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Dexter - Season 4, Episode 6

#42 If I Had a Hammer


概要

トリニティが撲殺した男の遺体が発見され、デボラは「ランディが犯行を予測していた。撃たれなければ阻止できたのに」と悔しがる。

デクスターは撲殺事件の凶器を特定するべく実験を繰り返す。一方マスオカは現場で発見された粉が遺灰であることを突き止める。犯人が遺灰を唾液で壁に付けたので、遺灰と唾液から別々のDNAが検出されるが、その2人のミトコンドリアDNAは同一であった――つまり犯人と遺灰の主は母方の血縁関係があることになる(ただし、身元はまだ不明)。

デクスターはトリニティの身辺を調べる。トリニティは氏名をアーサー・ミッチェルといい、教師として、また教会の執事として完璧な日々を送っていた。デクスターは、自分と同じ連続殺人鬼がどうやって家庭を維持しているのだろうと思い、カイル・バトラーと名乗ってアーサーに近づき、彼が指導している「救済の家」(恵まれない人々に住居を提供する運動)の建設ボランティアに参加する。

バカンス殺人事件で逮捕されたニッキは、バカンス事件とジョニーの殺害は認めたものの、ランディとデボラの件だけは違うと主張する。デボラはランディ銃撃事件の行き詰まりに苛立ち、「ニッキが自分を撃った」と嘘の証言しようとするが、クインの説得で思いとどまる。デボラは留置場でニッキの話を聞いて考えを変え、ランディの私物を調べてトリニティの資料が消えていることを知り、トリニティの犯行を確信する。

ラグェルタはバティスタの異動を阻止し、自分が部署を変わろうとする。が、結局「正式に分かれました」と報告して2人とも殺人課に留まる。

デクスターは死亡記事を検索して、1959年にアーサーの姉ヴェラ(16歳)がバスタブで死亡、母親マーシャ(40歳)が1961年に飛び降り自殺、父親ヘンリー(45歳)が1964年に撲殺されていることを知る。アーサーは家族の死を何十年にも渡って再現し続けてきたのだ。

デクスターは現場で怪我をしたフリをしてアーサーの自宅に入り込むと「戦利品」を探し、「救済の家」のイヤープレートを見つける。それはランディの記録にあったトリニティ殺人の場所と一致していた。アーサーは全米を廻り、建築を隠れ蓑にして殺人を行い、そのプレートを戦利品として堂々と壁に飾っていたのだ。デクスターはそこでヴェラの遺灰を見つけるが、アーサーは遺灰の壺を手にしているデクスターを見て逆上し、凶暴な面を見せる。

デクスターはアパートを引き払い、夫婦セラピーを受けてようやくリタと和解。庭に自分専用の小屋を建てて殺人の道具を運び込む。エアコンの中にはやはり、血液のスライドを隠して――。


感想

トリ爺ことトリニティ・キラーは、普段は善良な市民として完璧な生活態度を維持している。まぁ、デクスターもそうだといえばそうなのだが、トリ爺は「BTKキラー」を部分的にモデルにしているのかなと思った。1970年代にカンザス州ウィチタで数名を殺害した殺人犯で、被害者を縛り(bind)、拷問して(torture)殺すことからこう自称していた。殺人を行う傍らで市の法令順守監督や教会の信者会長を務め、結婚して息子と娘が1人ずついた。

で、そのトリ爺の犯行の全貌が徐々に明らかになってくるわけなのだが――3人の被害者はトリ爺の死んだ家族をそれぞれ表しており、現場には毎回姉の遺灰を残しているらしい(両親のは?)。前回書いた熱湯シャワーや殴られることなども、何らかの儀式的意味があるような気がする。

デクスターはアパートをデボラに譲って庭に物置を設置するのだが、あの血液スライドはどうしても「エアコンの中」に隠さないとダメなのか? 物置にも一人前にエアコンを取り付けるというのも驚きだが大丈夫なのだろうか。

さて、今回タイトルになった “If I Had a Hammer” は、CSIにも同名のエピソードがあったが、ピート・シーガーのヒット曲のタイトルから。

Yoko (yoko221b) 2011-08-06