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Without a Trace - Season 3, Episode 2

#49 Thou Shalt Not...


事件概要

失踪者:モーリーン・グレイディことリリアン・ディラード

病院で看護師の助手として火傷の治療に従事していたモーリーンが、職場からの帰宅途中に失踪。警官がパンクした車を発見して通報した。

火傷の治療は激務なので、たいていは半年ぐらいで持ち場を替わってしまうものだが、モーリーンは8年もこの仕事に携わってきた。だが失踪する前に休暇でウェストバージニア州へ行き、その後虐待を受けて重度の火傷を負った少女が死亡したことをきっかけに異動を申し出ていたという。モーリーンの夫ネイサンからは彼女が「喫茶店で男と会っていた」こと、息子ルークの恋人からは酔っ払った彼女が「リリアンと呼んで」と言っていたことがわかる。

ジャックは「リリアン」という名前から記録をたどり、モーリーンの本名がリリアン・ディラードであることを知る。リリアンは15年前に中絶クリニックを爆破し、夫ヘンリーとともに指名手配され、モーリーンとネイサンと名前を変えて別人として暮らしてきたのだ。そのグループはリーダーのリッジウェイが逮捕されて活動を停止していたが、リッジウェイは数ヶ月前に仮釈放されていた。FBIの動きを察知したネイサン(ヘンリー)は銃と現金を持って逃亡。マーティンは中絶反対団体の女性に接触し、情報を得る。

リリアンは15年前の事件で死傷者を出したことを深く後悔し、その後罪滅ぼしのために火傷治療に従事してきた。だが、我慢できなくなり自首を決意。そのきっかけになったのが、ウェストバージニアへの旅行だった。15年前に爆破され、再建されたクリニックの式典に出席していたのだ。リリアンはまずリッジウェイに一言ことわってから自首しようとし、そこで新しい爆破計画にまきこまれたらしいとわかる。

ターゲットとなるクリニックを絞り込み、サマンサとマーティンが患者を装って潜入。ヴィヴィアンは患者を避難させようとするが、ジャックは「現在の爆弾はリモコン式が主流だから、避難させたとわかればその場で起爆するかも」と言って反対する。ヴィヴィアンもその提案を受け入れるが、サマンサが発見した爆弾は時限式だった。緊急で患者を避難させ、爆弾処理班が起爆装置を解除する。そしてサマンサはリリアンを逮捕しようとするが、その瞬間、リリアンは何者かに狙撃され死亡。狙撃犯はその場から逃亡する。


感想

あまり気合を入れて見ていなかったせいか、リリアン=モーリーンが失踪した時の肝心の状況がよくわかんなかった。リリアンは結局、リッジウェイに誘拐されたわけではなく、自分の意思で一言ことわりに行ったということなのだろうか。なら、夜中に車がパンクした後どうやって失踪先(って変な言い方)へ行ったのだろう。あんな時間にヒッチハイク?

ポストをめぐってジャックはどうするのかと思ったら、半ば強引に復帰したような感じ。三行半のことを聞いて人事の人も「それじゃあ、しょうがない」みたいに言っていたが……えー、しょうがないって、そうなの!? 連邦政府の職員が個人的な理由でワガママを押し通してオッケーなのか。シカゴで待ってた人たちだって今頃困ってるんではないの?

「やはり黒人女性より白人男性の君の方が……」と言われて「そんなことは関係ない」と言いつつも、白人男性としての既得権はちゃっかり利用しちゃうジャック。もちろん、自分の後任にヴィヴを強く推したのはジャックだし、彼自身が差別主義者だとは思わないんだけど、でもやっぱり自分の立場の方が大切なのね。直接手は汚していないにしろ、間接的に差別に加担した責任はあるように思う。

あ、でも確かジャックの上にアフリカ系女性(ヴァン何とかさん)がいたはずだし、そのうちまたヴィヴにもチャンスがめぐってくるかも(番組上の都合は別として)。

そんなこんなで、チームの間はギスギスしているし、ヴィヴが責任者として担当した事件が2つとも中途半端な結果になってしまって残念だったなぁと思う。前回は犯人不起訴、今回は爆破は無事に回避できたけれど、リリアンは射殺され、狙撃犯は結局逃がしてしまったし。爆弾がリモコン式という前提で人員を配備していたにしては、周囲のチェック甘くない? 時限式とわかって周囲の警戒を緩めたのかもしれないけど、時限式とリモコン式を両方用意している(片方はバックアップとして)可能性はなかったのだろうか。

このエピソード、中絶反対派の人たちから抗議とか来なかったのだろうか。Law & Orderで中絶クリニックの爆破を扱ったエピ(シーズン1の “Life Choice”)は再放送できない時期があったらしいけど。FCCからの罰金最高額を誇るWaTとしては抗議など平気のへーなのだろうか。

Yoko (yoko221b) 2007-06-05