CSI: NY - Season 2, Episode 4
“Those who live by the sword, die by the sword.”
ステラ、ダニー担当。サン・ジェナロ祭の最中、屋台に倒れこんで死亡した男性がいた。死因は心臓にココボロの木片が刺さったこと。また、被害者は手を頑強にするための外科手術を受けていた。
ステラとダニーは男が死亡した現場から足取りを逆にたどり、ビリヤード場へ行き着いた。そこはめちゃくちゃに荒らされており、オーナーのマディに話を聞くと、2人の男がプールキューを使って映画「マトリックス」ばりの格闘を繰り広げたという。話半分に聞いていた2人だが、天井を見ると男の足跡が残っていた。凶器となった木片は、そこにあったキューの破片だった。
被害者の身元は、外科手術の記録からグレッグ・トンプソンと判明。グレッグのアパートには争ったような形跡があり、ベッドには長い金髪が落ちていた。さらに、グレッグがマックの担当するジャレッド・スタントンと同じ会社で、最高執行責任者(COO)を務めていたことが判明。2つの事件は関連していると思われた。
マック、リンジー担当。セントラルパークのベンチに座ったまま死亡している男がいた。頭は首の上に乗っていたが、よく見ると刃物ですっぱりと切断されていた。被害者はアメリカン・パシフィック・ワールドワイド(APW)という会社の最高財務責任者(CFO)を務めるジャレッド・スタントン。ポケットには、APWのCEO、ポール・マーティンが粉飾決算をしていることを示すデータが入っていた。
ポール・マーティンのオフィスには、日本や中国の武器(刀など)がいくつも飾られていた。マックは令状を取って刀類を押収し、1つずつタメシギリをして調べる。その結果、ジャレッドの首を切断したのは日本刀と思われたが、彼の首の傷は、通常の切り方とは角度が逆向きになっていた。
ステラの担当する事件の被害者がジャレッドの同僚とわかり、2つのチームは合流することになる。
* * * * *
ポール・マーティンによると、APWの役員はみな武道の達人であるとのこと。ただジャレッドは武道ではなくヨガに通じていたが、ポールはジャレッドを後継者に指名しようとしていた。グレッグのアパートで発見した血液は、APWの社員リサ・ケイの物だったが、リサはグレッグとは恋人同士であり、かつ部屋でともにトレーニングに励む仲でもあったと言う。
凶器に使われた日本刀に付着していた繊維片は、グレッグのコートのもの。グレッグが最後に電話した相手はジャレッド。さらに、グレッグの着衣に付着した樹皮は、ジャレッドが発見されたすぐ後にあった木の物だった。グレッグがジャレッドを誘い出し、後ろから首を切断したものと思われた。切り口の角度が逆だったのは、木の枝から逆さまにぶら下がった状態で刀を振るったせいだった。
ビリヤード場の天井の足跡は、ポールの物だった。キューからはポールの指紋も検出された。グレッグは、ポールがジャレッドを後継者にしたことを恨んでジャレッドを殺害し、捏造した会計データをポケットに仕込みポールに罪を着せようとした。ポールがそれを知って争いになり、ビリヤード場での大立ち回りになったのだった。
ホークス、フラック刑事担当。アパートで火災が発生し、10歳の少年ジェイムズ・ウォーカーが煙を吸って死亡した。ホークスは、少年がなぜ逃げ遅れたのかを不審に思う。
部屋を調べると、電気のコンセントにはねじを一度はずして締め直した形跡があった。電気コードは外側だけが焼けていたので、漏電ではなく放火。また、ソケットの周囲にはポテトチップの痕跡があった。ポテトチップの袋は、火災保険金詐欺の事件で火をおこすために用いられることがある。
ジェイムズは、火災発生当時オンラインでチェスゲームをしていた。ゲームに夢中になり煙に気づかなかったのだ。ホークスは公園のチェス広場を訪れ、ジェイムズの対戦相手のトムに話を聞くが、その時にジェイムズの母親の恋人ルーク・ロバートソンとその娘ニーナの姿を見る。
火災が起きた時、ジェイムズとオンラインでチェスをしていたのは、ニーナだった。そのラップトップからは、現場で発見したものと同じポテトチップオイルと男性のDNAが検出される――ルークはジェイムズが家にいることに気づかず、ポテトチップの袋を使って火災を起こした。そして自宅へ戻り、事情を知ってあわてて戻った時にはもう遅かったのだ。ジェイムズの母はルークと交際していたが、なかなか次の段階へ踏み切れなかった。ルークは2人を自分の家に来させるため、軽い小火を起こすだけのつもりだった――。
今シーズンに入って、NYはどんどん色彩豊かになっていくな~……と、冒頭で思った。イタリアカラーの赤、白、緑。賑やかで陽気なお祭り。美味しそうな屋台の食べ物。マックお勧めのカンノーロ食べたい!(どこかで売ってないかな~)
しかし事件を追って行くとイタリアのお祭りは別に関係なくて、東洋武術に通じた経営者の変な会社で起きた変な事件だった。変だよこの会社。シーズン1「グランド・マスター」の女体盛りとか、ベガスで登場したなんちゃって骨董品よりはマシかもしれないが、やはり変だ。何というか、ロートレックの絵柄で少女漫画を読んでしまったような気分(よけいわかんない)。
タメシギリのマックはもはや鑑識チーフには見えない。マック・テイラーという人は、刑事だが最初の頃は学者風な印象だった。昆虫学者のグリッソムと行動派のケイン警部補の間にあって、どちらかというと学者寄りの方かな~と思っていたのだ。スーツにネクタイという服装のせいもあるが、実際「世界でも有数の犯罪学者」という設定だったはずだ。だから、海兵隊にいたのも奨学金を得るために兵役についただけかなと想像していた(そうではなかったみたいだけど)。
だが前シーズン後半からは、どんどん行動派になってきた。以前の「静」のマックもなつかしいが、タフガイなマックも、これはこれでカッコいいよね。
でも証拠品を素手でさわっちゃいけませんよ~。しかもその後繊維片を採取していたということは、調べる前だったわけでしょう? なぜ血液反応を先に調べないんだ?
ホークス先生は早くも単独捜査、しかも火災という特殊な事件。単なる漏電事故と思われて任されたのかな? でも、マックがちゃんとフォローしている所が良い。NYのラボは、他の事件を担当しているメンバーもちゃんと同じ部屋で仕事をしているという描写が多いような気がする。そして最後のルークとの会話では、「捜査官シェルドン・ホークス」のスタンスも明らかになり始めたかな。ただ「24」のライアン・シャペルだったので、単なるモブではないと登場した瞬間にわかってしまったけど。
— Yoko (yoko221b) 2006-12-28