Without a Trace - Season 2, Episode 6
高校生のイーサン・ソーヤーが、夜中に自宅から失踪。イーサンは特に何も問題をかかえていない真面目な生徒だったが、最近は少し様子が変で、進学試験のためのクラスをサボったり、同級生とつかみ合いのケンカをしたりしたことがあったという。自宅の警報装置は短時間だけ切られていたが、記録を見ると、イーサンが最近何度も夜中に抜け出したらしい形跡があった。
イーサンとケンカした生徒クリストファー・ノートンの自宅へ向かうと、そこには救急車が来ており、クリストファーの妹ジェニファーが運ばれていた。聞いてみると「ジェニファーがイーサンにレイプされて自殺を図った」という。だが病院でジェニファーに事情を聞くと、イーサンはジェニファーの恋人で、レイプ犯ではなかった。
その高校の生徒たちの間では、放課後に集まって乱交パーティに耽るというとんでもない遊びが流行っていた。場所を提供しているのはイーサンの親友アレックス・ダーフィー。親は外国暮らし、保護者である伯父も留守がちで、広い邸宅に一人で暮らしているのだ。ジェニファーは以前は常連だったが、イーサンと交際するようになってから行かなくなっていた。だが、友達のヴィッキーから「イーサンと寝た」と聞いて、ヤケになってパーティに行き、乱交に及んでしまった。だがヴィッキーが言ったことは全くのでまかせ。アレックスに言われてジェニファーに嘘を吹き込んだのだ。
裕福だが愛情に恵まれないアレックスはイーサンを羨み、ジェニファーとの仲を裂くためにヴィッキーに嘘を言わせた。失踪した夜、イーサンはヴィッキーから真相を聞いて怒り、アレックスの家へ行き口論になる。その後ジェニファーの家へ向かうが、ジェニファーからは「帰って」と拒絶されていた。
真相は、ヴィッキーの身元調査から明らかになった。街の保安官デモアは、実はヴィッキーの父親であり、現在はジェニファーの母ルース・ノートンの恋人でもあった。デモアはルースからジェニファーがレイプされたと聞き、真相を調べるため学校で聞き込みをしてパーティのことを知る。そしてアレックスの自宅でヴィッキーの姿を見てショックを受けたのだ。
何とかジェニファーだけは守らなければ、と思いつめたデモアは、ジェニファーを訪ねて来たイーサンの姿を見て、イーサンがレイプしたと思い込んだ。そしてイーサンを車に乗せると、郊外の森へ連れて行き「おまえがやったんだろう!」と責め立てた。喘息持ちだったイーサンはその場で窒息死してしまったのだ。
う~~~ん。乱れとる。
米国の連邦通信委員会(FCC)がCBSに対して過去最高の罰金を科した、というのはこのエピソードだったんだ。まぁ乱交といえば乱交なんだけど、The Wire で免疫ができてしまったのか、何だかさらっと流し見してしまったわ。とはいえ、The Wire は過激な描写で知られるケーブル局(HBO)。このシリーズは大手ネットワークだものね。しかも高校生の少年少女たちが――というのが問題だったのだろうか。
このエピソードは、街の子どもたちの乱れた生活(性そのものではなく、そこに至る理由や過程が重要)や、親子の断絶の問題を描くことが主たるテーマなのだろう。そこを描ききった後の、イーサンの遺体発見や真相解明の部分は、何となく付け足しのような印象を与えた。デモアの動機もあまり納得がいったとは思えなかったしな~。
— Yoko (yoko221b) 2008-05-13