McCallum - Series 1
ブラジル出身で不法滞在していた売春婦、マリソル・バルガスの遺体が自宅で発見される。皮膚に熱傷があったため事件性が疑われたが、熱傷ではなく細菌による感染症と判断される。だが検死の段階で、肋骨が折れていることと、腕に注射痕があることが判る。何者かが蘇生を試み(その時に肋骨を折り)、その後に薬物を注射して殺害した可能性があった。
改めて殺人事件として捜査が開始される。マリソルの身体で発見された細菌の種類がわからないため、国立微生物研究所にサンプルが送られる。部屋に残された聴診器から、マリソルの客に医者がおり、その人物から菌を移された可能性が浮上する。一方、ジョアナはブラジル人移民が多く働いているという工場へ取材に行き、そこで大勢の病人と死者を発見する。
ジョアナの通報で警察が駆けつけ、マッカラムも現場へ到着。そこはマリソルの自宅からも近かった。スモール巡査のもとへは「マリソルの医師はドクター・ナイト」だという通報が入る。マッカラムは、保険を持たず医療を受けられないはずの被害者が大量の抗生物質を投与されていたことに気づく。誰かが違法治療を行って処方箋を書いている。
マリソルが感染していた菌は国立研究所でもわからず、タイプ不明。新型だったため抗生物質が効かなかったのだ。謎の医者が保菌者であり、マリソルを口封じに殺害した可能性がある。
帰宅したマッカラムはカウチで倒れているジョアナを発見、虫垂破裂と判断して病院に担ぎ込む。
マリソルのバッグには何種類もの抗生物質の粉末が付着していた。容器があればラベルからルートを辿ることができたはずだが、見つかったのは中身だけ。また、工場で発見された子どもの供述から、「ドクター・ナイト」は名前ではなく「夜(ナイト)来る医者」であるらしいとわかる。その子どもは後姿しか見ていないため、背格好と髪の色ぐらいしかわからない。
ジョアナの血液が移民と同じ細菌に感染していたことがわかり、病院内の職員全員が血液検査を受ける。サンプルは専門のラボに運ばれたが、その夜ラボに強盗が入り検査が妨害される。実は強盗は偽装で、何者かが職員を殺害してサンプルのラベルを貼り替えていたのだった。当初、ラボの強盗は薬物目当と思われていたが、マッカラムは犯人の本当の狙いに気づく――つまり、ドクター・ナイトは聖パトリック病院に勤務している。検査サンプルと勤務医のリストをつき合せると、アイダン・ペティト医師の名が浮かび上がる。
ブラッケンはペティトを犯人と睨んで逮捕に向かうが、ジョアナの容態が急変したためペティトの処置を待つ。マッカラムは、本物のナイトがサンプルを入れ替えたことに気づき、ナイトの正体を絞り込む。男性で白人、薬の知識はあるが、治療のまずさから医者ではない――「ドクター・ナイト」の正体は、製薬会社のジョージ・フォーブスだった。
スモールはフォーブスの車を発見。トランクには血のついた毛布と、エヴァのリボンがあった。ブラッケンとスモールは、スターリング夫人を毒殺しようとしたフォーブスを逮捕する。
ジョアナはどの薬も効かず絶望的と思われたが、ファジーは辛抱強く薬を探し続け、ようやく可能性のある抗生物質を見つけ出す。無認可だったためペティトは使用を拒否するが、マッカラムは独断で投与。ジョアナは一命をとりとめる。