Dexter - Season 8, Episode 5
デクスターとデボラはヴォーゲルのカウンセリングを受ける。デクスターは「2人とも死んだらハリソンはどうなる」とデボラを責めるが、デボラは結局デクスターを助けており、ヴォーゲルは「それが回復の第一歩」だと言う。デクスターは日誌の件での敵意を隠さない。
ノーマ・リベラ事件では、被害者のノーマが死ぬ前に性交渉を持ったことがわかるが、相手は不明。ノーマをメイドとして雇っていたエド・ハミルトンは裕福な名士で、マシューズとも旧知の仲だった。ハミルトンはDNA採取を拒否し、ノーマとの不倫を認めるが、自宅を訪ねてはいないと犯行を否定する。ハミルトン家に赴いたデクスターは、息子のザックから話しかけられる。
ジャネット・ソートンの事件では、容疑者としてイェーツの存在が浮上する。イェーツはヴォーゲルの自宅に侵入して博士を拉致。話をしに来たデボラが、荒らされた室内を見てデクスターに連絡する。
その頃デクスターは刑事たちとともにイェーツの自宅を調べ、庭で数体の白骨死体を発見していた。いずれも長期間にわたり足の指を折るなどの拷問を受けていた。ヴォーゲルの件を聞いたデクスターはイェーツの犯行を確信し、室内でイェーツの作業記録を調べ、その中から夏の間不在にしている家を絞り込む。
クインとミラーはノーマ事件の聞き込みを続け、現場付近でザックが目撃されていたことを知る。しかしザックの目撃者はその後供述を翻す。クインは買収を疑うが、マシューズは昇進をちらつかせてハミルトンを庇う。
マスオカは探偵社を訪ね、自分の精子提供によって生まれた娘、ニキの素性調査をデボラに依頼する。
ヴォーゲルはイェーツに理解を示したり、母親のように威圧したりして暴力を回避し、隙を見てデクスターに電話をかける。デボラはエルウェイの協力で逆探知して位置を割り出し、現場へ急行。イェーツはヴォーゲルに心を許しかけるが、そこで通話中の電話に気づく。
デクスターとデボラは家屋へ踏み込み、監禁されているヴォーゲルを発見。イェーツはベッドの下に隠れていたが、デクスターに刺殺される。
デクスターはデボラとイェーツをボートに乗せ、イェーツの遺体と送り付けられた脳を捨てる。
イェーツの死で「脳外科医」の事件は終結――ということになるのだろうか。想像していた犯人像とはちょっと違ったけれど、最後にデクスター、デボラ、ヴォーゲルの3人でゆったりとボートに乗ってイェーツを始末する場面は、不思議に心が安らぐような雰囲気に満ちていた。何となくシーズン5のフィナーレで、ルーメンと2人でボートに乗っていた場面を思い出す。デクスターが秘密を共有し、本当の自分を見せられる相手と一緒にいるからだろうか。ルーメンの時は別れが待っていたけれど、デボラはきっとデクスターのそばを離れないだろう。
それにしても、イェーツが脳外科医だというのは、しっくりこないなぁ。イェーツは若い女性ばかり狙い、脳ではなく足に執着している。ヴォーゲルを拉致した手口も乱暴だ。サスマンを脅して殺したりするような狡猾さがあまり感じられない。部屋をモニタリングしたりヴォーゲルの日誌を手に入れたりしているので、それなりに知能も技術力もあるのだろうが、どうも何か違う。脳を送りつけて何がしたかったのかもわからない。やはり誰かが、ひそかに裏で操っているのではないか。そんな気がして仕方がない。怪しいのは……やはりヴォーゲル自身!?
そう思って見ると、ヴォーゲルはデクスターとデボラに対しても妙に支配的というか操ろうとしているように見える。「デボラがしたことでデクスターは傷ついている」と言うが、デクスターは、本当はヴォーゲルのせいで(日誌の件とか)傷ついているのではないのだろうか。デクスターとデボラの仲を裂こうとしているようにも見える。
さて、イェーツが海に沈められたので、ジャネット・ソートンその他の事件は被疑者が逃亡中のまま未解決に終わることになった。残るはノーマ事件だが、クインはこの件で手柄を立てられるのかどうか。ザックが犯人ならば手柄を立てない方が良いことになるのか? 前シーズンのあれこれを思い出すと、ザックの犯罪を見逃すくらい軽いものではないかと思わなくもない。
— Yoko (yoko221b) 2015-05-04