Law & Order - Season 2, Episode 5
It never ceases to amaze me. To weed through a complicated legal minefield, get bad instructions from the judge and still come up with the right verdict.
テッド・ドリスコルとナンシー・ドリスコルの娘ダイナが喉頭炎で死亡する。2人は Church of All Saints という宗派に属しており、近代医学が教義上禁じられていたため医者を呼ばなかった。刑事と検事の間でも、児童を危険に晒した罪か故殺かで意見が分かれる。だが、母親が禁止されているはずの飲酒をしたことや、父親が救急車を呼ぼうとして途中で止めたことなどが明らかになる。
地方検事シフは「第2級故殺、および児童を危険に晒した罪」での起訴を決定。ストーンは、その2つで起訴した場合、陪審は故殺を認めないであろうが、かといって「死ぬほどの危険に晒した」のであれば故殺が成立しないのは矛盾すると難色を示すが、シフは無罪になるよりは1つだけでも有罪になった方が良いとの意見だった。弁護士は取引を提案するが、ストーンが「二度と精神治療(スピリチュアル・ヒーリング)をしない」ことを条件にしたため決裂。
判事は陪審員に対して「第2級の故殺で有罪とするには、被告人が無謀な行いでダイナを死なせたと判断しなければならない。児童を危険に晒した罪に関して言うなら、Church of All Saintsはれっきとした教会であり、精神治療の有効性を判断してはならない。被告人が、娘が重病である時に、近代医学がなくとも信仰によって病気を治せると真剣に考えていたかどうかを判断するように」と説示する。ストーンは、判事が2つの罪状を区別しなかったことを心配するが、評決は、児童を危険に晒した罪では無罪、故殺で有罪であった。
例によって元ネタありで、今回は1989年2月に、Alex Dale Morrisという4歳の子どもが病死した事件とのこと。劇中で言及されている US vs. Ballad は1944年の詐欺事件で、被告人の宗教的な信念を判断してはならないとされている。
このエピソードでは、陪審員の判断が重要になるということで、陪審員を選ぶ場面が面白かった。陪審員を選ぶ専門家というかコンサルタントのような人がいて、「この人は有利」「この人は権力に対して否定的だからやめよう」とか、色々話し合って決めているのね。
陪審員を決める方法というのは、まず有権者名簿から無作為に選んで、それをふるいにかけ(人種差別主義者など、陪審にふさわしくない人を排除する)、弁護側・検察側双方が残った人に面接して気に入らない人を排除していくという段階を踏むんだったと思う。面接して排除する時は、理由付きで排除する場合と理由なしで排除できる場合があったはず(今回検事とコンサルタントがゴニョゴニョして断っていたのは「理由なし」の方でしたね)。他にも、陪審員の中での人種構成がその地域での人種の人口割合を反映していなければダメとか、いろいろ難しいことがあるらしい。まぁ、それだけ重要な役割なのだからしょうがないんだろうけど。