CSI: NY - Season 4, Episode 12
ステラ、リンジー、ホークス、フラック刑事担当。ドロシア・ホテルの庭に設置された人口雪の飾りの中で、ホテルのオーナーであるフィオナ・チザムの遺体が発見される。フィオナは「アッパー・イーストの悪い魔女」と呼ばれ、従業員たちをはじめ大勢の人々から恨まれていた。死因は凍傷による心不全で、なぜか心臓だけが凍っていた。
その後、人口雪を降らせるための液体窒素のノズルがフィオナの胸に刺さり、液体窒素が彼女の体内に噴出して心臓を凍らせたことがわかる。また、その時に彼女が持っていたストラップのチェーンが切れ、飼い犬のオットーが逃げ出したらしい。
飼い犬のオットーが発見され、口に付着していた血液や焼き栗の成分から、焼き栗の屋台を出しているフィリックス・ホールの存在が浮上。フィオナとフィリックスは、ホテル前での屋台営業に関して争っており、口論するうちに腹を立てたフィリックスがフィオナを突き飛ばしてしまったのだという。
事件は解決し、フィオナの所有していたホテルは従業員たちに遺される。19歳で故郷を離れ、ホテルのメイドをしながらMBAを取得してオーナーにまでなったフィオナにとっては、従業員が家族だったのだ。
マック、ダニー、エンジェル刑事担当。ネグリジェ姿の若い女性の遺体が、スクールバスの屋根の上で発見される。運転手がブレーキを踏んだ拍子に、屋根から遺体が滑り落ちて気がついたので、その遺体がどこで屋根に乗せられたのかもわからない。遺体の胸には「ウェンディ」という名前がペイントされ、肩には妖精のような形のアザ、致命傷になった傷は、フックのような曲がった金属によるもの――シドはそこから「ピーター・パン」を連想する。
その後、遺体の身元はレスリー・ライトで、幼稚園の屋根からバスに投げ落とされたらしいことがわかる。近辺の幼稚園では、最近不法侵入事件が続いていた。事件当夜に侵入事件のあった幼稚園を調べると、大量の血を拭き取った跡、妖精の形を浮き彫りにした錠剤、レスリーを刺したらしいフックなどが発見される。窓のすぐ下は駐車場になっていた。
現場にあった錠剤や絵本などから、どうやらその幼稚園では「フォクシー」という新しいドラッグを使った秘密のパーティが開かれていたらしいことがわかる。彼らは絵本に暗号を仕込んで情報をやり取りし、幼稚園に忍び込んでは、ドラッグの幻覚作用で幼児のように遊んでいたのだった。マックらは通信文から「会場」を割り出し、ドラッグに興じていた若者たちを逮捕する。
結局、遺留品のDNAから犯人は、レスリーの兄が勤務する証券会社の実習生タイラーと判明。タイラーはパーティーに参加したもののドラッグを服用せず、幻覚で朦朧としたレスリーをレイプしていた。だがフォクシーの作用は強力だが長続きせず、正気に戻ったレスリーが「兄さんに言う」と言って騒ぎ始めたため、思わず刺し殺して遺体を投げ落としたのだった。
ステラ担当の事件が『オズの魔法使い』だと思ったらマックの事件は『ピーター・パン』。今回のエピのような現実感のなさこそ、NYの変態CSI(変態事件担当のCSIという意味です。念のため)にはふさわしい……の、かもしれない。
モチーフは童話でも、犯罪はやはり犯罪。特にマック側の事件は、真相がわかってみれば最初から最後まで可愛くも何ともない事件だった。ダニーはやはりまだ、前回のルーベンの事件を引きずっている感じ。見ていて危なっかしいんだけど大丈夫なのかなぁ。
ステラの方は……従業員が大切なら、普段からそれを示さないとダメよね。「悪い魔女」呼ばわりされるばかりか、遺体を前に拍手が起こってしまうなんて、普段どんな接し方をしていたんだ。
そしてドンは焼き栗の屋台裏を見てショックを受ける。NYで警官をやっているくせに、あんなにナイーヴだったなんて! そんなことでトラウマを受けないでくれ~。