CSI: NY - Season 3, Episode 24
早朝、ドン・フラック刑事の指揮によりブルックリンの倉庫で麻薬の摘発が行われ、被疑者1名が死亡する。その現場ではさらに、アイルランド系ギャング団のトップであるギャビン・ワイルダーの遺体が発見される。警察の手入れより前に、仲間の手で射殺されたものと思われた。
現場検証のためダニーが現場へ現れるが、そこで後から殴られて拘束されてしまう。先に現場へ来ていたはずのアダムも同じように拘束され、ラボへ入るための身分証を奪われ、暗証コードや麻薬と銃器類の保管場所をしゃべらされていた。
その頃ラボでは、ガス漏れの警報器が鳴り、全員が外へ避難するが、マックとステラはガス漏れが偽装であることに気づき、館内に残る。電話やインターネットなど通信網はすべて遮断。やがてガス会社の作業員が到着するが、ホークスは作業員の腕に死亡した被疑者と同じタトゥーがあることに気づく。彼らは麻薬を取り戻しに来たギャングの残党だった。マックとステラは、内線でひそかにホークスと連絡を取り合い、奪還を阻止しようとする。
敵もマックらの存在に気づき殺そうとするが、敵の1人が仲間の誤射により死亡。マックは1人を拘束し、即席の爆弾とレーザービームで逃げられないよう拘束し、遺体をエレベーターでモルグに送る。ホークスはその遺体から銃弾を摘出し、半年前にFBI捜査官のキャンディス・ブロードベントを射殺した銃弾であることを知る。キャンディスは、事件の被害者が証人保護プログラムを受ける原因になったIRA関連の事件について、マックに何かを伝えようとした矢先に殺害されたのだった(10話「スウィート16」)。
一方、囚われの身になったダニーはフラックに電話をかけさせられていた。フラックらは倉庫に急行し、「今朝逮捕された仲間を釈放しろ」という要求を聞く。フラックは何とか彼らと交渉して人質を解放させようとするが、そこでダニーとアダムが検査薬に含まれる硫酸を使って反撃し、警官たちが突入して犯人を拘束。フラックはガス会社の作業員の装備を発見し、この人質騒ぎが陽動作戦であることに気づいて急遽CSIに戻る。
CSIに到着したフラックは、建物から出て来る残党を全員逮捕。リーダーのコルムだけは中でマックと戦っていたが、爆弾に連動させたレーザーに触れてしまい、爆発を引き起こす。
TVシリーズのフィナーレというより、映画のようなエピソード。何せ「CSI:ダイハード」って言われているくらいだ。
行き先はロンドン! ……なんて、普通に考えればダメに決まっている。ラボは爆破、フロアは水浸し。警報で避難した時にまだ分析中だった証拠は破損したり汚染されたりしているはずだ。証拠がダメになって被疑者を逮捕できなくなった、という事件もあるだろう。被害状況をまとめて報告書を書いて、証拠品のチェックやら再採取やら、やるべきことは山積みのはず。その間にも新しく犯罪は起きる。マックは爆弾犯だけど、同時にラボの責任者でもあるわけだから……責任者の仕事ってそういうことだと思うのよ。結果を真っ先に持って来い、とかじゃなくて。
そもそもマックは唯1人残った前市長派、ということで孤立していた立場。先週の査問会でシメられたことを忘れたか? こんな時期に休暇を取って何日も外国に行ったりなんかしたら、その間にジェラードさんたちが前回の「切り札」を始末してマック包囲網を完成させてしまい、次シーズンから「CSI:窓際」になってるかもよ。
これが「ラストで話が終わる」映画なら、先のことは気にせず「ロンドンへ!」でも良いんだけど、次シーズンに続くTVシリーズとしてはどうなんだろう。あぁ、でもそういえばこのシーズンの時だっけ、NY打ち切りの噂が流れたのは……。確かに今シーズン、過去の事件やら生い立ちのことやら、それぞれの個人ストーリーを駆け足で「片付けた」印象がなきにしもあらず。ダニーとリンジーもこのフィナーレで話の収まりがついたわけで、色々な意味で「最終回」色の強いエピソードだったのかも。
10話で殺されたFBI捜査官の話はすっかり忘れていたので、ここでようやく話がつながってびっくり。でも、IRAとの関連は正直、あってもなくても良かったような……。
……ま、そんなこんなで、見終わって冷静になってみるとツッコミどころはあるものの、エピソードとしてはテンポも良く全体の印象もピリッと引き締まっており、リンジー以外はそれぞれに活躍の場もあって構成も良かったと思う。通常の流れからちょっと外れたお祭りみたいなものだと思えば。