Dexter - Season 6, Episode 5
天使の格好で殺害された女性は、エリン・ベーア29歳と判明。職業はマイアミ文化センターのカフェのウェイトレス。デクスターは羽根を調べ、美術品の修復に使われる特殊な材質を検出するが、DDKを自分の獲物にするために、その発見を隠蔽。アンダーソンは現場の状況が黙示録の8章から10章の記述と一致することを指摘する。被害者の食道からは「1244」の紙片が発見される。マスオカの新しい助手、ルイスは数霊術を調べて「1260」という数字を探し出す。つまりエリンの事件を1244日として、1260日目に何かが起きる(あるいはDDKが何かを起こす)可能性が高い。
デクスターは独自に捜査を始め、美術館で修復の仕事をしているトラヴィスの存在を知る。氏名と住所を突き止めて調べたところ、自宅に置かれていた聖書のページ番号と一連の紙片が一致することがわかり、トラヴィス=DDKであると確信。
トラヴィスはゲラーとともに「バビロンの大淫婦」を物色するが、そこで「DDK事件の参考人」としてゲラーの写真が新聞に掲載されていることがわかり、ゲラーは「しばらく身を隠す」と告げる。トラヴィスは何とか単独で女性を誘拐しようとするが失敗し、結局ゲラーの手を借りることになる。
エンジェルとクインはタラハシ大学へ向かい、ゲラーの助手だったキャリッサ・ポーター教授を訪ねて事情を聞く。ポーターはゲラーの教え子であると同時に元愛人でもある。クインはバーでポーターを熱心に口説き、一夜を共にする。
翌朝、ポーターの自宅にクインを迎えに来たエンジェルは、ゲラーの資料が入った箱を発見。中には、一連の犯行に似た場面を描いた絵が入っていた。
デボラは銃撃の件でセラピーを受ける。セラピストは銃撃の影響はなさそうだと判断するが、デボラから「その後警部補に昇進し、彼氏とも別れて居場所がない」と相談され「自分の家を探してはどうか」とアドバイス。デボラは、妻が浮気夫を射殺し、その後自殺した家を安く借りることに成功。
デクスターはトラヴィスを捕らえるが、「ゲラー教授を通じて神が命じている」と聞いてトラヴィスを解放する。
その頃、ブラザー・サムはガレージで何者かの銃撃を受ける。
ああ、やっぱりDDKを自分の獲物にする気でいるんだな、デクスター。マイアミ・メトロ署の鑑識はデクスターとマスオカ(と実習生)しかいないようで、証拠隠しもできてしまうのかもしれないが、こんな派手な大事件を未解決で終わらせる気か? デボラの立場もちょっとは考えろ!
今回のタブローは「死の天使」と「イナゴ」の2つで、その他に「大淫婦バビロン」というのも準備中。「1260」という数字も黙示録11章に登場する。
イナゴが登場するのは第9章。第8章で子羊が第七の封印を解き、7人の天使がらっぱを吹き、それとともに天変地異が起きる。5人目の天使がらっぱを吹くと星が落ちて地面に穴を開け、そこから煙とともにイナゴが地上に飛び出し、刻印(神の下僕であることを示す印)を受けていない人間を苦しめる。これ、確かに「いなご」と書いてあるのだが、説明を読むと「姿は馬に似ており、頭には金の冠、顔は人間、女のような長い髪で歯はライオン、胸には胸当てを着け(軍装?)、尾はサソリのよう」だというのだから、それはもうすでにイナゴとは言えないんじゃないかと思わなくもない。ルドンのイナゴ(図1)はまだイナゴっぽいけど、ベアトゥス写本(図2)のはイナゴというよりトカゲみたいだし。
で、この「天使とイナゴ」の場面が黙示録の8~10章ということなのだが、この部分では天使が何人も登場するので、この天使がどの天使を指しているのかよくわからない。8章では、らっぱを吹く天使が7人と、金の香炉を持った天使が1人登場するし、9章ではユーフラテス河のほとりに縛られていた4人の天使が解放されて人々を殺戮する。10章では巻物を持った天使が登場して、その巻物をヨハネに食べさせる(図3、デューラー)。姿はルドンの「香炉を持つ天使」(図4)に似ているような気がするが、どうもこれという決め手に欠ける。TV.com では、12章に登場する「太陽をまとう女」ではないかと示唆されている。この女性は男児を産み、赤い竜に追われるが、「一対の鷲の翼」を与えられ、飛んで逃げることができた。「バンベルクの黙示録」の挿絵(図5)やオットハインリッヒ版聖書の挿絵(図6)を見ると確かに似てるような気がするけれど、う~ん、どうだろう?
そしてラストに来てブラザー・サム銃撃事件発生。えええ、もう退場なんですかブラザー! 何だかもったいないな~。
— Yoko (yoko221b) 2012-12-16