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Chapter Ten


概要

People v. Rickey Latrell (7)

ワイリーらは、リーの下で働いていたラリー・シルベストリに事情を聞く。ラリーはリーが横領していた証拠を持っているという。それは、リッキー有罪に対して「合理的な疑い」を形成できる可能性があるが、リーの評判はめちゃくちゃになってしまうと、ワイラーは難色を示す。

ラリーからの情報に基づいて調査をしていることを知り、リーが怒って乗り込んでくる。リーは「ラリーをクビにしたのはコカイン売買をしていたからだ! 私よりあんな奴を信用するのか」と息巻くが、ワイリーは「今は我々に仕事をさせてほしい」と言い、リッキーは「エージェントを変えようかな」と言い出す。

法廷では、バーでリッキーと揉めたことのある白人男性が証言。反対尋問にはアーロンが立ち、1974年にボストンで行われたバス・ボイコット運動を持ち出し、証人の母親が黒人生徒の人権運動に反対していたことを言い出す。証人はまんまと挑発に乗り、アーロンを脅すようなことを言ってしまう。

次の証人デボラ・カミングスは、リッキーのかつてのマイアミ妻。デボラには他にも交際相手がおり、リッキーがそれを突き止めて暴行したという。弁護側はデボラの現恋人が詐欺罪で起訴されており、デボラが証言に同意した後に罪状を落とされていることを指摘。その詐欺事件の担当は、検察側のセカンドチェア、ペイジ・ワイコフだった。

リッキーのエージェントがリーからヒックスに代わる。ヒックスは、リッキーをもっとメディアに露出させようと言う。ワイラーは、ヒックスがラリーを買収したのではないかと疑う。

次の証人はスポーツ賭博のノミ屋。リッキーがフットボール賭博にはまって大きな借金を作ったこと、リッキーが借金を帳消しにするためにバスケの点数を工作しようと持ちかけたことを証言する。バスケの賭けは通常ポイント・スプレッド方式なので、勝ち負けよりも「何点の差をつけたか」が重要であり、リッキーはその点数の調整をすることができた。ノミ屋はリッキーとの会話をひそかに録音し、そのテープをネタにサンディ・フォータスから大金を得ていた。フォータスは、リッキーの選手生命を絶ち刑務所に入れることのできる証拠を持っていたことになる。クリスは、八百長をしたと言われるゲームでも平均に近い得点数だったことを指摘。

公判の途中、陪審員のひとりが裁判の「記念品」を売ろうとしていたことが判明。ワイコフ検事は、記念品コレクターのジョエルが陪審員のオトウェルに「商談」を持ちかけている会話の録音テープを提出する。判事はオトウェルを解任し、代替要員と交代させる。

カーラと同時期にチームのチアリーダーだった女性は、チアリーダー時代にカーラがサンディと関係したことを証言する。クリスらは、それを前もって知らされていなかったことで2人に注意する。

翌日カーラは「サンディとのことはリッキーと交際する前のことで、現在そのことで夫婦間に問題はない」と証言する。検事は、事件の前日にリッキーの家でDVがあったという通報記録を提出。

クリスとアーロンは、陪審を納得させるためにはリッキー自身が証言することが不可欠であると判断。元検事のワイラーが反対尋問の練習を行うが、ワイラーに挑発されたリッキーは「俺が殺した」と認めてしまう。カーラはサンディに会いに行き、八百長に同意したテープを持ち帰った。そのテープの代償は、サンディと寝ることだったという。


感想

証言の練習中にリッキーが爆弾発言。本当にやっちゃってたのかリッキー!

確かに状況的にはひじょうに疑わしい――時間的にみて生前の被害者と最後に会ったのはリッキーだし、凶器の拳銃はリッキーの物で、銃が捨てられた場所はリッキーが利用した空港の近くで、動機も十分。ニール・アヴァドンやシャロン・ルーニーも同じくらい怪しい状況だったと言えばそうだが、同じ構造の冤罪ネタを3度も繰り返すのはちょっとドラマ的に無理がある……となると、このへんで本当に有罪だった被告人がでてきてちょうど良い頃合かもしれない。

問題は、この後どうするかだ。

何人も刑事事件で自分に不利な供述を強制されない、というのは憲法(第5修正条項)で保証された権利(特権?)だ。だがその権利を放棄して自ら証言するのであれば、検察側から反対尋問を受けなければならないし、嘘を言えば偽証になってしまう。どうするんだ?

それはそうと、グラッソ検事もビッジオ刑事も今回の事件は担当外なので登場しないのに、オープニングクレジットには入っているのね。これは契約の都合?

スポーツ賭博のポイント・スプレッド方式については、CSIシーズン5の「潰された誇り」に書いたのでここでは省略。

Yoko (yoko221b) 2009-06-18