CSI: NY - Season 2, Episode 2
There are three things that I'll protect at any cost: the honor of this country, the safety of this city and the integrity of this lab.
マック、ホークス、フラック刑事担当。ラッシュアワーのグランド・セントラル駅で、男が突然叫び声をあげ、倒れた。誰かに苛性ソーダをかけられ、顔と手を焼かれたのだ。ホークスが救急車に乗り込み、手当てをしながら証言を得ようとするが、ほどなく被害者は死亡。スペンサー・ハワードという整形外科医で、スタンレー・サッチャーとともにクリニックを経営していた。被害者のすぐ近くにいた女の子が腕に火傷をし、犯人らしい人物にぬいぐるみの熊を踏まれていた。
遺体の手の甲には火傷の跡があったが、前方から液体をかけられて顔をかばったのではなく、上から静かにこぼすように液体をかけたことを示していた。だが顔面には勢いよく液体を浴びせたような跡が残っていた。
マックは「凶器」を入れていたカップを発見。現場でサックスを演奏していた男が拾ってチップ入れにしていたのだ。製薬会社のロゴ入りで、ハワードを含め多数の医師に配られたものだった。
ホークスはジェニファー・ロペスのビデオを見ながら気づいた。モデルは体の部分に保険をかける。ならば外科医は手に保険をかけているはず――。ハワードは、美容整形手術の失敗で何件も訴訟を起こされており、サッチャーは、ハワードの手の保険金でその負債をうめようとしたのだった。クマに残された足跡から、サッチャーがその場にいたことが判明。グランド・セントラルの混雑を利用すれば、通り魔の犯行に見せかけられると思ったが、その時手が誰かにぶつかり、大惨事になってしまった。利用しようとした混雑が逆に招いた愚かな失敗だった――。
ステラ、ダニー、スキャグネッティ刑事担当。盲目の女性彫刻家(立体芸術家)が、アパートの屋上で殺害された。だがイヴリンはそのアパートの住人ではない。顔には発射残渣のような跡があったが、死因は絞殺。銃を使った形跡はなかった。所持品には音声で位置を知らせるGPSナビゲータ、自宅には点字で書かれたラブレターと大量の造形作品があった。うちひとつはまだ未完成の人間の頭部。
GPSナビゲータの記録から、イヴリンが「カドル・パーティ」に参加していたことがわかる。それは下着や夜着だけ身に着けて身体を触れ合わせる(セックスは禁止)パーティで、そこからイヴリンの元彼(ホッケー選手)の存在が判明。それは、イヴリンの遺体が発見されたアパートに住んでいるスティーヴ・サンプラスだった。また、イヴリンの頬にあった跡は発射残渣ではなくスチールの粉末で、アイスホッケーに使うスケート靴のエッジにを研ぐ際に出る物質だった。スティーヴは一度別れたものの、やはりイヴリンが忘れられず、点字でラブレターを書きやり直そうとしていたと言う。
ステラは彫刻家のフランキーに、未完成の頭部を完成させるよう頼む。できあがった頭部は、スティーヴではなく、彼のルームメイトでホッケー仲間のポール・ディーコン。また、イヴリンの首を絞めたリボンは、殺害現場である屋上の鉢植えの植物に結ばれていた。
ポールは以前イヴリンの恋人だったが、イヴリンはポールと別れ、スティーヴとつきあうようになった。イヴリンが訪ねて来た時、部屋にいたのはポールだった。ポールは「スティーヴは屋上にいる」と嘘をついてイヴリンを連れて行き、自分を捨てたことをなじった。イヴリンは、自分がスティーヴを選んだのは「自分を盲目の女として見ないから」だと言い、スティーヴは怒って彼女を殺害。リボンに残る指紋とDNAからも、スティーヴの犯行が裏付けられた。
前回より継続してエイデンが担当。証拠品を確認していたマックは、袋の1つが開封されていることに気づいて愕然とする。証拠品に触れたのはエイデンだけだった。エイデンは証拠を捏造したい誘惑にかられたが、思いとどまっていた。しかし、ラボに疑問を持たれるという危険は避けなければならず、マックはエイデンに解雇を言い渡す。エイデンの最後の頼みで、レジーナ事件のファイルは解決までマックのデスクのトップに置かれることになった。
※前回は被害者氏名が「レジーナ・ムーア」だったが今回は「ボーウェン」になっている。
