娘の誕生パーティを開いていたアルカザール家に覆面の男4名が乱入し、小銃を乱射。アサルトライフルで100発以上発砲し、その家の主人であるアルカザール氏を含め9名が死亡する。アルカザールは土地開発業者で、ズマキャニオンの土地を開発しようとしていたことがわかる。刑事たちは現地へ向かい、そこで広大なマリファナ畑を発見。テントを張って見張っていたのはわずか11歳の少年だった。アルカザールはマリファナを発見し、口封じのために殺害されたものと思われた。
少年はフェルナンド・ラミレスといい、メキシコから連れて来られていた。「ヘビの足」と呼ばれる男が畑を管理していたとわかるが、少年は虐待されて怯えており、詳しく話そうとしなかった。
畑のある土地の所有者を調べると、セザールという男に「アボカド畑として」貸しているというが詳細は不明。刑事たちは所有権調査の履歴からレイ・モタという男にたどり着く。モタの自宅へ行くと、庭で数名がバーベキュー中。ウィンターズは、その中の一人がヘビ革の靴をはいていることに気づき、その男がセザールだと確信する。だがフェルナンドは写真を見せられても「知らない」と繰り返すのみ。自分がしゃべれば、メキシコにいる家族に危険が及ぶためだ。
その夜、ウィンターズの家が銃撃され、ウィンターズは被弾して死亡、その直後、留守電に脅しのようなメッセージが入る。TJとゴンザレスがモタの恋人のヨランダをだまして話を聞きだしたところ、彼らがフェルナンドの居場所を知っているらしいとわかる。フェルナンドは偽名で収容所に入れていたため、話をしたメキシコ領時間から漏れたとしか考えられない。
怒り心頭で領事館へ乗り込んだモラレスは、セザールが領事館に保護されていることを知る。ハーディンはメキシコ司法省にいる知人と話をつけ、カリフォルニアで服役中のメキシコ人3名と交換で、セザールの身柄を確保。10名の殺害容疑で起訴される。
物的証拠がないため、立件にはフェルナンドの証言が不可欠。モラレスはメキシコにいる家族を呼び寄せて証人保護を受けさせようとする。そのためにはラミレス一家を政治亡命させる必要があるが、国務省は却下。モラレスは裁判所に訴え、亡命を認めさせる。フェルナンドは証言し、その後別の場所で保護を受けることになる。
だが予審の日、フェルナンドは出廷する直前に、法廷通訳を装った女に殺されてしまう。証人がいない以上、なすすべもなくセザールは釈放。モラレスは「公民権侵害で連邦裁に起訴すれば」と食い下がるが、ハーディンは「私に恥をかかせる気か」と怒鳴りつけ却下。モラレスは「犯人逮捕より見栄を大切にするあなたには幻滅した」と言って検察を去り、古巣である市警察に刑事として戻っていく。
ウィンターズ…… orz
ようやくキャラが定着し、「エルセリーノ」では警部補との強い信頼関係も感じられたのに、ここで退場だなんて残念すぎる。しかも終わってみればその死があまり印象に残らないという扱いの軽さ。エピソードの重点はほとんど後半の西郷さんに持って行かれてしまった。最後にお葬式があるかと思ったけどそれもなかったし。どうせなら前後編で前編はウィンターズ主役にするとか、あるいはフェルナンドを庇って撃たれるとか、とにかくもっと「重み」がほしかったと思う。ウィンターズが殉職する、というのは放送前からのスポイラーやNBCのプロモでわかりきっていたことで、殉職自体に衝撃はないのだから、もっと演出が必要だろう。
しかしその反面、西郷さんことアルフレッド・モリーナの存在感はすごいものがあった。確かに、次回以降もう出て来ないウィンターズよりも、次から前半部の中心になって活躍するモラレスの方を推したいのは当然かもしれないが……。
ウィンターズの非業の死、モラレスの苦悩と葛藤、フェルナンドの健気さ、メキシコギャングの恐ろしさなど、個々のパーツは良くできていたが、エピソード全体としてみると、正直に言ってやはりイマイチ感が否めない。
タイトルのズマキャニオンはマリブの北にズマ/トランカス・キャニオンズという渓谷、その南にズマキャニオン・トレイルヘッドという道があるので、その周辺だろうと思う。
— Yoko (yoko221b) 2013-12-29