CSI: NY - Season 3, Episode 17
マック、ダニー、フラック刑事担当。方舟を建設していたノア・ヒューブリーが殺害される。遺体のそばには大量の20ドル札が散らばっていたが、すべて偽札。庭には方舟があり、中には何種類もの動物の対と、8名の男女が「乗船」していた。ノアは世界の終末を予言し、男女1組を10万ドルで方舟に乗せると約束していた。
留守電には女性からの脅迫めいたメッセージがあったが、その電話をかけたジャニスは「騙されて怒っただけ」だと主張する。
その後、ノアの正体は常習的詐欺師のパトリック・デントと判明。ニューオーリンズで1度逮捕されていたが、ニューヨークへ護送する際に、刑事に化けた仲間が現れて、まんまと逃走されてしまったという。ノアはその後、痩せて外見を変えるために胃のバイパス手術を受けたが、その時に手術用の開創器を体内に残されてしまい、そこから感染症を起こして「世界の終末」という妄想に取りつかれてしまったらしい。共犯のニセ刑事は、「ノアに騙された」と主張していたジャニスだった。
偽札を作ったイーズマンは現在服役中。偽札を車に隠していたところ、車ごと政府の競売にかけられてしまったのだ。車を競り落としたカップルは思わぬ大金を発見し、「これは神の啓示だ」と思ってノアに託した。ノアは偽札に気づかず、分け前を取りに来たジャニスに渡し、ジャニスは偽札を渡されたと怒ってノアを殺したのだった。ジャニスは現場から銃弾を持ち去って証拠を隠滅したつもりだったが、被害者に付着した発射残渣の鉛同位体がジャニスの銃のものと一致して、犯行が裏付けられる。
ステラ、ホークス、エンジェル刑事担当。タバコの着ぐるみを着た男性の遺体が発見される。着ぐるみの裏には「KILLER」の文字。タバコ会社「ナショナル・スピリット」の前でタバコへの抗議活動をしていた被害者が、着ぐるみを燃やされ、発生したダイオキシンで死亡したものと思われた。現場では、緑色のタバコの吸殻、ドラキュラを描いたカクテルのチラシなどが発見される。
緑色のタバコは、ナショナル・スピリット社の新製品とわかるが、これはまだ発売前で市場には出ていない。事情を聞きに同社へ赴いたステラは、被害者がその会社の社員ジェイソン・ウィリアムズであることを知る。ナショナル・スピリット社は、社員のジェイソンにわざと嫌煙活動をさせたうえで、新製品の「身体にやさしいタバコ」を発売して消費者にアピールしようとしていた。だが本当の狙いは「ニコチン量が1/10」のタバコを10倍多く販売することだった。
その後、民族衣装でマスコットガールをしているハイジ・ペスコーも何者かに襲われたことがあり、「マスコット叩き」が横行しているらしいとわかる。
ハイジの首を咬んだ犯人の歯形と、ジェイソンの現場にあったチラシから、マスコットを襲ったのはドラキュラの扮装をしているヴィンスと判明。ヴィンスはコスチューム労働者の労働組合を作ろうとしており、コスチュームの仕事がいかに危険であるかをわからせるためにマスコットを襲撃していたのだった。
ノアの方舟にタバコの着ぐるみ。また変なコスプレ事件……もしかしてマック組にはこの手の怪しい事件しか回ってこないのだろうか。だってほら、NYって性犯罪特捜班とか犯罪心理捜査班とか失踪者捜索班(これはFBIだが)とか細分化されてるし。変態事件特捜班があってもおかしくない気がする。検死室で話を聞いているマックの背後でタバコの着ぐるみさんが運ばれていく場面が何だかシュール。
それはともかく。方舟事件の方は因果が巡りめぐって……みたいな印象。詐欺を重ねてきた被害者が、逃亡のために行った手術での医療過誤が原因で信仰に目覚め(というより妄想に取り付かれ?)、善意によって運ばれてきた贋札が原因で死ぬという皮肉な事件。
もうひとつの着ぐるみ殺人は、タバコの着ぐるみのインパクトで最後まで押し切った感じ。今回のエピソードは、HIV感染の可能性に苦しむステラと、彼女を支えようとするマックやシドの姿が重要だったせいか、事件は軽めにしたのかな。
今回エンジェルは、台詞の中で言及されただけで実際の登場場面はなし。
— Yoko (yoko221b) 2009-04-28