「エンジンをかけたまま放置されている車がある」という通報を受けて警官が民家へ向かい、そこにいた2人の男と銃撃戦になり、2人とも射殺。バスタブにはその家の主人、ニック・リベガルの遺体。2人組はリベガルを誘拐しようと侵入したものの、そこでリベガルが心臓発作を起こして死亡したため、遺体を生石灰で処理しようとしたものと思われる。リベガルはロシアからの移住者で、母国には石油ビジネスで裕福な暮らしをしている弟がいるらしい。
死亡した2人はロシアから入国したばかり。他に共犯者がいた形跡が見つかり、国土安全保障省の協力を得て、ロシアからの入国者を調査。書類から潜伏先がわかり、領収書から被害者を監禁しておくはずだった小屋を突き止める。そこには誰もいなかったが、裏には深い穴が掘られており、身代金を得た後すぐに人質を殺害して埋めようとしていたことがわかる。さらに付近で聞き込みをしてみたところ、どうやら別の誰か、おそらく女性をを誘拐して監禁しているらしいとわかる。
ロシア人が大勢集まってチェスをしているプラマーパークへ行って話を聞いてみると、「チェスは下手だが女を物色していた」男がいることがわかる。その女性、アンナ・アクロイドの家へ行くと、アンナの姿はなかったが、夫のデニスは警察の介入を拒む。警察はアクロイド家の電話とネット回線を盗聴して様子をさぐり、娘のミラがアンナの叔父と外出したところを狙って、無断欠席でミラを補導する。
ミラを説得して話を聞いてみると、アンナはやはり誘拐されていた。ミラの協力で犯人から送られてきた写真を分析したところ、着衣の特徴からそれを仕立てた店がわかる。警察は店主に協力させて潜伏先を突き止め、隠れ家に突入して犯人を逮捕、アンナは無事に保護される。
アンナは病院に収容され、「何も覚えていない」と繰り返す。その後、弁護士とともに担当検事デッカーをたずねて、誘拐は狂言だったと言い出す。アンナには母国に裕福な叔父がいるが、経済援助を頼んでも何もしてくれない。ミラの学費を得るために誘拐劇を仕組んだのだという。デッカーは、夫妻は何かに怯えて嘘を言っていると判断するが、証言がなければ立件は難しい。アクロイド家に押し入った形跡はあるが、それでは不十分なのだ。
アクロイド家の中を徹底的に調べた結果、意外な事実がわかる。叔父の部屋にあった指紋が、10年前にスパイの家で採取した身元不明の指紋と一致したのだ。さらに夫妻の身元を詳しく調査してみると、デニス・アクロイドはすでに死亡しており、2人の経歴はすべて架空のものだったとわかる。夫妻はロシアのスパイ、アンナの自称叔父はスパイの元締めで、犯人はそれを知らずに誘拐してしまったと思われる。夫妻は自分たちの正体を知られたくないために警察の協力を拒み、狂言を主張したのだ。
夫妻は逮捕され、もはや隠し事をする必要もなくなったため、アンナは協力を了承するが、ロシアに拘束されているアメリカ人と身柄を交換することになり、猶予は1週間しかない。公判には間に合わないが、デッカーの主張が聞き入れられ、アンナは送還前に証言することになる。
だが弁護人は同時にミラを証人として召喚。ミラは両親が誘拐犯の一味であり、リベガルの事件に関わっていると証言する。ミラは自分までロシアに送還されることを嫌がり、両親が殺人犯ならこの国で収監されると思って偽証したのだ。だが夫妻の送還はもう変えられない。ミラは偽証を認め、アンナの証言は証拠として採用される。夫妻はミラの親権を手放してロシアへ帰国、ミラはアメリカに残り、誘拐犯は取引に応じアメリカで収監されることになった。
本国での初回放映は5月だが、当初の放送予定は2月8日だったようだ。12月と1月に放送を休み(この時期はホリデイシーズンでもあり、放送休止は別に珍しいことではない)、休み明けのトップを飾る位置。内容もそれにふさわしく、冒頭いきなりの銃撃戦、ロシアギャングにスパイという派手さ。しかし放送再開が延期された影響で、旧キャストによるこのエピソードは、キャンセルが決まりオフシーズンになった時期に「閉店セール」っぽく放出。惜しい。ベストではないけれど、もっと大切にして良い出来のエピソードだと思う。
前半は適度にアクションがあってテンポが速いし、後半でも次々に新しい事実が出てきて飽きさせなかった。「ミラは私たちにとって唯一の真実だったのに」というアンナさんは、本当に気の毒に思った。スパイとはいっても下級諜報員で、軍事機密などとは無縁のようだ(教師と司書では近づける人間も限られるだろう)。テレ東のタイトルは例によってあおりすぎだが。
この後2人はどうなるのだろう。ロシアに送還されて本来の身元に戻るのか、あるいはまた別人に扮して違う国に送り込まれるのか? でももうこの2人のようなスパイが必要な時代ではないのかもしれないが。でもデニス役の人はいろんなドラマで見る顔なので、スパイとか言われてもピンとこないな~。
それにしても冒頭の2人は誘拐しに来たのに、なぜ生石灰など持っていたのか。死因が心臓発作なら、さっさと逃亡していれば自然死ということで問題にもならなかったのではないか。見張っていたボスも、1時間も放っておくかなぁ。そこが少し、ストーリーとして弱いといえば弱いかも。
今回タイトルの「プラマーパーク」は、集まってチェスをしているロシア人に聞き込みをした公園。この聞き込みでアンナの誘拐がわかったので重要といえば重要だが、タイトルにするほどでもないような。
— Yoko (yoko221b) 2013-11-30