Law & Order - Season 4, Episode 3
19歳の女子学生ジュリア・ウッドが、ロックミュージシャンの「Cスクエア」ことクラレンス・カーマイケルにレイプされたと訴える。Cスクエアは、過激な演出やわいせつな歌詞で知られている。Cスクエアは「ダンスに行こう」とジュリアを誘い出し、「コンサートチケットをあげるから」と部屋に連れ込んだのだった。
Cスクエアは合意の行為だったと主張する。刑事たちも判断に迷うが、最終的にヴァン・ビューレンが「目を閉じて終わるのを待つだけだった」という供述を理由に、ジュリアがレイプされたと判断し、Cスクエアはレイプ容疑で逮捕される。
ローガンは最初はヴァン・ビューレンの見解に疑問を呈するが、調べを進めるうちに、その日にCスクエアがデートを反故にされて性欲を持て余していたらしいことや、リムジンの運転手を早々に帰らせていた(つまり最初からダンスに行く気はなかった)ことなどが判明する。また、過去に同じ手口で女性をレイプし、1万ドルで事を収めていたこともわかり、Cスクエアは逮捕される。
ジュリアの自宅前にはマスコミが詰めかける。ジュリアとその父親は、この喧騒にはもう耐えられないと言い出す。新聞に、ジュリアが金目当てであるようなゴシップ記事が載ったたため、取引の可能性も見込めなくなる。最終的に、ジュリアはキンケイドの説得を受けて訴訟を進めることに同意する。
証人として出廷したジュリアは「弁護士からアプローチされたことはあるか」という質問に「ない」と答えるが、キンケイドは「弁護士と会った」とジュリアから聞いていた。つまりジュリアは偽証したことになる。キンケイドはその会話の内容が事件に関係があるとは思わずストーンに伝えていなかったため、予防策が取れなかったのだ。キンケイドは、ジュリアが弁護士と面会しようがしまいが、レイプされた事実に変わりはないと主張するが、ストーンは「信頼関係の築けない相手と仕事はできない」と、この事件の判決が出たら転属願いを出すよう言い渡す。
陪審員はCスクエアに有罪の評決を下す。キンケイドは転属の準備を始めるが、ストーンはかつて自分がミスをして負けた後、もう一度チャンスを与えられたことを話して引き止める。
レギュラー陣に女性が入ったことを利用して、ちょっとした対立を描こうとすると、やはり性犯罪ということになるのだろうか。
ヴァン・ビューレンの判断に対してローガンが何か言っていたと思ったら、検察の方でもストーンとキンケイドの間にちょっとしたトラブル。ロビネット検事との間ではそういうことが全然なかったので、何だか新鮮だった。それにしても、ストーン検事にも新人の時代があったのね~当たり前だけど。でも「内部メモをうっかり公式の資料と一緒にホッチキスで綴じて弁護人に送ってしまった」というネタ、前シーズンの「Point of View(揺らいだ中立性)」でも使っていなかったっけ。実話?
レイプ事件で、被害者が重要なことを隠していたために証言の信憑性が脅かされてしまうという展開は、シーズン2の「Out of Control(裏切り)」、シーズン3の「Helpless(屈せざる女)」でもあった。もちろん、毎回描き方も結果も違うのだが、やはり何というか……毎回それでなきゃいけないんですか? みたいな気持ちになったことも確か。どうしても被害者側に立ってしまうので「それがどうであれ犯罪事実に変わりはないじゃないか」という所に共感してしまうせいかも。
「裏切り」といえば、今回の被告人と被害者の関係とちょっと似ている部分があると思う。結果の違いは――やはり被告人の与える印象と被害者の普段の素行だったのだろうか。「裏切り」では「陪審員は被告人と自分たちの息子を重ねて見るかもしれないが、被害者を自分たちの娘と重ねて見ることはしないだろう」と言われていた。今回はキャラが逆な感じだったかも。
それにしても、Cスクエアのミュージックビデオすごいなぁ。今見ると笑っちゃうんだけど……93年当時ってこんなノリだっけ? 何だかむしろ80年代みたいな印象があるのだけど、どうだろう。このエピソードの元ネタとしては、マイク・タイソンの事件とともに、パンクロック歌手のGG アリンが挙げられているが、アリンのパフォーマンスに比べればまだ大人しいかもしれない(TVだし)。Cスクエア役のセバスチャン・ロッシェは、CSIのコスプレエピでモリアーティを演じていた。最近では「24:Redemption」でも見たな……やっぱりワルの役で。
今回、DVDに収録されている未公開シーンで、クレイゲンが栄転したこととロビネットが弁護士に転職したことが明らかになった。
— Yoko (yoko221b) 2008-12-09