Dexter - Season 8, Episode 9
デクスターはヴォーゲルとともにザックのスタジオを調べ、争った跡を発見。犯人は痕跡を片付けて行ったが、テーブルの下の目立たない所に血痕と毛髪が残っていた。ザックはデクスターからDNAの重要性を学び、証拠を残したのだ。ヴォーゲルは、デクスターからハンナと別れないと聞かされる。ヴォーゲルは、デクスターは「完璧なサイコパス」ではなく深い感情を持つ人間であると指摘し、「殺人者に感情のある人生は送れない」と、ハンナとの将来に難色を示す。
DNA鑑定の結果、ザック事件に残っていた毛髪は、ヴォーゲル博士の肉親であると判明。「脳外科医」はヴォーゲルの息子だったのだ。
ヴォーゲルにはダニエルとリチャードという2人の息子がいたが、兄のダニエルが14歳の時に弟を殺害し、英国の病院に収容されていた。ダニエルは共感性に欠け、善悪の区別を付けられないサイコパス。ヴォーゲルはダニエルのために研究分野を選んだのだという。だが、3年後に病院が火事になり、ダニエルは死亡。ヴォーゲルの夫が焼け焦げた遺体を確認していた。デクスターは、死んだのは別人で、ダニエルはまだ生きているのだろうと思う。
デクスターは少年時代のダニエルの写真を加工し、40代になった顔を予測する。するとそこに現れたのは、キャシーの恋人のオリヴァー・サクソンだった。デクスターはサクソンの身元を調べ、本物のサクソンの死亡証明書を発見する。
エルウェイの通報を受け、連邦保安官のクレイトンがやって来る。クレイトンはまず、ハンナの恋人だったデクスターに事情を聞く。ハンナはアーリーンに現金を預けており、それをデクスターと2人で受け取りに行くことになるが、ちょうどアーリーンの家にいる時にクレイトンが訪ねて来たため、デクスターはアーリーンと交際しているふりをしてごまかす。
クインはキャシー事件でザックを疑っていたが、デボラの話でザックにアリバイがあることを知る。ジェイミーとの交際のことでクインはつい愚痴をこぼし、デボラに励まされる。デボラはクインの捜査に同行し、サクソンに疑いを抱く。
サクソンの自宅はもぬけの殻だったが、デクスターはゴミ箱でドリンクの空き缶を見つけ、彼がヴォーゲルの息子であることをDNAで確認する。
デクスターは、サクソンの罪状を数え上げ「救うことはできない」と言うが、ヴォーゲルは殺さないでほしいと頼む。デクスターは、サクソン殺害を決意しつつ、表面上はヴォーゲルに同意したふりをする。
サクソンが常に先回りできたのは、ヴォーゲルのPCにスパイウェアを仕込んで情報を得ていたためだろう――デクスターはそう判断し、逆にそれを利用して誘き出そうとする。ヴォーゲルは、昔家族でよく行ったキングスベイ・カフェをその場所に選ぶ。
そしてデクスターは、仕事を辞めてハンナとハリソンとともにアルゼンチンで暮らそうと決意する。
クレイトン保安官がデクスターの自宅を訪ね、「ハンナは街を出たようだから警護を解く」と言う。保安官はハリソンが描いていた金髪の女性の絵に注目するが、ハリソンは「ママ」と答える。
デクスターはヴォーゲルを迎えに行くが、彼女を薬で眠らせて一人で出かけて行く。そして現れたサクソンを尾行しようとするが、車のタイヤを切られて失敗。ヴォーゲルが危険だ、と判断して彼女の自宅へ戻るが、ヴォーゲルは「これは家族の問題だから」とデクスターを追い返す。奥の部屋にはサクソンがおり、母子は2人でテーブルを囲む。
「脳外科医」の正体判明! 今回は本物だろうね……しかしヴォーゲルの息子とは初耳。6話「研修生」でキャシーの友達(彼氏?)として初登場したはずなのだが、ぜんぜん印象に残っていない。
今思えば、キャシーが殺される前にザックの顔を見ていたはずなのに「覚えていない」というのは少々変だった。それにしてもいささか唐突な感じは残る。わざわざノーマの現場に似せているということは、警察の捜査資料を得ているのか、あるいはザックの写真を見て知ったのか。
ハンナとハリソンを連れてマイアミを出て、アルゼンチンに行こうとするデクスターの計画。ハンナを追うエルウェイと保安官。ヴォーゲルとサクソンの結末。この3つのストーリーの流れがフィナーレで決着して終わり――ということになるのだろう。
— Yoko (yoko221b) 2015-05-23