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CSI: NY - Season 2, Episode 10

#33 Jamalot


There's something rotten in the Kingdom of Jamalot.

事件概要

ローズ・ウィルソン殺害事件

マック、ステラ、リンジー、フラック刑事担当。ローラーダービーの大会で乱闘が起き、選手の1人 “She Hate Me” ことローズ・ウィルソンが死亡する。ローズは「マンハッタン・ミンクス」チームの人気選手だった。

リンジーは全員のスケート靴を調べて致命傷を与えた選手を割り出そうとするが、死因は外傷ではなく、内臓が加熱したこと。ローズの体内からはDNPという薬品が検出される。これは減量に使用される薬品だが、体内の熱を上げる効果があり、ローラースケートですでに体温が上がっている場合には、致命的になりうる。また、ローズのアパートにはDNPの痕跡がなかったので、誰かが彼女に与えたことになる。

ローズのクリームの中からDNPが検出されるが、それは死に至るほどの量ではない。改めて、チームのロッカールームを調べると、シャワー室のシャンプーの中からDNPが検出された。つまり、ローズだけではなく、そこで髪を洗う選手全員がDNPを摂取していたのだ。

通常のDNPと比べると、シャンプーにはANPが多く含まれていた。ANPはDNPが劣化して生じる物質。その量から、使用されたDNPは、約25年前の物と思われた。チームのマネージャーであるスタン・ヴォナーはその当時レスラーだったので、減量のために薬品を所持していてもおかしくなかった。だがヴォナーのオフィスを捜索した結果、薬品をシャンプーに入れたのは、スタンの妻レイラであることがわかる。

グリフィン・ホールデン殺害事件

ダニー、ホークス担当。ゴミ箱の中で高級な絨毯にくるまれた遺体が発見される。死因は窒息だったが、身体を蛍光ライトで照らすと、皮膚には一面に文字が書かれていた。筆跡はすべて同じなので、被害者本人が書いたとは考えられない。その文章は、左足の小指の裏に書かれた “THE END” で終わっていた。

被害者の身元は、失踪人として届けられた作家のグリフィン・ホールデンと判明。編集者カーラの話では、グリフィンの今までの作品はどれも面白くなかったが、最後に持って来た物は傑作だったという。グリフィンの皮膚に書かれていたのは、その作品の未発表の最終章と思われた。

ダニーは専門家から、加害者はハイパーグラフィア(物を書かずにいられない衝動を持つ人)ではないかという可能性を示唆される。しかし、グリフィンがまだ書いていないはずの最終章を、なぜ犯人は書くことができたのか。

ホークスは、遺体をくるんでいた絨毯に付着した大量の残留物から、被害者の精液と女性の体毛を発見。その絨毯はオークションにかけられたもので、85,000ドルで競り落としたのは、グリフィンの兄のチャールズだった。だがチャールズは、グリフィンが絨毯を盗んだのだろうと言う。筆跡は一致しなかった。

さらに、別の残留物から目撃者がいたことがわかり、話を聞くと「丸めた絨毯を運んで行く男を見た」と言う。顔は見なかったが、その男が出てきたのは、編集者カーラ・ウィンガーが住んでいる建物だった。

カーラ・ウィンガーはグリフィンと浮気していたことを認めた。ダニーはクローゼットの中でグリフィンのノートと蛍光ライトを発見。そこには身体に書かれていたものと同じ最終章が、グリフィンの筆跡で書かれていた。アパートの壁を蛍光ライトで照らすと、一面に文字が浮かび上がった。カーラの夫サイモンはハイパーグラフィアだったが、妻のために弁護士の道を選んでいた。グリフィンは壁に書かれた小説を発見し、それをノートに写し取ってカーラに渡していた。カーラがその小説を朗読した時に、サイモンは妻の浮気相手に盗作されたことに気づき、グリフィンを殺害して遺体を遺棄したのだった。


感想

どちらの事件も、すっきり理解できた!というわけにはいかなかった。

マックの事件は、選手たちに減量させるためにDNPを入れた……で良かったのかな? クリームにDNPを入れたのも奥さん? ローズはシャンプーしたうえにクリームもつけたせいで死に至ったのだろうか? コーチとの関係とかローズの子ども時代とかマックの「彼女」(じゃないけど)とか、次々と思わせぶりに出て来るので何だか混乱してしまった。

マックとステラが透明なボードにキュキュキュと書いていた化学式も何が何だか。何でOがはずれて同じ数のHがくっつくのかもわからないや。「Oは手が2本、Hは手が1本」じゃなかったのか~? ま、いっか。

ダニーとホークスの事件は、ハイパーグラフィアという聞き慣れない症例が登場する。「物を書く」ことへの止みがたい衝動を持つ人のことだそうだが、下記の『書きたがる脳』はまだ読んでいないのでよくわからない。身体に文字というと、ピーター・グリーナウェイの「枕草子」が思い浮かぶが、それともまた違いそう……グリーナウェイのはあくまで「書」へのこだわりであって、表現される「情報」ではないような気がするんだよね。まぁそれもよくわからないんだけど。

未発表の最終章が本人とは違う筆跡で書かれた――という時点で背景事情はだいたい予想がついたかな。さえない(が、才能のある)ゴーストライターが若いイケメンを身代わりに、というありがちなネタかと思ったらちょっと違っていた。妻のために意に沿わぬ道を選んだのに、彼女は妻として裏切ったうえ、さらに編集者なのに夫の才能に気づいていなかった、というお話。でも夫がハイパーグラフィアであることを、カーラは知らなかったのだろうか? 一緒に暮らしていて知らなかったというのも変だし、知っていて書き物の内容に興味を持たないというのも変。それと、グリフィンが兄の絨毯をカーラの家に持って行った経緯も説明がなかったような気がする。


単語帳

Yoko (yoko221b) 2007-02-14