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CSI: NY - Season 1

#7 Rain


It's always something, something you didn't expect or count on, something that screws everything up.

事件概要

銀行強盗/嬰児誘拐事件

中華街。銀行から全身火ダルマになって走り出て死んだ男がいた。顔面にはねばねばした物質が付着しており、仮面をかぶっていたものと思われた。金庫室に押し入った犯人グループと警備員の間で銃撃戦になり、銃弾がアセチレンのタンクに引火したため、火災になった。犯人のうち一人は外で焼死、もう一人は中で射殺。壁の穴から屋外へ向かう位置に血痕があり、犯人は少なくとももう一人いたことがわかる。だが、大雨で屋外の証拠は大半が流れてしまっている。その「銀行」は最近まで靴屋だった建物にあり、セキュリティはあまり良くなかった。裏口の扉は内側からしか開かないはずだが、穴が開けられていて傘を使えば簡単に開けることができた。

ステラは現場に落ちていた小さな黒焦げの物体の中に、部分的な指紋のついた金具と翡翠のサルを発見。犯人の一人は、そのサルのついたお守りのブレスレットを握り締めていた。金具の指紋は、行員のジョアン・チョウと判明。ジョアンは子どもを誘拐され、金庫破りに協力するよう脅されていたのだ。脅迫状は雑誌から切り抜いた文字を貼り付けたものだったが、BOXの「X」の文字が抜けていた。

エイデンとマックは監視ビデオをチェックし、犯人三人が同じ顔であることに気づく。同じマスクをかぶっていたのだ。ただのお面ではなく、実物の顔を元に作られた立体的なマスクだ。エイデンは燃え残ったマスクから「顔」の主を探す。保釈者のデータベースから、「顔」のモデルは銀行強盗の前科があるルーサー・ウィレットとわかるが、彼にはアリバイがあり、犯人につながる情報も得られなかった。

ダニーは銃を使って弾道の実験。レーザーを使って弾道の角度を算出し、現場の事件の再現を試みる。

ステラは、犯人が置いていった赤ん坊の衣服から高吸水ポリマーを発見。赤ん坊のオムツではなく、舞台で雪を降らせる時に使われるスノーフレークだった。二人は冬の舞台を上演している劇場を探し、そこで男の遺体を発見。現場には赤ん坊の手形、女性のものらしい長い髪、コカインの粉末。そこには、脅迫状から剥がれ落ちた「X」の切抜きがあり、その裏には郵便番号の一部と思われる数字があった。定期購読用の住所の一部らしい。

劇場で死んでいた男の名前はケヴィン・モレッティ。ウィレットと同じ刑務所に収監されていたことがあった。モレッティの肺には、水銀、グラスファイバー、鉛があった。三年前にグラウンド・ゼロの整備作業に従事した作業員たちと同じだったが、モレッティの場合は最近になって蓄積されていた。

ジョアンのもとに、20万ドル身代金を要求する2通目の脅迫状が送られる。銀行は身代金を用立て、警察の反対を押し切って犯人の要求をのむことにした。受け渡し時刻には不審な男が現れるが、金を取ろうとしたその時、パトカーのサイレンが鳴り、男は逃亡。抜き打ちに行われる警察のテロ対策訓練だった。ステラは現場でゴムのお面を発見する。犯人は顔を捨てたが、部分指紋を残していた。

脅迫状はノートを切り取った物で、その上の紙に書いてあった内容を復元すると、そこにはニーナ・チャンという名前が書かれていた。ニーナは劇場のメイクアップアーティストだったが、現住所はわからない。マンハッタンに住む45人の「ニーナ・チャン」の中から、脅迫状に使われた雑誌の送付先の郵便番号などの条件で絞り込む。グラウンド・ゼロの粉末が最近になって蓄積されたのは、おそらく新しい建物を建設する際に、古い埃が舞い上がったためであろうと仮定して、建設現場の近くに絞る。さらにモレッティが持っていた紙片にあった龍の印から、アジア系ギャングの勢力範囲を絞り込み、ようやく一人のニーナちゃんを特定する。

その頃、ダニーはようやく最初の事件現場の再現に成功し、警備員の話が嘘であったことを知る。受け渡し現場の部分指紋は警備員のものだった。ニーナと警備員は逮捕され、赤ん坊は無事に保護された。


感想

エピソードの中で事件が進行していく話。通常は、事件が起こってしまった後で「何があったか」を解明していくことになるのだが、今回は事件の全貌がなかなか見えてこない。最初は銀行強盗事件なのだが、それが誘拐事件になり、追いかけていくと殺人。だが一つの事件を全員で追うという展開であるせいか、散漫な印象はなかった。

前回、前々回と活躍が目立っていたダニーだが、今回は出番も少なくこつこつと弾道を復元するという地味な役回り。だが最後にその努力が実り、犯人特定にいたる。エイデンも得意な分野で顔探し。それぞれの資質が生かされた展開が良い。

もうひとつ印象に残ったのは、マックとステラの “gooey” (ねばねば、べとべと)をめぐるやり取り。最初の現場で「gooeyなものが付いている」と言ったステラに対して、一見犯罪捜査の現場にそぐわない単語を面白がり「その言葉ぼくも使おうかな」と言うマック。その後本当に、脅迫状の紙に「gooeyなもの」があると言ってステラと笑いあうマックが可愛い。ちょっと暗い印象のあったマックだが、こういうユーモラスな面を見せてくれるのは、何だかとても嬉しい。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2005-12-18