CSI: NY - Season 7, Episode 2
職場でビデオチャットを楽しんでいたアダムは、チャット相手が何者かに襲われて絞殺される場面を偶然に目撃する。
アダムはジョーの助けを借りて被害者の部屋のTV画面や景色などを思い出し、その情報から被害者がマンハッタンの高層アパートにいたことがわかる。現場へ行ってみると確かに、アダムとチャットしていた若い女性が死亡していた。
被害者はパリからNYへ音楽を学びに来ていたサス・デュモンド。部屋には数台のiPadがあったが、チャットに使用していたはずのノートPCが持ち去られていた。行方を突き止めようとアダムのPCの接続相手を調べるが、「ドラッガ・ファイナンシャル」(以下DF社)という投資会社の専用サーバという所までしかわからない。アダムは不正アクセスによる遠隔操作を提案するが、違法捜査になるからとマックは却下する。
このチャットサービスは、ランダムに選ばれたユーザーが1対1でチャットし、相手を次々に切り替えられる仕組になっている。犯行の直後にサスの相手がアダムから切り替わったため、次のユーザーが目撃している可能性があった。そこでジョーは管理者の協力を取り付け、ビデオチャットサイトにアクセスするとサスの写真が表示されるようにして、情報提供を呼びかける。程なく次のユーザーがわかり、幸いにもデータロガーが設置されていたため、犯人がカメラを覗き込んだキャプチャ画面が得られる。犯人はマスクをかぶっていたが、目と肌の色や骨格から似顔絵を作成することができた。
サスの部屋にあったiPadはすべて盗まれたもの。指紋を調べた結果、窃盗の前科があるコーリー・パウエルが判明。パウエルはサスと交際しており、盗んだiPadをサスに渡していたのだ。パウエルは殺害を否定し「シルバーのBMWから盗んだ」と認める。
遠隔操作を却下されたアダムは、ひそかにDFのサーバーにアクセスする。だが同社は不正行為を行っており、FBIの捜査対象になっていた。アダムの動きがジョーに伝わり、ジョーはアダムを説得して止めさせる。
一方フラックはパウエルの供述から盗難届けを調べ、DF社のIT部門に勤務するクリストファー・ガルシアの存在を突き止める。盗品リストにPCは含まれていないが、車種と色は同じで、またガルシアの顔はビデオキャプチャ画面から復元した似顔絵にそっくり。マックはフラックとともにDF社に向かうが、本人の姿はなく、PCの画面やデスク上のノートにはアダムの情報が残されていた。
その頃ガルシアは駐車場でアダムを待ち伏せして襲撃。アダムも懸命に反撃し、駆けつけた警官にガルシアは逮捕される。
パウエルが盗んだPCには、DF社の不正取引の証拠が入っていた。ガルシアはそれを取り戻すためにサスの居場所を調べ、彼女を殺害してPCを奪い返したのだった。
アダム中心のエピソード。遺体発見まで10分以上経過しているせいか、何となく短く感じてしまった。ネットに上げられた犯罪や遺体の写真が本物かどうか? というのはベガスでもあったが、実際にはほとんどがフェイクなんだろうと想像している。でもまぁ、本物が偶然に映ってしまう可能性はあるし、それがたまたま目撃されてしまうのは良い。しかし、警察関係者がたまたまチャットしていて、それがたまたま管轄区域内だった、というのは確率的にちょっとどうなんだろう。
というわけで、このビデオチャットは相手の言語や居住地を選べるようになっていて、デフォルトではご近所さんが選ばれるように設定されている――と補完してみる。もっと絞り込んで「近所にいて年齢の近い異性」だとしたら、アダムとサス、ジョーとマックがつながる確率は上がるぞ(出会い系か!)。アフガニスタンの兵士は、故国が恋しいのでアメリカとチャットできるように設定したのだ。マックと少年がつながったのは……えーと、それはママの後に使ったからだ!
あまり細かく補完すると矛盾が出るし、それでもツッコミどころはありそうな気がするが、そもそも架空のサイトなので(モデルはあるみたいだけど)、このへんで止めとこう。
今回きっかけがアダムだったのでアダムの出番がいつもより多かったが、ジョーの印象も強い。事件を目撃して混乱しているアダムに巧みに話しかけて記憶を整理させたり、わざと心情を吐露させてみたり。アダムが禁じられていた不正アクセスを行った時は、いち早くFBIから情報を得てストップをかけに来た。その時アダムが「あなたの評判は聞いています。ぼくのことも
チクるんですか?」と言ったのが少々気になった。これはつまり、ジョーはFBIで何か、仲間の不正を告発するようなことをして、それが原因でNYPDに転職したということなのだろうか。
遠隔操作ウィルス、違法捜査になるからとマックは却下していたが、クリマイではガルシアが軽くやってそうな印象……こちらにもガルシアさんが出て来るが、証拠品を広げたまま目撃者ハントに出かけるとは、何てわかりやすいお方。
冒頭で流れていたサスの曲は、実際には Fol Chen の “In Ruins” という曲。