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CSI: Miami - Season 6, Episode 21

#142 Going Ballistic


事件概要

マニー・オルテガ、シャノン・ヒギンズ、ブラッド・ガウアー、ホレイショ・ケイン

高層ビルの一室から若い男性が転落する。ガラスを割って仰向けに落下したことから、他殺の可能性が高い。アレックスの後任の検死医、シャノン・ヒギンズが現場に到着して検分を始めるが、そこで被害者が喉を鳴らす音がしたため「救急班を!」と叫ぶ。すると唐突に銃声が響き、シャノンはその場で射殺される。結局、喉の音はデス・ラトルと呼ばれる現象で息を吹き返したわけではなかったが、検死医の叫ぶ声を聞いて何者かが被害者にとどめをさそうとしたものと考えられた。

被害者の氏名はマニー・オルテガ。転落した部屋は空き部屋で何もなかったが、脚立に付着した血液から、ATF(アルコール・タバコ・火器局)のコールドウェル捜査官が現場にいたことがわかる。捜査官は、武器の違法取引でマニーを調べており、問い詰めてみたが何も答えなかったと関与を否定。

銃撃の現場で弾の方向を検証した結果、狙撃場所は付近の立体駐車場と判明。カリーはそこで薬きょうと未使用の弾を多数発見し、ラボに持ち帰る。しかし、ラボで調べている最中、弾丸のひとつが床に落ちて暴発し、火事になってしまう。通常、弾丸の火薬には安定剤が配合されているので、落としたくらいで暴発はしない。それは1969年に旧ソ連で製造された古い弾だったため発火しやすく、爆発してしまったのだ。

弾の出所と薬莢の指紋から、軍需品の供給会社に勤務するブラッド・ガウアーの関与が判明。古い弾丸を安く仕入れ、新品として転売していた可能性があった。ブラッドは、最新の強力な弾丸の取引をマニー・オルテガから持ちかけられたことを認める。その後に、マニーがATFの捜査官と会っているところを見たため、密告屋だと思って銃で脅してみせたところ、マニーは窓を破って転落死したのだった。ブラッドは駐車場に潜み、検視官の「生きてるかも」という声を聞いて銃を乱射し、マニーを確実に殺そうとしたのだった。

ブラッドは逮捕されたが、連行される途中、そばを通り過ぎた車から何者かが発砲し、ブラッドは射殺される。銃声は一度だけで射入口も1つしかしなかったが、射出口は多数。ヒューズド・アロイ弾という最新式の弾丸が使用されたのだ。アロイ弾は、防弾チョッキのような物に当たればそのまま貫通するが、人体のように熱を持った物に命中するとその熱でバラバラになり、確実に人間を殺害するという危険な弾丸。

コールドウェルは、マニーが接触した買い手のリストを入手する。その中には、ロン・サリスの名前があった。だがロンは「犯行当時ジュリアと結婚式を挙げていた」というアリバイを主張する。ロンの目当ては金だと踏んだホレイショは、ジュリアとカイルに「しばらく身を隠せ」と忠告する。

その後、ブラッドを狙撃した人物が乗っていた車が発見される。携帯電話と連動するカーナビが搭載されており、乗っていたのはブラッドの部下のコリン・マディソンと判明。

ウルフはコリンの取調べ中に「急用ができた」からと中座。カリーはそのまま取調べを続け、背後にいたのはマニーの兄、ホアン・オルテガであるという供述を得る。ホアンは弟の仇を取っただけでなく、武器密売の黒幕でもあった。

逮捕されたホアンは、拘置所からどこかへ電話をかけ「ホレイショ・ケインだ……済んだら教えろ」と指示する。ロンはアロイ弾を手にする。ジュリアはどこかへ出かけ、カイルは拳銃を取り出す。

そしてホレイショは飛行場へ向かい、ジュリアとカイルを国外へ脱出させるべく2人を待ち受ける。だがそこで突然銃声が響き、ホレイショはその場に倒れる。

その頃、デイド署の前ではライアン・ウルフが「完了した」というテキストメッセージを受け取っていた――。


感想

アレックス役のカンディ・アレクサンダーは、出演場面こそないものの、OPのクレジットは前回も今回もそのまま。2回の放送のために編集し直すのも大変なのかな。で、現場には後任のDr. ヒギンズが到着したものの、あっというまに殉職。そんなぁ。

そうか、マイアミでは検死官ってすごく危険な職業なのだった……今まで何度も災難に遭いながら生き残ってきたアレックスは、実はすごい強運の持ち主だったのね。連行途中の被疑者はまた狙撃されているし(何度目だよ)!

ロン・サリスが今回はジュリアの「夫」として再登場。演じている役者がCSI:NYで刑事役だったので「潜入捜査に見える~」とか言っていたら、今回は何と! 本家ベガスからキャバリエ刑事まで潜入しに来てますよ!(違)そっかー、本家で姿を見ないと思ったらこんな所に……。とはいえ、実はマイアミでもシーズン1で一度、犯人役で登場済み。

そしてラストでは驚愕のクリフハンガーが……! の、はずなのだろうけど。

どうせ死んでないでしょ? ホレイショ。背中に射出口がないので、少なくともアロイ弾で撃たれていないのは確かだろう。つーか銃声に驚いて転んだだけなんじゃないの? 恥ずかしいので起きるに起き上がれず死んだフリとか。

このシーズンは、CSI三部作すべてが似たり寄ったりのクリフハンガーで終わった、ということもあり、せっかくの演出も少々空回りな感がなきにしもあらず。タイミングの良いことに、ちょうどこの10月からWOWOWでシーズン7が始まり、初回が無料放送だったので、このラストシーンの続きも見られたし。

脚本家組合のストライキで、シーズン半ばでの中断を余儀なくされた今シーズン。21話というのは話数としては多い方だけど(他のドラマは殆どが20話未満)、やはりどうしてもまとまりに欠けた感が漂う。ホレイショとカイルの親子ストーリーも十分に描ききれたとはいえず、今回もフィナーレというより、次シーズンに向けての中継ぎエピの印象。飛行場でのラスト、というのはシーズン3のフィナーレ「去りゆく者たち」以来のことなのだが、シーズン1~3のトリロジーに対してシーズン4~6のトリロジーがここで完結、という印象からは程遠い。

というわけで、このクリフハンガーも「まだ話は終わっていないんだよ!」という意味であって、作り手の側から視聴者に対して「何が何でも戻って来てほしい」という強いメッセージが投げられているのだと思うべきなのかもしれない。

前回のシークレットディスクの内容も、結局言及されず。これも次シーズンに持ち越されるのか、あるいはこのままやりっぱなしになってしまうのか。ホレイショの安否よりそっちが気になる~。

あともうひとつ気になるといえば、ホレイショのグラサン。転んだ後に移動してない? 風で飛ばされたのかな。

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Yoko (yoko221b) 2009-10-26