人気スタイリストのリリー・ウォーカーが車内で射殺される。車に付着していた手形は、保護観察中のハリー・ライスの物だった。刑事たちはハリーの住所へ向かうが、ハリーは「もう刑務所へは戻らない」と言い、拳銃で自殺。調べてみると、何者かが指紋採取用の粉でハリーの手形を取っていたことがわかる。真犯人がハリーを犯人に仕立てるために偽の証拠を仕込んだのだ。
リリーの周辺を調べたところ、デザイナーのジルとの仲が険悪になったことがわかる。モラレスは「お抱え運転手が何か見ているかも」と思いつき、リムジンサービスの会社を訪ねる。ジルがいつも指名する運転手はテリー・ブリッグスといい、元警官でモラレスとも知り合いだった。そしてハリーはブリッグスが使っていた情報提供者。
追及されたブリッグスは、ジルに頼まれてリリーを殺害したことを認める。リリーの夫がジルを口説いて浮気し、それをリリーが知るとジルに責任を押し付けたというのだ。リリーは夫を許して離婚を思いとどまり、ジルだけがリリーに追放される羽目になった。
ブリッグスはマイクを身に着けてジルを呼び出し、「君が殺せと頼んだだろう」と言うが、ジルは「何の話よ」と何も認めないまま逮捕される。弁護人は、モラレスとブリッグスが旧知の仲で、逮捕前に2人で酒を飲んでいたことを理由に「共謀して冤罪を仕組んだ」と主張。公訴は棄却されてしまう。
その後、ジルがリリーの母親をジュエリーの内覧会に招待し、リリーを一人にするようお膳立てしていたことがわかり、ジルは再び逮捕。弁護側は、母親が昔薬物におぼれて娘を虐待したことを持ち出して証言の信頼性を崩そうとする。
ブリッグスは証言台に立ち主尋問を終えるが、弁護側からの反対尋問の前に、獄中でメキシコ系ギャングと争って殺されてしまう。弁護側は、直接的対質ができないことを理由に審理無効を要求。
デッカーは、リリーの母親が娘を虐待したことをジルの弁護人がなぜ知っていたのか不審に思う。それはリリーの夫すら知らないことで、リリーが話したとは考えられない。そこでジルの生い立ちを調べてみると、ジルは里子で本名はグウェン・コールターだとわかる――彼女はリリーの姉だったのだ。
2人の母親は薬物におぼれて親権を失い、姉妹は里親に引き取られた。その後、母親は立ち直ったが、娘を2人とも引き取る余裕はなく、ジルは里親の家に留まった。妹だけが引き取られ、見捨てられたと感じたジルは精神的に不安定になり、17歳で家出してしまった。成人してもなお彼女は妹を憎み、夫と浮気して家庭を壊そうとしたものの、結局別れなかったため、ブリッグスに頼んでリリーを殺すことにしたのだった。
ジルは罪を認め、15年から終身の刑を受け入れる。
またしてもモラレスの不用意な行動で証拠排除。元検事なのになぜこうも脇が甘いのだろう。前回も鑑定書の件でやり合っていたし、こう毎回だと、モラレスって検事としてどうだったんだろう? と思わなくもない。
とはいえ、ストーリーとしては悪くなかった、かな。LAらしい華やかなスタイリストの世界、犯人の動機は実は……という展開は少々ソーピーだが、これはこれで面白かったし、クロエ・カーダシアンが本人役で登場する場面も、自然な感じでさらりと描かれていたと思う。ママがジルの正体にずっと気づかなかったのに、名前を聞いたらすぐわかるという所だけは、もうちょっと詳しく書き込んでほしかったかな。だってそれまで、家族同然で親しくしていたはずなのだから。
それにしても、別々に育ったのに姉はデザイナー、妹はスタイリストという似たような道に進むとは、才能に恵まれた姉妹だったのだな。
タイトルの「ベネディクトキャニオン」はセントラルの北西部、ヴァンナイズの南に位置する所のようだが、ここは被害者の住んでいた場所だっけ?
— Yoko (yoko221b) 2014-01-05