CSI: NY - Season 3, Episode 23
バーのコンドーム自販機に刺さった男性の遺体が発見される。結婚式を翌日に控えたトニー・ルッソという若者で、自販機のコインスロットに脊髄を切断されて死亡したものと思われた。トニーは翌日に結婚を控えており、婚約者のアンジーはその夜、独身お別れパーティに興じ、ゲームとして何人もの男性にコンドームを買いに行かせていた。トニーはゲームと知らずにそれを見て怒り、コンドームを買いに行った男と争ったすえに死亡したらしいとわかる。目撃者たちは「その男はテニスプレイヤーのジョン・マッケンローだった」と供述する。
だが、マッケンローは当日自宅にいたというアリバイが確認される。また、コインの指紋も彼のものではなく、被害者と争って欠けたはずの歯も欠けていない。しかし、現場の床に残っていた滴下血痕だけがマッケンロー本人と一致する。
その血液に保存剤が含まれていたことから、マッケンローが献血した血と思われた。採決技師は、その血をこっそり持ち帰り「セレブの血」としてネットで売りさばいていた。買い取った客は私書箱しかわからなかったが、私書箱の指紋はコインの指紋と一致。バーで目撃されたのは、本人の血液を買ったそっくりさんであると思われた。
有名人の目撃情報をリアルタイムで投稿するサイト「ニューヨーク・ストーカー」に「マッケンロー」目撃情報が投稿され、そっくりさんの居場所が判明する。その男はマッケンローに間違えられるうちにだんだんマッケンロー本人に傾倒していき、サインを真似、整形し、血液まで手に入れて本人になりきろうとした。そしてたまたまトニーと争う羽目になってしまい、マッケンローを事件に巻き込まないために現場から逃げたのだった。
クレイ・ドブソンが死亡した件で、マック・テイラー刑事の査問会が開かれるが、マックは「その場にいる義務はない」と途中で退席。フラック、ステラ、ダニーが次々に証言を行うが、マックが通常の手続きを無視したことが明らかになっていく。
マックは収監中のトゥルビー刑事からの情報で、5年前にクレイ・ドブソンが逮捕された時に自殺を図っていたことを知り、証拠品のベルトをシンクレアとジェラードを突きつける。当時、ドブソンを留置した35分署の署長が現刑事局長のシンクレアで、留置した警部補がジェラードだったのだ。被疑者が自殺未遂し、それを隠蔽したことを知られたくない2人はマックの恫喝に屈し、手続き違反を不問にせざるを得なくなる。
テニスプレイヤーのジョン・マッケンローが本人とそっくりさんの二役でゲスト出演。マッケンローが現役で「悪童」だった時代を覚えているというと年がバレるかなぁ。テニスのことは何も知らなかった(今も知らない)のだけど、マッケンローの態度が悪かったので、対戦相手(たしかビヨルン・ボルグだったかな)が勝って喜んだような記憶が。
あるはずのない場所からDNAが検出された理由は、本人の血液を他人が持ち歩いていたから――という謎解き要素、パーツとして使い回すのはいいが2話連続はどうかと思う。やはり捜査官ドラマに力を入れ、そのぶん事件を手抜きしている印象を禁じ得ない今シーズン。
さてクレイ・ドブソンの事件は査問会でマックが不利な状況に追い込まれて行くが、都合良くトゥルビーの協力を得て逆転勝利。「査問会」というから警察内部の調査かと思ったら、場所は裁判所? 内務監査ではなく、日本でいう検察審査会のような物なのだろうか。この尋問官(?)がまた、絵に描いたようなステレオタイプの意地悪キャラ。
マックが手続きに違反し、結果としてドブソンを死なせてしまったことは否定できないと思うのだが、そこは「敵」を極端に悪く描くことでうまく「スケープゴート」という役割に逃げたような印象。で、そこでやることが脅迫ですか。そうか、マックにとって「政治的に立ち回る」というのは「武器を手に入れて脅す」ということだったのだな。
とはいえ、査問会でフラック、ダニー、ステラが次々にマック像を証言したり、その後ダニーとフラック、ステラとマックが語り合う場面はとても良かったと思う。フィナーレを前に、良い雰囲気のおさらいエピになった感じ。
それから、冒頭の邪悪マックが意外にカッコ良くて感動! もう次シーズンからはその路線でもいいくらいだと思った(デクスターかっ!)。