CSI: NY - Season 1
A man a mile. That's the death rate down there.
マック、ダニー、フラック刑事担当。ニューヨークの地下にある工事現場。爆破の後、現場で工夫ピート・リッグスの遺体が発見される。作業用の装備を身につけていなかったため、警察が捜査をすることになった。被害者は全身を骨折していたが、死因は喘息。爆発の前に死亡しているが、顔の傷は生前に受けたものだった。血痕と空の吸入器が発見され、そこがピートの死亡現場と思われたが、発見現場からはかなり離れている。彼は故意に置き去りにされたのだ。
工夫の一人アル・マクグラスの靴にはピートの血がついており、耳には誰かに噛まれた傷痕があった。ピートが原因で起きたケンカを仲裁した時のものだった。ピートは不注意から仲間に後遺症が残るほどの怪我を負わせたことがあり、争いが絶えなかった。吸入器が空になっていたのは、現場監督が不注意を叱って薬品を出したためだった。さらに、ピートの兄ジョーが誰かに殴られて入院するという事件が起きるが、ジョーは何も話そうとしない。作業員たちの団結力がCSIの捜査を阻む。苛立ちを隠さないダニーに対し、マックは「個々の証拠のつながりを探すんだ。直感ではなく証拠に頼れ」と諭す。
マックはピートの手の指に不自然な傷があること、仲間と同じ指輪をしていないことに気づく。指輪は現場で発見された。ジョーは問題を起こしてばかりの弟に手を焼き、指輪を取り上げてピートを地下に置き去りにしたうえ、リフトから指輪を投げ捨てた。その指輪はピートの手の指を直撃。朝になって行ってみるとピートが死んでいたので、遺体を隠して爆発で隠蔽した。ジョーが殴られたのは、仲間の掟を破ってピートを置き去りにしたためだった。
ステラ、エイデン担当。港のドックでドレスを着た少女の遺体が発見された。名前はハンナ・レッキ。ブロンクスデールに住み、アッパー・イースト・サイドの女子校に通っていた。そこは高級住宅街で、ブロンクスデール出身の生徒は少ない。ハンナは友達の家に泊まると言って三日前に家を出たきりだった。
死因は絞殺で、性的暴行はなく、16歳なのにアルコール濃度が高かった。学校のロッカーにあったハンナの衣服はアウトレット品だったが、死亡時に着ていたドレスはそうではない。エイデンは、首に残る痕から凶器はワニ皮のベルト類と推測。ステラは、水中の珪藻植物から遺体の遺棄現場を追跡。植物が吸い込んだ水に含まれる不純物と潮の流れから、遺棄現場を特定。その近くにはクラブがあり、オーナーはマット・ポールソン。マットの妹ティナはハンナの親友だった。
そのクラブの監視カメラは動作していなかったが、隣接する会社の監視カメラの映像を調べると、クラブの裏でハンナとマットがキスしている所が映っていた。マットは、ハンナが自分に熱を上げていたと言う。ハンナはティナの家では家族同然に扱われており、ヨーロッパ旅行に招待された時には、狐狩りに参加し、獲物の血を顔に塗るという名誉のしるしを受けていた。ステラとエイデンは、それがティナの動機ではないかと推測する。
ハンナの首に残る跡は、ティナの持っていたワニ皮バッグのストラップと一致した。ティナは、父親から生き物を殺す話を聞かされたことを話す。生き物の目から生命が消えていくのを見る、あのような気持ちは他では味わえない、と――。
マックとダニー、ステラとエイデンの初組み合わせ。事件も、トンネル工夫の事件とハイソなお嬢様学校という好対照だ。
マックとダニーの事件では、事件よりもこの2人の捜査をめぐるやり取りが面白かったかな。マックがダニーにとって良き師であること、マックの事件へのアプローチ方法が「証拠の関連性を重視する」であることが感じられるエピソードだった。
ステラの事件。NYのシリーズは、他のシリーズと違って地名などの固有名詞がよく登場する。学校の所在地アッパー・イースト・サイドは、メトロポリタン美術館やら高級ブティックが立ち並ぶおハイソな地区。ブロンクスは下町。