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CSI: NY - Season 5, Episode 21

#113 The Past, Present and Murder


事件概要

ジョンソン、ウォルシュ

新聞社を経営するダンブルックがオフィスで男性と争い、相手を窓から突き落とす。男は転落死したものと思われ、路上には血痕などの痕跡も残っていたが、肝心の遺体が見つからない。ダンブルックは「侵入者に殺されそうになり、抵抗した」と主張するが、押し入った形跡はなく、指紋認証式の電子錠からはダンブルックの指紋しか残っていなかった。

認証システムの記録を調べたところ、事件の直前に入室した記録があったが、その指紋の主は女性、しかも半年以上前に死亡したアン・スティールであったことがわかる。スティールはフィクサーとしてダンブルックに雇われており、死亡した後もデータが削除されていなかったものと思われる。

その後、海から男性の遺体が発見され、損傷個所などからダンブルックのオフィスへの侵入犯とわかる。だが所持品はなく指紋も削られており、身元不明。遺体の胃からは固まったゼラチンが発見される。おそらく、ゼラチンでスティールの指紋をコピーして指に装着し、侵入した後に飲み込んで始末したのであろう。

ダンブルックは記者会見を開くが、その場で銃撃される。マックは銃撃を受けたばかりのダンブルックが妙に落ち着いていることを不審に思う。

やがて身元不明だった侵入犯の顔が復元され、マックはそれがFBIのウォルシュ捜査官であることに気づく。また、男の転落現場に残っていた手形から、遺体を持ち去った共犯者は同僚のジョンソン捜査官とわかる。マックは以前、スティールのフラッシュメモリ盗難の件でウォルシュとジョンソンから事情を聞かれたことがあった。しかしFBIに照会すると、その2人はすでに解雇されているという。

以前にスティールのフラッシュメモリの内容を確認していたホークスは、記憶と照らし合わせ、ダンブルックの新聞にその内容と関連する記事を7件見つけ出す。掲載された日付は、証拠保管係のクロス巡査が殺害された後のものばかり。ダンブルックがメモリを盗ませ、ウォルシュがそれを取り返すために侵入してもみ合いになり、転落死したという可能性が浮上する。

ダニーは、クロス巡査の傷口から採取した物質が、ダンブルックのオフィスにあった電子インクの成分であることを突き止める。それは、まだ開発中の「液晶表示付き雑誌」に使われていた物で、犯人がその雑誌見本で銃を隠して撃ったと考えられた。ダンブルックはNYPDに巨額の寄付をしているため、シンクレアは令状申請に慎重な態度を見せるが、結局令状は発行され、ダンブルックのオフィスからは拳銃が押収される。ただしメモリは見つからない。

その後、手配されていたジョンソン(元)捜査官の車が事故を起こす。瀕死のジョンソンは「フラッシュメモリにすべて記録されている。自分たちは罪を着せられた」と言って息絶える。FBIのパーク捜査官によると、ジョンソンとウォルシュの2人は、企業のインサイダー取引について捜査していたという。しかしスティールがその事実をもみ消し、逆に2人に罪を着せて陥れたようだ。解雇された2人は、自分たちの容疑を晴らすためにフラッシュメモリを探していたのだ。

ダンブルックのオフィスから押収された拳銃はクロス巡査を撃ったものと同型だが、旋条痕は不一致。ダンブルックにはアリバイもあった。しかしステラは、銃身が削られていることに気づく。削られていない奥の部分から以前の状態を復元してみたところ、クロス巡査を殺害した拳銃であることが判明する。銃に付着していたDNAは劣化していたが、詳しく精査してみると、ダンブルックの息子コナーの物であることがわかる。コナーはクロス巡査を殺害し、捜査をかく乱するために狂言で父親を銃撃してみせたのだ。

スティールのフラッシュメモリは、結局行方不明のまま。実は、ウォルシュが転落した時に排気口から地下鉄の線路に落ちていたのだった。


感想

15話「パーティの裏側で」で登場したダンブルックが再登場。マックはあからさまにダンブルックを怪しんでいる。確かに、いきなりあんな大金をぽんと寄付するなんて、何か裏があるのでは……と疑うのは当然かもしれないが、しかし映像を見た限りではダンブルックは正当防衛であり、殺意はなさそうに見える。

死亡した襲撃犯と遺体を持ち去った共犯者は、「マンハッタン・トライアングル」でマックにアン・スティールのフラッシュメモリの件をたずねていたFBI捜査官だとわかる。しかしこの2人は、マックに接触した時にはすでにクビになっていたようだ。それにしても、FBIで訓練を受けた元捜査官と互角に戦い、相手を窓から突き落とすとは、ダンブルックさんああ見えてかなりの格闘家?

時系列順に整理してみると、まずFBIの2人組は企業のインサイダー取引疑惑を捜査していたが、アン・スティールによって陥れられFBIを解雇される。その後、アンは殺害され、フラッシュメモリは証拠品として押収される。ダンブルックは保管係の巡査を買収してメモリを盗ませるが、その報酬をめぐって争いになり、息子のコナー・ダンブルックが巡査を殺害。その一方で(元)FBIの2人組も、自分たちの疑いを晴らすためにメモリの行方を追ってマックに接触。ダンブルックはアンのメモリ内容を元に記事を発表。元FBIはダンブルックがメモリを持っていることに気づいてオフィスに侵入し、メモリを盗み出すがダンブルックに見つかり格闘に。結局元FBIは2人とも死亡し、メモリは誰にも見つからぬまま排気口から地下鉄の線路に落ちてしまった――という流れかな。

このエピソード自体が、ストーリーを発展させていくものではなく「実はこうでした」という説明のためだけにあるようなものなので、視聴者としても「そうですか」としか答えようがないな。4話からちょこちょこと引っ張ってきたフラッシュメモリ・アークもこれで完結ということになるのかな。あと残っているストーリーアークは、ギリシャコインとリンジー出産の2つか。

最後にフラッシュメモリの行方が明らかになるが、これは「結局見つからぬまま」であっても「めぐりめぐって意外な人物が所持」していても良さそうな感じだ。次シーズン以降、ネタ切れになったらまた登場するのかもね。


使用楽曲

Yoko (yoko221b) 2011-03-27, 改訂 2015-01-25