Dexter - Season 4, Episode 11
クリスティンはエンジェルから取調べを受けるが、「父親のことは何も知らない、会ったこともない」という主張を繰り返す。クリスティンが父親の名前を言えばアーサーが指名手配される、と危惧したデクスターは、誰かを身代わりに仕立て上げることを思いつき、長距離トラックの運転手で殺人犯のスタン・ボードリーを選び出す。
アーサーはスコット救出のニュースを見て、「カイル」が警察に通報していないことを不審に思い、電話して「何が目的だ」と問いただす。デクスターは「金だ」と答えて5万ドルを要求。アーサーは「カイル・バトラー」の住所を電話帳で調べて家に忍び込もうとするが、そこへ本物のカイルが帰宅して鉢合わせ。
デクスターは昼休みに夫婦セラピーへ出かけるが、そこへ殺人事件の報せが入る。リタはエリオットとキスしたことをデクスターに告白。デクスターは驚きつつ現場へ出かけ、被害者が「カイル・バトラー」であることを知り、トリニティの犯行を確信する。そこで、もうひとりいる別の「カイル・バトラー」の家に忍び込んでアーサーを待ち伏せするが、アーサーは部屋に入る前に写真で別人と気づいて帰ってしまう。
エンジェルとデボラはクリスティンの自宅を捜索し、「父より」と署名された葉書の束を発見。投函した場所はことごとくトリニティ殺人の起きた場所と一致していた。エンジェルはその葉書をクリスティンに突きつけるが、彼女は相変わらず何も認めようとしない。クインもようやく自分が利用されていたことを悟る。エンジェルは彼女を釈放して見張りを付けることにする。
デクスターは無線を使ってボードリーを探し、待ち伏せて殺害。遺体を処理すると、ボードリーの自宅や車にトリニティの証拠を仕込む。帰宅したデクスターはエリオットを殴る。
警察はボードリーの自宅で手がかりを発見し、彼がトリニティであると結論付ける。
クリスティンは何とかアーサーに連絡を取ろうとするが、アーサーは「お前など生まれてこなければ良かった! もう電話するな」と突き放す。クリスティンは「2人だけで話したい」と言ってデボラを呼び出し、ランディとデボラを撃ったことを自供して拳銃自殺を遂げる。
デクスターはアーサーと電話で話し、背後に流れていた音楽でアーサーがゲームセンターにいることを知る。そして通話後に急行するが、アーサーの姿は見えない。そこへデボラから電話が入り、クリスティンの自殺を知り警察署へ。物陰に隠れていたアーサーはデクスターの車を尾行する。署に到着したアーサーは見学者のIDを手に入れて中へ入り込み、デクスター・モーガンの正体を知る。
クリスティンとアーサーはどのような父娘関係だったのだろう。クリスティンはそれほど父親に愛されているようにも見えないのに、その父のために殺人を犯し、さらに自ら命を絶つほど執着しているのは何故なのか。感謝祭の一件で、サリーやレベッカがアーサーを庇ったのは、一種のストックホルム症候群なのかと思えばまだ納得できるが、クリスティンはずっと離れて暮らし、仕事を持ち独立して生活している立派な大人(若く見えるけど30年前のバスタブ事件当時5歳だったので、現在は35歳)。
それはさておき、デクスターとアーサーの攻防はどんどん緊張感を増し、無関係の犠牲者(実在カイル・バトラー)が出たこともあって「どちらが先に殺すか」勝負になっていく。今となってはアーサーを警察に引き渡すわけにもいかないので、別人を「トリニティ」に仕立て上げるという思い切った手段に出る。それでも、正体を知られていないという点でデクスターに有利な面があったものの、まんまとおびき出されて正体を知られてしまう。
デクスターがエリオットを殴ったのは、トリニティを何とかしなければという焦りからだったように見えるが、それを見ていたリタは何だか喜んでしまう。エリオット君は当て馬にされたようで何だかお気の毒。リタにキスしたのが悪いといえばそれまでだけど。
さて、いっこうに本筋に絡まず「うざっ」と思わされるだけだったエンジェルとラグェルタのサイドストーリー。「正式に別れた」という宣誓書を出していたが、その後逢い引き場面を監視カメラに偶然捕らえられてしまう。そして「緊急事態だ」と言って署にデクスターを呼び出し、彼を証人にして結婚。職場恋愛はダメで職場結婚はOKなのか? 一応、2人の仲が流動的ではなく「神聖な」ものになり、かつ職場結婚の前例もあることで文句は言わせないということなのだろうが……結局、この2人のドラマに絡めてデクスターの人物像を間接的に描写することも殆どなく、トリニティ事件の本筋に絡んでくることもなく、何のために2人をくっつけたのかよくわからないストーリーだった。エンジェルは、やっぱり前シーズンのジアナ刑事の方がお似合いだったし、見ていて面白かったと思うんだよねぇ~。ラグェルタと結婚してしまって、何だか残念。
— Yoko (yoko221b) 2011-08-15