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CSI: Miami - Season 9, Episode 16

#207 Hunting Ground


事件概要

エンリケ他

エバグレーズで若者が矢に射られて殺害される。そばでは別の男が首からペンダントを外そうとしており、警察に逮捕される。

最初はハンティング中の事故かと思われたが、矢を射た方角からハンターのいた足場を割り出してみると、そこからは被害者のいた現場がよく見渡せた。ハンターは被害者の姿をはっきり捕らえて狙い撃ちしたのだ。被害者には「10」、そばにいた男には「9」の焼印があり、2人は一緒に足枷でつながれていた形跡があった。

「9」の男はジャンと名乗り、「自由にしてやる」と騙されてハイチから連れて来られた後、「10」のエンリケとともに人間狩りの獲物になったことを認める。弟のアンリも捕らえられているという。

エンリケを殺害した矢は高級品で、近くで扱っているのは「ファーザーズ・プライド」という店だけ。店主のウェスリー・ヘイバックは事件への関与を否定し、しぶしぶ顧客リストを渡す。リストからブローカーのスティーブ・レイマーが弓矢を買ったことがわかるが、レイマーは「クレジットカードは盗まれたもので、自分は無関係」と強引に主張する。しかし、ハンターの足場の近くで採取されたヒルがレイマーの血を吸っていたことがわかり、レイマーの犯行が裏付けられる。

他にも1から8までの被害者がいるはず、と判断したウルフは全米の被害者情報を探し、ICE(入国税関取締局)の記録で該当者を発見。ICEから得た情報で人身売買組織を発見し、エンリケの妻子が発見される。現場にいたハビエル・ロペスは、「ファーザーズ・プライド」のヘイバックが男たちを「買って行く」ことを認める。

ヘイバックは店にいなかったが、ホレイショらはGPS信号でヘイバックを探して追跡。彼らはやはりエバグレーズへ向かっていた。ホレイショはヘイバックを銃で脅し、獲物の気持ちを散々味わわせたうえで逮捕。今回の獲物にされていたアンリは無事に保護され、兄のジャンと再会を果たす。


感想

デルコ役アダム・ロドリゲスが脚本・監督を務めたエピソード。今シーズン、16話見た中ではこれが文句なしにベストエピだ! エバグレーズの自然、不法移民の入国最前線としての地理的位置、卑劣な犯罪者への怒りと弱者へのいたわり。「CSI:マイアミ」という番組のエッセンスを凝縮したようなエピソードだった。9年間デルコを演じて「マイアミ」の世界を知り尽くしているロドリゲスならではの作品だと思う。

人間狩りという素材自体は、前回に続いてまたクリマイ風味? と一瞬思わせたし、また映画「猟奇島」との類似性も指摘されているが(この作品は、あのゾディアック・キラーが愛好したらしいということでも有名)、全体のカラーは「マイアミ色」以外の何物でもないだろう。素材よりも料理の仕方なんだなぁ。

ホレイショは相変わらず大暴れで被疑者を脅しまくりだが、不思議と今シーズンの前半に感じたような「やりすぎ」感は感じなかった。彼ら自身がやってきたことを「される側」になってみろという範囲を超えていないことや、物理的に危害を加える所まで踏み込んでいないこと、被害者をいたわる場面にそれ以上のウェートが置かれていたこと、などが理由ではないだろうか。The Wire ではあんなに鬼畜だったジェイミー・ヘクターが、今回は弟思いのジャンの役をさわやかに好演していて新鮮だった。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2013-05-18