Law & Order - Season 2, Episode 14
クラブの外のゴミ捨て場で、撲殺された女性の遺体が発見される。氏名はロイス・ライダー。
事件の日、ロイスの夫は街を離れていたが、ロイスの身体には性交渉の痕跡があった。夫は血液検査を拒否するが、州兵の記録から血液型がわかり、ロイスの最後の相手ではなかったとわかる。恋人は、彼女がボランティアをしていた病院の小児科医、ジョエル・フリードマン。お互いに既婚者同士だった。
ロイスの夫ジョナサンは資産家で、庶民家庭に育ったロイスは肩身のせまい思いをしていたという。またジョナサンは妻の不倫に気づいていた。フリードマンにはアリバイがあるが、ジョナサンに関しては犯行を示唆する証拠が発見されるが、いずれも状況証拠。
やがて、ロイスの宝石が質入されたことがわかり、ヘンリー・ウィラードが逮捕される。ウィラードは倒れているロイスから宝石を奪っただけと主張。ロイスが持っていたのはネックレスとブレスレットとブローチだったが、ブローチだけが見つかっていない。ネックレスとブレスレットは新しい物だったが、ブローチはジョナサンの祖父の代から伝わる由緒正しい品だったのだ。そのブローチはジョナサンの母親バーバラの家で発見され、ジョナサンは殺人罪で起訴される。
ジョナサンは保釈の条件として国外へ出ないよう言い渡されていたが、バルバドスの別荘へ子どもたちを連れて行ったため、保釈が取り消されてライカーズ島の拘置所に入れられる。ストーンは拘置所にスパイを送り込み情報を得ようとする。
目撃証人は、事件当日ロイスが身に着けていたブローチを確認するが、弁護人はそっくり同じブローチを2つ取り出してみせる。そのブローチは同じ物が4つ作られ、ジョナサンの妹とロイスが2つずつ持っていたのだ。バーバラは、自分の家にあったブローチはロイスが当日身に着けていた物ではなく、もう片方を借りたのだと言い、娘とともにジョナサンのアリバイを主張する。拘置所のスパイが有力な情報を得るが、その直後にバーバラの工作で証言を拒否してしまう。
ストーンはオリベット医師に依頼してジョナサンとロイスの娘アリソンの証言を得る。アリソンは父親の犯行であることを知っていると思われたが、証言能力には疑問があった。だが話の内容から、ロイスが当日着けていたブローチは、いずれアリソンに譲る予定の物で「区別がつくよう秘密の加工がしてある」ということがわかる。アリソンはその秘密を知らなかったが、ロイスはフリードマン医師に打ち明けていた。
フリードマンは証言台に立ち、ロイスが着けていたブローチとして、バーバラ宅で発見された物を選び出す。ロイスのブローチには、バーバラのBとロイスのLのイニシャルが刻まれていたが、ロイスはその後アリソンのイニシャルAを加えていた。バーバラもジョナサンもそれは知らなかったのだ。
Law & Order というよりは、何だか英国のミステリドラマのような印象のエピソードだった。資産家と庶民のカップル、家の中で孤立して追いつめられていく女性――と、「レベッカ」を思わせる舞台設定(ぜんぜん違う話だけど)。最後の場面で、評決を決定づける医師の証言と、それによって明かされるロイスの愛と苦悩が印象に残る。もうこの証言のすぐ後にエンドタイトルでも良いような気がした。でも、その後にフリードマン医師の離婚訴訟に関するゴタゴタの話が出るのが、L&Oらしいリアリズムなのかもしれない。
このお医者さんどうなってしまうのだろう。病院を設立した(資金援助もしているだろう)ライダーが殺人罪で有罪となり、その決め手となった証言をしたとなれば、小児科部長でも病院に居づらくなるのでは。奥さんからは離婚訴訟を起こされるし(不倫はもう隠しようがない)、心から愛したロイスはすでに亡く――。
ところで、ストーン検事のスパイ役をしたモーガンが、Jude Ciccolella(「24」のマイク・ノヴィック役)だったことにびっくりですよ! ぜんぜん気がつかなかった~。
— Yoko (yoko221b) 2007-11-14