Homicide - Season 4, Episode 18
ベイリス、ペンブルトン担当。シェフのフランツ・レイダーが自宅のキッチンで何発か撃たれて死亡する。レイダーの家族は妻ルシールと娘のビリー。隣人が銃声を聞き通報。警官が来たときは玄関は開いており、誰もいなかった。
隣人の話から、フランツは妻に暴力をふるい、娘が母親を庇おうとしていたことがわかる。ビリーは事件の前に警察を訪れていたが、「被害者自身から申し立てがないと警察は動けない」と言われ、激昂して帰っていた。その日もルシールは夫に殴られ、病院に運ばれていた。ベイリスが話を聞くと、ルシールは「娘が夫を跪かせて撃った。今はきっと恋人の所にいる」と言う。恋人のニール・パッセーはレイダーのレストランで働いていた。
ビリーとニールは、同じレストランで働くタイルズの家で逮捕される。ビリーは自首するつもりだったが、ニールに止められていたのだ。
ペンブルトンは加害者に同情し、取り調べで何とか正当防衛だと言わせようとするが、ダンバースに追い出されてしまう。ビリーは母親を庇おうとして父親と揉み合いになり、銃を奪い、父親を跪かせた。父親は「撃たないでくれ」を命乞いをしたが彼女は3発撃って殺害。最後の1発は相手が倒れてから撃った。
ルシールはその後供述をひるがえし「夫がビリーに暴力を振るおうとし、ビリーは正当防衛で撃った」と言い直す。
最初の方で、警察署に乗り込み「父が母に暴力を振るっているの。何とかして!」と訴える少女の姿。これが事件に発展するのだろうと思ったらその通りの展開に。ただ母親の反応はちょっと想像を超えていた。以前にも「殺された娘より殺した夫」の側に付く妻が登場したが、今回は「夫に殴られるのは妻である私の特権」という(そこまでは明言してないが)妻が登場。だから、たとえ自分を守るためでも夫を殺した娘は許せないし、夫が自分以外の女を殴るのも許せない。いったい何なんだ? 最後の最後で翻意して娘を庇う供述をしたけれど、時すでに遅し。娘は殺意をもって撃ったと自ら認めてしまった。いや遅くなくても結果は同じかも。ペンブルトンが何とか正当防衛を誘導しようとしてもダメだったのだから。
事件以外のところでは、チャールズ・フレイバンの仮釈放審査の話があった。シーズン1でクリス・ソーマン巡査を撃ち失明させた男。ルイスはそれを聞いて怒り、ソーマンがその報せを受けながら自分に黙っていたことにショックを受ける。何でも、刑務所で暴動が起きて看守が人質に取られた時に、その看守の命を救い、囚人と交渉して人質を解放させたため、異例の早さで仮釈放が審査されることになったという。あれから4年、フレイバンに何があったのだろう。そしてソーマンはどう変わっただろう。
結局、フレイバンの仮釈放は却下される。フレイバンが本当に更生できたとしたら、それは「自分が悪いことをした」という変わらぬ事実があり、反省すべき点が明確にあるからではないかと思った。そしてソーマンの苦しみがまだ癒えていない(ように見えた)のは、負わされた傷の大きさだけでなく、彼自身には責任もないし反省すべき点もないからではないかとも。
そしてベイリスは自分を虐待していた叔父のジョージを訪ねる。この人は、以前に登場した従兄ジムのお父さんではないんだよね? 「休暇のたびに」と言っていたし、ジムの一家は隣の家に住んでいたはずだから。
罪と罰。犯罪被害者と加害者。さまざまな立場と年月について考えさせられたエピソードだった。
— Yoko (yoko221b) 2013-03-24