Law & Order - Season 4, Episode 10
食肉工場を経営するウィリアム・クーパーが事務所で射殺される。何者かが事務所内に押し入って荒らしたように見えたが、状況は不自然で偽装したものと思われた。
妻のイリーナ・クーパーはロシア人。2人の結婚を仲介したのは、ロシア-アメリカ友好協会という団体だが、実態はロシア人の花嫁斡旋業。同じ協会で結婚した夫婦に事情を聞くと、イリーナは自分自身の仕事や生活を持ちたいと望み、またモスクワにいる6歳の息子を呼び寄せたがっていたが、ウィリアムはそれを快く思っていなかったという。
その後、イリーナが勤務先(研究所)の研究員ヌニエズと愛人関係にあったこと、妊娠中絶をさせられていたことなどが判明。離婚されればロシアに送り返されることが予想され、動機は十分。凶器の銃からは、ヌニエズが職場で使用している手袋と同じ成分の粉末が検出される。状況証拠から、イリーナが手引きしてヌニエズが殺害したものと思われたため、2人は逮捕され、第2級謀殺および第2級共同謀議で起訴される。
イリーナとヌニエズが一緒にいるところを見た若者が出廷して証言するが、弁護人は彼が韓国系であることから「異なる人種の人間を見分けることは困難である」と主張し、日本人がヒスパニックを見分けられなかった事件を持ち出すが、その事件の証人は日本で育ち、米国に来るまで他のエスニックグループとの接触がほとんどなかった。対して今回の証人は韓国系アメリカ人でNYで育っている。ラインナップでも似たような背格好のヒスパニック男性6名の中から正確にヌニエズを選んでいた。
ストーンは、陪審は証人を信用するだろうと確信するが、シフは取引を打診するよう指示。ストーンは、イリーナがヌニエズに不利な証言をすれば罪状を落としロシアに送還もしないという取引を切り出すが、イリーナはヌニエズを裏切ることを拒む。最終的にヌニエズは第1級故殺罪で最長の刑に伏し、イリーナは従犯として3~9年の収監、送還しないことで決着がつく。
ロシアや東欧から人身売買同然に連れて来られた若い花嫁。「メールオーダー・ワイフ」はCSIシリーズなどにも出てきたけど、この時代からもうあったのか。結婚と不倫の三角関係がこじれての殺人は、殺した後に愛人同士が責任をなすりあって泥沼に――という方向へ流れることが多い気がする。検事もそこを狙って分断工作を仕掛けるが、イリーナさんは純粋だった。
劇中で言及された People v. Lawson 事件は、資料が見つけられなかったので確認できないが、何だかいかにもありそう……目撃者が日本人で、ヒスパニック系の人を見分けられなかったというが、いやーこれは見分けがつかなくてもしょうがないでしょ。今回の目撃者はNYっ子だから話が別だけど。
本筋とは関係ないけど、刑事さん2人が聞き込みをしている場面。ローガンが座り込んで靴紐を結び直した後、ブリスコーがひょいっと手を差し伸べて立たせてあげる場面が良かった~。何だかすごく自然な感じで、この2人も良いコンビになったよね、と微笑ましかったわ。
ところで、今回の監督は前シーズンまでクレイゲン警部役でレギュラーだった(現在はスピンオフのSVUに異動)俳優のダン・フロレク。L&Oでは全部で3話の監督を担当している。
— Yoko (yoko221b) 2009-01-06