Homicide - Season 3, Episode 5
20歳の女子学生、シンディ・フラーが絞殺される。ルイスとケラマンが担当し、売人のブーマー・メイソンが逮捕される。メイソンは「10年前に誰かが誰かを殺したらしい」という情報で取引しようとし、マンチとハワードがその住所へ向かう。
地下室には何もないようだったが、調べてみると壁が空洞になっており、レンガを取り除くと中から白骨死体が発見される。被害者は生きたまま壁に埋められ、レンガをかきむしりながら息絶えたと思われた。所持品と骨折跡から、10年前に失踪したユージーン・エルウィンと判明。
2人はブーマー・メイソンに殺人の話をしたジョセフ・カルデロを探し出す。カルデロは「詩人」を自称していたが、作品の中にはエドガー・アラン・ポーの盗作がいくつもあり、彼が麻薬を売っていた教会にはポーの墓があった。
マンチはカルデロの行く先々に現れ、プレッシャーをかける。さらに、遺棄現場でカルデロの名を刻んだレンガを発見してカルデロを取り調べるが、カルデロはシラを切り通して釈放される。
カルデロは自宅へ戻るが、その後心臓の音に悩まされ始め、家中を滅茶苦茶にした挙句、自分で自分を壁の中に閉じ込める。
エドガー・アラン・ポーをモチーフにした、ちょっとホラーっぽいエピソード。『告げ口心臓』や『アモンティリャードの樽』はCSIなど他のドラマにもよく出てくるので、もう課題図書かも。『黒猫』は怖い話だが、今回警察署に現れた黒猫ちゃんは可愛かった。ハワードが「黒猫は縁起が悪い」と言って、くるくる回っておまじないをしていたのを見て、初期シーズンでの幽霊話を思い出した。「被害者の幽霊が凶器の場所を教えてくれた」と言ってルイスたちにからかわれてたよね。あの頃は……。
それはともかく、殺人で逮捕された容疑者が取引材料として「10年前の未解決事件」に関する情報を持ち出し、言われたとおりの場所で白骨が見つかってしまったため、マンチとハワードがこの事件の担当になる。殺人課のホワイトボードに書かれている事件名(被害者名)は解決済みが黒、未解決が赤だが、コールドケースの場合は青い文字になるらしい。前回は間借り中だったが、ようやくガス管の修理が完了して本来の署に戻れた様子。
容疑者となった自称「詩人」のカルデロはポーを崇拝していたようだが、作品が盗作だらけなのは良くないなぁ。ポーのお墓がある教会を根城にして麻薬を売りさばいていたとは(ポーの墓所って観光名所ではないの?)。そういえば、ポーがボルチモアを愛したことは、前シーズンでローガン(Law & Order)とペンブルトンのお国自慢でも言われていた。
しかし事件発生が10年前のことなので、物的証拠はゼロ。カルデロには「何月何日のアリバイでも完全に裏付けてくれる」証人もいる。つまり、本人に自白させるしかない。というわけで、カルデロの行く先々に現れてはプレッシャーをかけるマンチが可笑しい! これ他のキャラだったら「ちょっとやりすぎじゃない?」と反感を持ったかもしれないが、マンチだとなぜか笑ってしまうんだなぁ。マンチ、署の中では最も文学的な素養があるらしい。しかし最後に、犯人が自分で自分を壁に閉じ込めてしまった場面はホラーだった。
さて、この事件と並行して、例によって刑事たちのプライベートな部分が語られる。
マンチは容疑者にプレッシャーをかけまくる間に検死医アリッサとデート(初期シーズンでボランダーが別の検死医とデートしていたことを思い出す……)。マンチはアリッサに夢中で「もう他の女など眼中にない!」と言い切ったので、「これは別の女性が現れる前振りだな」と思っていたら予想外の早さで(爆)
アリッサの家に迎えに行くと、本人はおらず女性警官がいて家中には物が散乱。一瞬「事件か?」とぎょっとさせる光景だが、その警官は新しいルームメイトで、単に荷解き中なだけ。アリッサは仕事で遅くなるという。で、次のシーンではマンチと女性警官がベッドの中(猛爆)
マンチは罪悪感に悩まされたあげくアリッサに打ち明け、殴られてますます惚れてしまう。この部分が「罪悪感」という一点を軸として上述のカルデロの姿と対になっているようだ。ホラーでもラブコメでも笑わせてくれるマンチ、本当に独特の存在感がある。
フランクは妻メアリーが妊娠したことをベイリスにだけ打ち明け、他には秘密にしていたが、この警察署で秘密が守られるわけがない。一応ベイリスはフランクの名を出さず「自分の友人が…」とメーガンに話すがもうこの時点でバレバレ。メーガンはさっそくフランクにお祝いを言い、次の場面ではもう皆知っている風。
— Yoko (yoko221b) 2011-11-20