Law & Order - Season 1
パーティ帰りの夫婦が駐車場で銃撃される。夫アラン・ラルストンは射殺され、妻のジャネットは負傷。多くの前科を持つウィリー・ティヴナンが現場にいたことがわかり逮捕されるが、グリーヴィは釈然としないものを感じていた。それまでの前科と手口が違いすぎること、財布が奪われたのにクレジットカードが不正に使われていないことなどが理由だった。グリーヴィはジャネットにもう一度話を聞き、一語一句たがわぬ話を繰り返したことを不審に思う。
ティヴナンは「明かりが消えてから銃声がした」と供述する。現場に行ってみると、電球が緩められており、その電球にはラルストンの管財人ハイムズの指紋があった。その後の捜査で、ハイムズとジャネットが不倫の関係にあったことがわかる。検事はハイムズを起訴。
ジャネットは最初、巻き込まれた被害者を装っていたが、ティヴナンの証言から、最初にジャネットがアランを撃ち、その後にハイムズがやって来てジャネットを撃ったことがわかる。翌年に選挙を控えた地方検事アダム・シフは第2級故殺で取引するよう指示するが、ストーンはハイムズとジャネットが罪のなすりあいを始めたことを利用し、取引を「オークション」と称してプレッシャーをかける。結果、ハイムズが第1級故殺罪を「落札」し、ジャネットの裁判で証言を行う。ジャネットは強盗に襲われたと行ってアランに銃を買わせ、その銃でアランを撃った。その後、ハイムズがジャネットを撃ち、強盗に見せかけたのだった。
ジャネット・ロルストンはそのまま公判を続け、第2級謀殺で有罪、第1級共同謀議で有罪の評決を受ける。
このエピソードの元ネタは、妊娠した妻を殺害し、その後自殺したチャールズ・スチュアート事件とのこと。例によってドラマ化されており、“Goodnight Sweet Wife: A Murder in Boston” というタイトルで、このエピソードの1ヶ月ほど前に放送されている。いちいち元ネタの事件があるというのもすごいが、それが大抵、実名を使って単独でドラマ化されているというのもすごい。実際の事件でも、実は存在しなかった「黒人のガンマン」がいたと言われたため、人種対立に発展しそうになったらしい。
こちらの架空の事件でも、黒人の若者がまず逮捕されるが、これが冤罪なのは邦題から予想がついた。それでは真犯人は誰か、となると候補も限られてくるので特に意外性はなし。その後の主題は検事がどうやって被告人を追い詰めていくかというプロセスに移る。検事が2人の被告人を相手に「オークション」を始めて追い込んでいく場面が面白かった。愛人で共犯とはいえ、いったん起訴されて法廷に立つ時は、利害を共有しているとは限らない。友人や伴侶を一度裏切った者はもう一度裏切る――そのようなことを感じた。それにしても殺された被害者が気の毒だ。
— Yoko (yoko221b) 2007-01-29, 改訂 2008-03-07