
その後、犯人が触った椅子から特殊な日焼け止めが検出され、犯人が紫外線アレルギーであることがわかる。ダイアナとモンテロの事件は夜に、ロニーの事件は日食中、いずれも太陽が出ていない時刻の犯行である。
そこで、彼らはダイアナのチャット相手であるニコラス・パイクを呼び出すが、パイクは日中にも関わらず日焼け止めも使用せず悠然と日光の下を歩いて来たため、容疑は晴れる。
捜査員たちは、3つの事件の被害者が「なぜ選ばれたのか」を探るため、3つの現場の写真を合わせてパノラマ化し、その3点を見渡せる位置を探す。そこにはニコラス・パイクの住居があった。
パイクの家に踏み込んでみると、そこには望遠鏡があり、3人の被害者それぞれの部屋を観察できる角度にセットされていた。さらにもう1軒、別の現場がセットされていたことがわかり、そこへ急行すると、パイクは今まさに被害者の住居へ侵入しようとしているところだった。以前デイド署に来た時、パイクは日光の下を歩いたが、紫外線アレルギーの症状は日光を浴びてすぐに出るわけではない。逮捕されたパイクの顔は、紫外線のため酷い炎症を起こしていた。
アウトドア派だったパイクは、紫外線アレルギーを発症してからストレスを抱え、気晴らしに望遠鏡で外を観察するうちに、ドラッグディーラーのロニーや、近くに住みながらチャットでしか会話しようとしないダイアナとモンテロたちに憎しみを抱くようになったのだという。
初回放映は2007年の10月末で、前年の「危機一髪」に続くハロウィン怪奇エピ。今回はマイアミで皆既日食が起こる――ということで、2ヶ月ほど前(2009年7月22日)の屋久島や奄美大島での日食祭りを思い出した。
明るいマイアミの陽光が遮られ、突然そこに出現する夜の闇。その闇に紛れて姿を現す殺人者――という舞台仕立てはホラーっぽくて良いのだけど、そこから先への展開が、あまりその良さを活かしきれていない感じだったのが残念。狼男の設定もちょっと中途半端だったしな~。それに、日食を直接見てはいけません! ちゃんと専用の日食グラスを使用しないと目を傷めますよ~。
さて、狼男登場と連動したわけでは全然ないようだけど、今回ようやくウルフは復職がかなう。でも、特に復職ドラマがあるわけじゃないのね。ギャンブル中毒 → 解雇 → 審査 → 復職、という試練を辿った後の成長ぶりが今後見られるようになるのだろうか。そこは大いに期待したい。でも、実を言うともっと色々な職を転々としながら捜査にからんでくるところも見たかったかも。
パイクが使っていた特殊な日焼け止めって、処方箋は要らないのかな?