ラストの数分以外はホークス先生大活躍! エピだった。CSIが救急車に乗り込んで応急措置なんて他では見られない光景だわ。救急車の場面はすごくスピーディで、見ていてドキドキした。その後、結局患者を助けられなかったホークスに、マックが声をかける場面も良かった。生命を救いきれないプレッシャーで検死官に転向したという設定、ちゃんと生きているんだなぁ……。で、その後『ダ・ヴィンチ・コード』の話をしたりするし!マックは読んだのね。最初の殺人事件の現場保存についてどう思ったか、聞いてみたいような聞くまでもないような。
ビデオを見ながら動機に気づいたのもホークス先生だったし。女の子にクマを貸してほしいと頼む場面も可愛かった~。協力してもらった後は、ちゃんときれいに修繕しておリボンかけて返すのね。ホレイショとはまた違った子どもへの思いやりが微笑ましい。
ホークス先生を堪能した後、あれまだ時間があるなと気づいたらエイデンが……。だが証拠捏造を思いとどまってくれたのは良かった。本当に良かった。CSIが、しかもメインキャラが証拠を捏造してしまったら、それはもうcharacter assasination(キャラ破壊)といっても良いのではないかと思う。
実際に証拠を捏造したわけではないのに、それでもクビ? という点は疑問に思わなくもないのだが、ヴァネッサ・フェルリトの降板は決定事項なので、まぁしょうがないかなと思う。もう一歩踏み込んで証拠捏造までいったらエイデンは犯罪者になってしまうし、逆にもっと手前で踏み止まっていたら不当解雇だから、このあたりがギリギリの線かなと。普通に異動か転職するだけだと、マックがCSIの職分について語る言葉は聞けなかっただろうし。ちょっと長いけれど引用しておく。
“There are three things that I'll protect at any cost: the honor of this country, the safety of this city and the integrity of this lab. As scientists, we have a great deal of power; the ability to assign guilt or innocence, but when we analyze a crime scene, we collect pieces of evidence, we make a promise to the people of this city… a promise to handle that evidence with respect, integrity and good faith. When you broke this seal, you broke that promise.”
(私には何としてでも守りたいものが3つある。この国の名誉、この街の安全、そしてこのラボが清廉で完全であることだ。我々は科学者として、人を有罪にも無罪にもできる強い力を持つ。しかし犯罪現場を検証し証拠を採取する時、我々はこの街の人々に対して誓いを立てる……敬意と完璧さと誠意をもって証拠を扱うという誓いを。この封印を破った時、君はその誓いを破った。)
国の名誉とかは、ぶっちゃけ私にはどうでも良い話だが(外国だし)、マックが自分の職分にどこまでも忠実であることがよくわかる。“public servant” とはまさに、彼のためにあるような言葉ではないだろうか。エイデンがいなくなるのは残念だが、マックの信念を示す言葉が聞けたのは良かった。
それはそうと、マックの肩書きは「detective」としか言われないのだが、地位としてはどのあたりにいるのだろう。ラボの責任者で人事権もあるのでヒラの刑事ではなさそうだし、冒頭ではLieutenantに対して命令口調でしゃべっていたので、けっこう偉いんだろうなぁ。
ステラの事件で登場した音声ナビによると、CSIの住所は「5885 Broadway. 35-th floor, mid-town Manhattan」とのこと。さっそくGoogleマップで確認してみたわけだが、「5885 Broadway」はどうやら架空の住所。Broadwayはマンハッタンを縦断してさらに続いていく長い通りだが、ミッドタウンのあたりは1000番台なのだ(Broadway Theaterが1681番)。北へさかのぼれば行き着くのかなと思ったが、めぼしい住所は5664のBroadway Animal Hospitalくらいまでしか見つからなかった。しかもここブロンクスだし。
— Yoko (yoko221b) 2006-12-15