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CSI: NY - Season 5, Episode 19

#111 Communication Breakdown


事件概要

エイモス・デラウェア

地下鉄の中で、ネイティブ・アメリカンの男性が腹部に銃弾を受けて死亡。発砲は車内ではなく、アパートの一室で男性が娘の恋人をめぐって諍いを起こし、発砲した弾が当たったことがわかるが、実は男性は被弾した時はすでに死亡していたことがわかる。

被害者はモンティーカン族の族長、エイモス・デラウェア。死因は敗血症で、細長い異物が腸に穴を開けたためと思われた。分析の結果、その異物は鯨のヒゲと判明。

エイモスはラドフォードの土地を巡る紛争を抱えていた。この土地はもともとモンティーカン族の物だったが、19世紀に保護局に奪われていた。昨年になってそれが違法に奪われていたことが認められ、土地はモンティーカン族に返還されたが、元の所有者がそれに怒り、再度返還を求めていたのだ。その所有者、ヴァーラは輸入業者で、鯨のヒゲを扱っていた。

だがヴァーラは殺害を否定し、2日前にエイモスから「モンティーカン族は土地と引き換えに高潔さを失ってしまった。返還したい」と言われたと主張する。鯨のヒゲも、ヴァーラが扱っているものとは年代が一致しなかった。

ステラはエイモスの部屋から日記を発見するが、モンティーカン語のため、解読は困難。だが、鯨のヒゲをエサに仕込んで狼を殺す「オオカミ殺し」という方法がモンティーカン族に伝わっており、その道具がエイモスの部屋からなくなっていることがわかる。犯人はその道具を使って族長を殺害したのだ。

犯人はモンティーカンの文化に詳しい人物――という条件で絞り込み、同じ部族で唯一NY在住のリーアム・コノヴァーが浮上する。コノヴァーはエイモスが滞在していたホテルのITエンジニアだった。

調べてみると、コノヴァーは居留地内にサーバーを設置してオンラインカジノを開設し、イカサマをして儲けていたことがわかる。部族のカルチャーセンターを作るつもりだったエイモスはそれに怒り、土地を返還しようとした。コノヴァーはそれを阻止するために族長を殺害したのだった。


感想

娘のボーイフレンドを追い出そうとして発砲したら、たまたま外を走行中の電車の窓に飛び込んでしまい、たまたま乗客に胸に当たったと思ったら、その乗客は座席ですでに死亡していた――何重ものすごい偶然が重なった話。「結局真相はそれじゃなかった」ということで、前座のようにさらりと流されてしまったが、これだけでもものすごい事件じゃないだろうか。もっともそのネタはシーズン1の「3つの偶然」で既に使っているけど。

土地の返還を阻止したい、という動機ならば死ぬまでに時間がかかり苦しみを与えるような方法を選んではダメだな。族長は結局まだ土地を返還していなかったようだが、返還の契約を終えてしまっていれば無駄に殺したことになる。それに、本人が痛みを訴えて病院に駆け込めば失敗するし、凶器から犯行がすぐにわかってしまうのでは。

ところで、エンジェル刑事が着ていたTシャツがちょっと気になる。レトロな模様の枠の中に漢字。「郵便」と書いてあるのは何となく読み取れた。何となく明治から昭和初期の本の扉ページみたいなデザインだった。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2015-01-18