油田労働者のフレディ・ラミレスの遺体が海で発見される。事故死かと思われたが、撲殺された後に海に投げ込まれたとわかる。フレディは石油の掘削基地で働いており、2週間泊り込みで働いた後、3週間は陸地で休むという勤務形態。フレディが作業に入ったという記録はあったが、よくよく確認してみると、受付係が席をはずした隙に誰かが登録しただけで、実際にはフレディの姿は誰も見ていなかったとわかる。フレディは宿泊しているモーテルで殺されて海に捨てられ、犯人が偽装したものと思われた。
モーテルの部屋から、掘削現場の検査証明書が発見される。その基地では以前に安全弁に問題があるという内部告発がなされていたが、告発した作業員はすでに辞めていた。話を聞くと、フレディは直属の上司であるヴァレリー・ロバーツから散々いびられていたという。男性ばかりの職場でヴァレリーがプレッシャーを感じ、また告発で地位が危うくなることを恐れて殺害したという疑いが生じる。
ヴァレリーの部屋へ行くと、そこには別の男性作業員がおり「急なシフト変更があった」という。話の中でヴァレリーが床にフレディの血の跡を残して行ったことがわかり、刑事たちはヴァレリーを逮捕する。
TV出演が多く有名な弁護士のサラ・グッドウィンが弁護につき、まず「令状がなかったから」と、血痕の排除を要求。担当検事のデッカーは「ルームメイトの同意を得ていた」と反論するが、急なシフトで部屋を替わっただけで、ルームメイトとは言えない。判事は血痕を排除。
その後、ヴァレリーの恋人ザックが「部下が酔って頭を打って死んだ」とだまされて遺体の遺棄を手伝っていたことがわかる。だが弁護側は、有効な証拠がないことを理由にザックが「共犯者として」証言することに異議を申し立てる。デッカーはそれに対抗して、ザックを起訴しないと明言。共犯者として起訴しない以上、証言を妨げることはできない。すると弁護人はその場で積極的抗弁を申し立て、レイプから身を守るための犯行だったと主張する。
公判が始まり、弁護側はヴァレリーが日頃から職場でセクハラの被害にあっており、たびたび身の危険を感じていたと主張し、フレディが実はメキシコ人だったと言い出す。フレディは身元を偽っており、実は子どもの頃に母親とともにメキシコから渡った不法移民だというのだ。デッカーは「陪審員に偏見を与える」として審理無効を要求するが、判事はそれを却下。
フレディの母親と連絡を取ろうとしたデッカーは、彼女が家政婦として働く家の娘がフレディとひそかに交際していたことを知る。その娘、ステファニーは「レイプ未遂なんてあり得ない」と言い、ヴァレリーを激しく非難する。フレディはいつもヴァレリーに苛められ、職場以外でもこき使われ、何度も電話が来るので、事件の直前にフレディは電話を替えていたという。
フレディの以前の電話には、「私の車を洗って」「車庫を修理して」「断ったら、ママと一緒にメキシコへ送り返してやる」などのメッセージが残されていた。法廷でそれを突きつけられたヴァレリーは「それはジョークです」などと言うが、デッカーはさらに「私を悦ばせなさい」などのメッセージを見せ「セクハラをしていたのは貴女の方だ。そしてフレディが自分になびかないと知って殺したのでしょう」と言う。
ヴァレリーは第1級謀殺で有罪の評決を受ける。
テレ東は相変わらず、下世話なタイトルをつけるよなぁ……と思っていたら、本当に内容そのままだったでござる。あんなメールを出しておいてレイプ未遂で正当防衛なんてよく言えたなぁと、ある意味感心するわ。それぐらいの度胸というか図々しさがないとやっていけない職場なのかもしれない。メールの文面を突きつけられて「あれはジョークです」と言い逃れする姿が、それまで弁護側が糾弾していた男たちとまるっきり同じで、本当にもう見ていて不愉快でしょうがなかった。「私は被害者よ」という主張をあそこまで押し出さず「男たちのノリにつられて、つい軽率なことをやってしまった。今は反省している」とか言っておけばまだ何とかなったのかもしれないが……メールの送信内容がバレるとは思っていなかったんだろうか。やり手の弁護人が異議ありの一言も言わなかったということは、彼女も知らなかったのだろう。
今回登場の弁護士、サラはデッカーとロースクールで同期だったようだ。登場は今回だけだが、何となく「また別の事件で出て来そう」な予感を漂わせての登場。シーズン2があれば再登場もあったかも。
後半の不愉快さが強く印象に残ってしまったが、前半の方は良かったんじゃないかな……というか、海上の石油掘削基地という現場が珍しかっただけかもしれないが、でも、この基地の方をもうちょっとよく見せてほしかった。
で、この「ホンド油田」が正確にどこにあるかはよくわからなかったので、地図は省略。作中で事故がどうのと言われていたのは、この年の4月にメキシコ湾で起きた原油流出事故のことだろう。
— Yoko (yoko221b) 2013-11-17