CSI: NY - Season 3, Episode 6
マック、ダニー、フラック刑事担当。ホテルの吹き抜けで、コンシェルジュのサラが転落し、尖ったオブジェで胸を刺して死亡する。そのホテルでは、人気モデル、マンディ・フォスターの撮影が行われていた。警察が到着し、CSIが現場検証に取り掛かったところで隣のアパートから銃声が聞こえ、マックらはそのアパートへ急行。ステラはそのまま、アパートの事件を担当することになる。
サラの遺体からはマンディの指紋、腕に残る爪痕からは美容エステに使われる牛の肝細胞が検出される。その後、マンディがサラを怒鳴りつけている写真がゴシップ紙に掲載されるが、それはマンディとサラが仕組んだやらせ劇だった。マンディはゴシップでも何でもいいから名前を売りたいと思い、モデル志望だったサラを協力させる代わりに便宜をはかっていたという。
サラが転落した手すりを調べていたアダムは、ようやく付着物質すべての分析と分類を終える。そこには、トルコ石と銀の痕跡が残る新しい傷があった。それは、マンディのスタイリスト、テスが着けていたへそピアスがこすれてできたもの。彼女は現場に入るVIPパスを持っており、牛の肝細胞を使ったエステも受けていた。この条件が揃うのはテスひとりだけ。テスは、サラがマンディを盗撮していることを知り、やらせと知らずにカメラを取上げようとして争ったため、サラが転落してしまったのだ。
ステラ、リンジー、ホークス担当。現場に急行したステラは2人の男性の遺体と、泣きじゃくるグレース・トマソンを発見。男性のうち1人はグレースの夫ダン。グレースは「シャワーを浴びていたら変な音が聞こえ、行ってみると男が夫を殴っていたので撃った」と主張する。
ダンを殴っていたという男は、リムジンの運転手ロン・ブラント。グレースとダンは数週間前に彼の運転するリムジンに乗ったが、精神的に不安定な様子を見せ無茶な運転をするので、グレースがリムジン会社に通報し、ロンは解雇されていた。ステラはブラントが復讐しに来たものと思うが、ロンが凶器を持参せずトマソン家にあるハンマーを使ったことから、リンジーはその説に疑問を呈し対立する。
その後、ホークスがロン役になって現場を再現した結果、現場に残る血痕の形状がグレースの供述と符合しないことがわかる。また、バスタブから採取した血痕からは、ダンの脳細胞が検出される。これらの証拠からは、ロンがダンを殺してはいないこと、ダンを殺したハンマーを手に持っていたのはグレースであること、グレースがシャワーを浴びたのはダンの死後であることが導かれる。
ステラは、マックらが担当しているサラ事件の際に撮影された映像を見て、その背景にトマソン家のアパートが映りこんでいることに気づく。その映像を精査すると、グレースがシャワーを浴びた正確な時刻と、彼女が犯行時に別のシャツを着ていたことがわかる。警察が予定外に早く到着したため、シャツを処分する時間はなかったはずだという前提のもとに、改めて自宅を本格的に捜索したステラは、通風孔に隠されたシャツを発見する。そこには、ダンを殺害した時に飛び散った血痕が付着していた。グレースは、あらかじめ罪を着せるつもりでロンを自宅に呼び、その直前にダンを殺害。そして、何も知らず訪れたロンの頭部を撃ち、ハンマーに指紋をつけて偽装したのだった。
事件の捜査を行っている途中で別の事件が発生。事件そのものは無関係だが、一方の事件の証拠がもう一方の事件の解決につながっていくというお話。
ステラは、自宅で襲われるという自分の経験(シーズン2「豹変」)から被害者に深く同情する。……シーズン2を見てからちょっと間が空いてしまったので、一瞬「何だっけ?」とか思ってしまったわ。よく考えるとS2の事件も、「現場に出ている時に別の事件の報を聞いて駆けつける」という今回と似たパターンだった。
ステラの時は正当防衛。グレースは周到に計画された殺人。これはその通りだし、無関係のロンを射殺した罪はどう考えても正当化はできない。だが、グレースは一体どういう理由で夫を「殺さねばならない」とまでに思いつめたのだろう。やはりDVだったのだろうか。セラピストとしての職業上の体面から、自分が被害者であると認めることができなかったのだろうか。ステラが現場にいて彼女の事件を担当することになったのは偶然なのだろうが、グレースはステラの事件を知った時「自分はこんな状況に置かれているのに、彼女は恋人を射殺してお咎めなしなわけ?」みたいなことを考えただろうか。
ステラのトラウマ克服エピのはずなのに、なんだか犯人の方が気になってしまった。
もうひとつのモデルの事件は……う~ん、残念ながらあまり印象に残っていないわ。