Dexter - Season 7, Episode 12
デクスターはハンナを訪ねる。ハンナはデクスターの正体を暴露する気はないと言う。デクスターは、デボラを守る方法が他になかったが、ハンナが恋しい。デクスターはハンナを憎み切れず悩む。
ラグェルタがデクスターの自宅を訪れ、エストラーダ殺害容疑でデクスターを逮捕する。
ラグェルタはデクスターがゴミ袋を捨てるところを見ており、ゴミ捨て場からエストラーダの血の付いた服と財布を回収していた。ラグェルタは「ドークスに罪を着せた」とデクスターを非難する。だがマスオカが調べた結果、シャツは40年前にエストラーダが逮捕された当時の証拠品であり、財布からはラグェルタの指紋が検出されていた。ラグェルタがドークスの無実を信じるあまり暴走して、デクスターに罪を着せようと証拠を捏造したということになり、デクスターは釈放される。
デクスターはエストラーダの行方を捜すため、妻を尾行する。妻はもう何年もエストラーダに会っていないと主張していたが、実はこっそりエストラーダに会い、金と銃を渡していた。デクスターは公園でエストラーダを襲って麻酔を打ち、車に乗せる。
ハンナは罪状認否で無罪を主張し、再勾留を言い渡される。傍聴に来ていたアーリーンがこっそり薬を渡し、ハンナは護送中にその薬を飲んで発作を起こし、救急病院に運ばれ、隙を見て逃亡する。
ラグェルタはデボラを呼び、トラヴィス・マーシャルが死亡した日のことについて時系列を確認する。デボラは火災が起きるまで教会には行っていなかったと言うが、ラグェルタは、教会に近いガソリンスタンドでデボラがポリ容器にガソリンを入れている映像を見せる。それはマイク・アンダーソンが取り寄せたもので、私物に紛れていたのを妻が送ってよこしたものだった。ラグェルタはデボラを追及するが、デボラは否定して席を立つ。
デクスターはデボラから事情を聞き、ラグェルタの自宅に侵入。そこで、ラグェルタがトラヴィス死亡当日のデクスターとデボラの携帯電話のGPSを追跡する令状を取っていたことを知り、ラグェルタを殺害する決意を固める。
デクスターはエストラーダをコンテナに拘束し、電話をかけさせてラグェルタを誘き出す。そしてナイフを取り出しエストラーダを殺害。40年前にエストラーダがローラを殺したのは、ローラが警察の内通者だったため。自分が生き残るためにローラと戦って殺したのだ。生き残るために殺すのは「普通の理由」だが、デクスターは今までその理由で人を殺したことはなかった。
デボラはエンジェルの引退祝いパーティに来るが、ラグェルタの姿がないことを知って車の位置を調べさせ、後を追う。
ハンナはデクスターの自宅の前に鉢植えを置く。
ラグェルタはエストラーダを発見するが、デクスターに麻酔を打たれて昏倒。そしてエストラーダと相討ちになったように見せかけて殺そうとするが、そこへデボラが現れて止める。
麻酔が切れて目を覚ましたラグェルタは、デボラに対して「あなたは良い警官よ。デクスターを撃って」と言う。デクスターもナイフを置いてデボラに「彼女は正しい。俺を撃て」と言うが、デボラはラグェルタを射殺し泣き崩れる。
怒涛のシーズンフィナーレ。しかしまだ話は終わらず、次シーズンに続いている。タイトルは本当は伏字なしだが、そのままでサイトに載せるのは少々はばかられる言葉なので、伏せ字使用。
思えば前シーズンのラストで突然現れたデボラ――デボラに見られたその瞬間から、すべてがすごい勢いで破滅へと向かい出したのだと思うと、何だか呆然としてしまう。普段なら自分の獲物ではないヴィクターを手にかけ、組織犯罪者と戦う羽目になり、そしてラグェルタはたった1組のスライドガラスからデクスターの正体にまでたどり着いてしまった。
前回、このままではデボラの身が危険だと思ったデクスターはハンナを逮捕させる。そしてデボラはデクスターを撃とうとしたのに、最後の最後にラグェルタを射殺してしまう。デクスターも、この場でデボラに撃ち殺されるなら、と観念したのだろうか。しかしそうはならず、兄妹はお互いに、恋人や正義よりも相手を選んだ形になった。
ラグェルタの執念には正直へきえきしていたし、真相を知らない身からすれば、マシューズやエンジェルの言い分は当然だろう。なので、デボラがラグェルタを撃ったこと自体にはさほど衝撃はなかった。でもデボラの慟哭する姿は、見ていて胸が締め付けられるようだった。ジェニファー・カーペンターの体当たりの演技には、いつもそんな気持ちにさせられる。
この後メトロ署はどうなるのだろう。内部調査が行われるだろうが、「ドークスが犯人だという証拠がありながらラグェルタが暴走を続けた」とマシューズが明らかにすれば、もう疑いを持つ人間はいなくなるだろう。おそらく、エストラーダと相討ちになった、という最初のデクスターのシナリオどおりになるのだろう。デボラの銃で撃たれている件をどう処理するのかが気になるが、その場にデボラもいて銃を奪われたことにするか、あるいはデボラが銃を貸していたことにでもするのか。デボラが誤射したことにする――のは、ちょっと可哀想。
途中ではさまれたドークスの回想シーン、これはシーズン1~2の映像? 確認していないが、見た記憶がない映像があるので、新しく撮ったものかな。ドークスが「マリアと別れて…」と言う場面は初めて見るような気がする。現場で血痕から犯行を再現するところ、これは似たような場面が初期にいくつかあったので、ちょっと判断がつかない。若返りフィルタで加工しているのかもしれないが、シーズン1の頃の雰囲気が見事に再現されていて素晴らしい。
次シーズン、ハンナはどうするのか。そしてラグェルタを射殺してしまったデボラはどうなってしまうのか。いつもなら「じゃ、また来年」となるところだが、続けてファイナルシーズンも見ることにしたので、この後すぐに取りかかる予定。
じゃ、また後でね。
— Yoko (yoko221b) 2015-03-29