Without a Trace - Season 1
報道番組「クライムストップ」の女性キャスター、デリア・リバーズが失踪。デリアは失踪する前、ジャック・マローンのオフィスの電話に「裏づけを取りたいことがある」とメッセージを残していた。
デリアは、ある殺人事件を調べており、番組でフレディ・カターンを黒幕と名指しする匿名の密告ビデオを放送していた。カターンは、表向きはナイトクラブの経営者だが、実際は麻薬販売の元締めと見られている。失踪はその番組の放映直後だったため、フレディ・カターンの差し金とも思われたが、もうひとつ別の事件も追っており「これが世に出るとNY州の死刑制度が撤廃されるかも」と話していたという。
カターン事件でのデリアの情報源は、フレディの元パートナーのディエゴ・モンデシーと見られていたが、ディエゴ・モンデシーは射殺され、車のトランクに入れられているところを発見される。口には丸めたビデオテープが入れられ、座席の下には携帯電話。それがデリアにかけられた最後の電話の発信元と思われた。
一方、別の事件ではデリアが民間の研究所にジャケットを持ち込み、血液と硝煙反応の鑑定を依頼していたことがわかる。だが、結果はどちらも反応なし。デリアの自宅にあった取材メモの暗号をマーティンが悪戦苦闘して解読した結果、証拠品保管室に勤務する警官がデリアに協力していたことがわかる。その警官は、弁護士の巧妙な戦術で罪を逃れる悪人が多いことに業を煮やし、デリアに情報を渡していたのだった。
そのジャケットは、州検事ウィルキンスの妻が殺害された事件の証拠品だった。ウィルキンスはデリアの協力を得てカターンの麻薬取引事件を担当した検事でもある。また、同時にマローンの妻と娘がカターンの部下らしき男から威嚇するようなことを言われたことがわかり、マローンは「ウィルキンスも脅されたのではないか」と思いつく。
ウィルキンス検事はカターンに脅されて妻を殺され、「娘も殺す」と脅されて仕方なく、たまたま近くにいた黒人青年ウィンストンに罪を着せてしまったのだ。その時に着ていたジャケットに血液も硝煙反応も残っていないことは彼の無実を証明するはずだったが、その証拠は隠蔽され、弁護人すら知らないままだった。
声紋から、デリアの情報源はモンデシーではなく弁護士のサマーズと判明。マローンらはデリアのメッセージや放送テープをつぎはぎして「デリアからのメッセージ」を作成し、カターンに聞かせる。その直前、彼らはカターンのクラブを捜査するふりをしてマイクを仕掛けていたのだった。カターンとサマーズは「あの女はディエゴが殺したはずだ」「ディエゴを殺す前にもう一押し確認すれば良かった」などと言い合う。その会話はマローンらに筒抜けになっており、カターンとサマーズはその場で逮捕される。
ウィルキンスは辞職、ウィンストンは釈放されることになったが、結局デリアは見つからない。死亡していることは確実と思われた――。
デリア・リバーズは、7話「暴走する母性」でレポーターとして初登場。そして今回は失踪者として、2度目の(そして最後の)登場。デリアが殺害されたことはおそらく確実なのだろうが、実行犯のディエゴも殺されているので詳細はわからない。未解決のまま終わるというのは、今回が初めてではないだろうか(この後のシーズンに後日談があるかどうかは確認していない)。モンタージュっぽい終わり方も珍しいな。
失踪事件としては単純なものかな。2つの可能性が提示されたものの、調べてみればどちらもカターンがらみ。タイミングからして「犯人ですって言ってるようなものじゃない?」とサマンサは懐疑的だったが、結局のところカターンは「犯人です」と堂々と公言できるような人物なのであろう。ディエゴの遺体の隠し方も適当だったし。
マローンの妻子が初めて登場し、サマンサとの間にはやはり何かがある(あった)らしいことが示されていた。そのサマンサはNY市警にいる元カレがいて、以前のエピではマーティンにも誘われたりしていたし、何だかややこしい。その脇で、マローンの娘を抱っこしたりなんかしているダニーの爽やかさ(というか色気のなさ)が微笑ましい。
ウィルキンスの役職は、吹替えでは「検事補」となっていたが、ここでは「検事」としておく。Assistant District Attorney は、日本の検事に相当すると思うので。その上にいる District Attorney(地方検事)は、日本でいうと検事正(地検の長)に近いんじゃないかな。
— Yoko (yoko221b) 2008-04-04