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Spiral (Engrenages)

Episode #1.1


事件概要

エリナ・アンドレスク

身元不明の若い女性の遺体が発見される。顔はめちゃめちゃに潰されて布で覆われ、その布と指輪以外は何も身に着けていなかった。骨折の治療跡から東欧出身らしいとわかる。警部のロール・ベルトは、現場で新任検事ピエール・クレマンに出会う。

行方不明者リストと照らし合わせても、なかなか該当者が見つからない。ロールは、身体特徴こそ違うものの出身地が該当するソフィア・アンドレスクに注目する。ソフィアはルーマニア出身で、姉のエリナがパリに留学中。ロールとジルはエリナのアパートを訪ね、被害者はエリナの方ではないかと思いつく。

直後、エリナの部屋が荒らされパソコンが盗まれる。被害者の身元は指紋等からエリナと確認される。エリナは博士課程を終え就職が決まったばかりだったが、学生らしくない贅沢な暮らしをしており、何か裏の仕事があった様子。

「エリナを乗せたことがある」というタクシーの運転手が現れ、彼女が車内に忘れた手帳を持って来る。予審判事のロバンは、手帳の中に著名人の名前がいくつも書かれているのを見て驚く。

その後、エリナがタクシーを呼んだ電話番号と乗った場所がわかるが、それはクレマンの親友ブノワ・フェイの住所だった――。

プリシラ・ベルネ

クレマン検事は「幼稚園の先生が魔女の格好をして娘のプリシラを殴った」という訴えを受ける。検事は両親の話を鵜呑みにはしないまでも、警察に捜査を指示し、自分でも教師から事情を聞く。その教師は以前にも親に追い詰められて心療内科に入院した経歴があった。

フロマンタンが捜査した結果、プリシラに暴力を振るっているのは異父姉のジェニーであると判明。両親は娘たちの不仲を認めず、教師に責任を押し付け、他の父兄たちの署名を偽造して嘆願書をでっち上げたのだった。だがソヴァネは精神に変調をきたし、施設に収容されてしまう。

???事件

詳細不明。「被害者を殴って縛り上げカッターで切りつけた」罪で男女2名が起訴される。主任弁護人は法廷で心臓発作を起こして急逝するが、若手弁護士のジョセフィーヌ・カールソンが後を引き継いで見事に勝利を収める。

カールソンはその後、モンテイユ弁護士から接触を受け、弟のヴァンサン・ルロワに協力してほしいと依頼を受ける。ルロワは元弁護士で、数年前にレイプを訴えられ有罪になったために弁護士資格を剥奪されていた。ルロワはカールソンを表に立てることで法律の仕事を続けたいと思っていた。


感想

冒頭、画面が暗いなぁと思っていたら、いきなりグロ! 犬も何だか怖い!

犯罪捜査から刑事裁判までを扱うドラマだから――ってことだと思うが、主要なキャストも警察・検察・裁判所・弁護士から1人ずつ。フランスの司法制度は職権主義なので、捜査段階から裁判所が事件を主導する。

警察からは女性警部のロール・ベルト。サバサバした印象で仕事もできそう。ジルとフロマンタンという2人の部下がいるが、ありがちな「女の下で働けるか」的な態度は見せていない。ジルは売春婦と親しくしてコカインをもらったり、そのせいで張り込みに失敗したりと、ちょっと危なっかしい感じ。

検事のクレマンはいかにもエリートといった感じだが、親友のブノワがエリナ事件に関与している可能性が示される。しかもクレマンは、「顧客のために借りた部屋が余っているから」とブノワから無料で(高級そうな)住居を提供されている。これは、あとあと問題になるのでは……。

予審判事のロバンは、猛禽のような独特の風貌が印象的――ちょっと恐そうなんだけど。弁護士カールソンは、エリナ事件にはまだ関わってこないが、やり手で野心的なタイプかな?

話の展開は「主軸になるエリナの事件+他の小規模な事件」という構成だが、今回の小事件は学校での暴力沙汰(実は冤罪)。親の身勝手な強引さに呆れてしまうが、こういう事件も殺人事件も同じ刑事が担当するのが意外だった。アメリカのドラマだと「殺人課」だもんね……。学校の事件は子どもが被害者だからSVUの担当になるのかな?

Yoko (yoko221b) 2009-08-16