Without a Trace - Season 2, Episode 1
13名の中学~高校生を乗せたスクールバスが行方を絶った。FBIの失踪者捜索班が捜査を担当するが、警察や消防とも連携して道路に検問を設けヘリを出動させる他、国防総省に監視衛星の使用許可も申請し、全力で捜索活動にあたる。
父兄たちは学校に集まる。そのうちのひとりの携帯電話に、娘のトリッシュからの動画メッセージが送られてくる。音声ははっきりしなかったが、どうやらバスを降ろされ、トレーラーに監禁されているらしいことがわかる。
失踪から5時間後、校長のもとに「バスの場所を知っている」という匿名の電話がかかる。その場所に急行すると、バスの中にはジョニー・アトキンスという生徒ひとりだけが拘束されていた。ジョニーは「現金で500万ドルを用意して、明日の朝10時にモンロー公園の噴水の近くへ届けろと言われた。犯人はダグ・キャロルとリチャード・キャロルだった」と言う。ダグとリチャードの兄弟は同じ学校の生徒で、今までもたびたび問題を起こしたことがあった。匿名の通報電話は、学校の中にある公衆電話からかけられていた。
トリッシュの動画メッセージの画像をクリアにすると、犯人らしい男の顔が復元できた。だがそれは、ダグでもリチャードでもない、大人の顔だった。
翌朝、保護者のふりをしたジャック・マローンが500万ドルを持って公園へ向かう。付近ではダニーが掃除係に扮し、ヴィヴィアンがヨガをしながら周囲を見張る。
その頃、ダグとリチャードの父、ボブ・キャロルを見張っていたサマンサとマーティンは、ボブがどこかへ出かけるのを見て尾行する。ボブはアーモンク公園へ行き、怪しい男2人と接触。「金を渡せ」「子どもたちを返せ、せめて1人だけでもいいから」などと言い合いになる。男が銃を抜いて脅すのを見て、サマンサは銃を抜き警告、やむなく2人を射殺する。
ボブ・キャロルは事件の日の午後に電話で犯人から「500万ドルはただのかく乱だ。100万ドル用意しろ」と言われていた。
死亡した犯人のひとり、ネッド・ライリーの住所を調べると、以前にジョニー・アトキンスの家に間借りしていたことがわかる。ジョニーは当然ネッドの顔を知っていたはず。問い質してみると、ジョニーはネッドの犯行を認めた。ダグとリチャードは犯人ではなく被害者であり、ジョニーはネッドから「他の犯人をでっち上げろ」と言われ、いつも自分をいじめている2人を犯人にしたのだった。ジョニーは、子どもたちのいる場所を「知らない」と言い張るが、マローンはジョニーが嘘を言っていることを確信し、ジョニーの母、アトキンス夫人に「ジョニーを説得して欲しい」と頼む。
アトキンス夫人がジョニーと2人だけで言葉を交わした後、トレーラーの場所がわかり、子どもたちは全員救出される。だがその場所は、ジョニーではなくアトキンス夫人から伝えられた場所であった。部屋に設置された高感度マイクで録音された内容から、事件はアトキンス夫人がネッドたちと共謀して仕組んだものだったことがわかる――。
娘たちを学校に送り届けたところで「スクールバスが行方不明」の報を聞くジャック。このような事件を知らされるのに、これほどイヤな状況もないだろう。そしてシーズン1のフィナーレで負傷したサマンサがようやく現場に復帰。復帰したと思ったら、今度は自分が発砲して被疑者を射殺する羽目になってしまう。別居を解消したジャックと家族の関係、サマンサのトラウマからの回復――シーズン2ではこのあたりがクローズアップされていくのかなと予想させる。
事件の方は、1話目から変化球で来たか!という感じ。子どもたち発見の場面では、冒頭と同じ “Mad World” の曲が流れて、親子再会の場面が次々と映し出されたので「え、これだけで終わり?」と驚いていたら(これ通常ならエンディングだもんね)、ちょっとヒネったラストがあった。
サムが犯人2人を射殺した後「失踪後16時間」になっていたのが謎。バスが行方を絶ったのは朝だから16時間後は夜中だ。ジャックが身代金を持って行ったのは「翌朝10時」だから、この時点で24時間以上経っているはず。「26時間」じゃないのかな。
それにしてもジャック、「同じクラスに嫌いな子もいる」という娘に言うことが「好きな子とだけ遊んで、嫌いな子は無視すればいい」なのね。「皆と仲良くしないとダメだよ」とか「話してみると案外いい子かもしれないぞ」とか言わないのね。
今回の事件は、1976年にカリフォルニアでスクールバスに乗った26人の児童と運転手が失踪し、身代金が要求された事件が元ネタになっている(共通点が多い)とのこと。