Without a Trace - Season 3, Episode 8
ホームレスの救済センターに通っていた女性モリーが失踪する。感謝祭の時、いつものようにセンターに来たモリーは、そこで働くネッドに冷たくされてショックを受けていた。モリーとネッドはドラッグのリハビリセンターで知り合ったが、ネッドはモリーの上着のポケットに注射器を見つけて怒ったのだ。モリーの失踪はその直後のことだった。
そのセンターは、「双子の兄弟」(シーズン2)で殺人犯として逮捕されたグレッグが働いていた所で、現在では双子の兄リックがポストを引き継いで所長補佐を務めていた。グレッグは犯行を自供していたが、マローンらは真犯人はリックの方ではないかという疑いを抱いていた。
拘置されていたグレッグは、突然無罪を主張し始める。その一方、モリーの遺体がネッドの車のトランクで発見され、さらにネッドのアパートからは過去の事件(グレッグが逮捕された事件)の被害者たちの写真が発見される。ネッドにはどの事件でも確かなアリバイがなかった。
マローンは写真の存在を秘密にし「アパートからは何も出なかった」と嘘をつく。しかしNY市警の分署に匿名の通報が入り、写真は警官によって発見され、グレッグは釈放される。
マローンは、トリーシャ・ペイトンの事件の調査のため、サマンサとともにリックとグレッグの故郷コネティカットへ向かう。トリーシャはグレッグが少年の頃に「殺した」と犯行を自供していたが、トリーシャの母親はいまだにそれを信じていなかった。スポーツ万能で活発なグレッグは学校での人気者で、内気なリックはいつもグレッグの後を付いて回っていたという、現在と正反対の状況にマローンらは驚く。
2人はグレッグとリックの尋問を記録したテープを聴き、理解した。トリーシャを殺害したのはリックで、それに快感をおぼえて何度も殺人を繰り返した。リックとグレッグの関係は、トリーシャ事件をきっかけに入れ替わった――それまでとは逆に、リックがグレッグを支配するようになったのだ。リックは女性に興味を持たず、弟だけを愛の対象にしていた。グレッグはサマンサに「トリーシャの身体の上をネズミが這っている夢を見た」と話していたが、それは、子どもの頃「マウス(ねずみ)」と呼んでいたリックのことだったのだ。
マローンらはコネティカットからNYへ戻り、旅行に出ようとしていたリックとグレッグを強引に連行。サマンサの取調べで、グレッグはついにリックが殺人を犯したこと、その証拠の品を見たことを供述する。ただちに捜索令状が取られ、リックのオフィスから被害者の写真が発見される。
マローンとサマンサはグレッグのアパートへ急行。そこには怪我をしたグレッグがいた。事件のことで争いになり、リックは出て行ったという。しかしマローンが「マウス」と呼びかけ、「グレッグ」は思わず振り向いた――彼は、グレッグのふりをしたリックだったのだ。アパートの中を探すと、本物のグレッグは重傷を負って倒れていた。
前回に続き今回も、影の薄い失踪者……。ま、今回はシーズン2で中途半端な結末を迎えていたエピソードの解決編なので、失踪者がもともと主役じゃないのは仕方ないのかもしれない。
いつにもましてやりたい放題のジャック・マローン。最初の方の「お手伝いします」「自供してください」の時点で、今回はやりたい放題やらせてもらうよ、というサインが現れていたように思う。その後、司法妨害スレスレの証拠隠しをやり、旅行に行こうとしていた2人を強引に連行して、その時の会話が「何の容疑で」「これから考える」だもんな~。
FBI捜査官とはいえ、NY市民はこんな強引な捜査を許していいのだろうか。そもそも、今回の事件はマローン班が担当して良いものなのだろうか。
確かに、複数の州で犯行を重ねているのでFBIに捜査権があるのかもしれないが、それにしたって、このメンバーは失踪者担当の特捜班のはずでは……モリーが遺体で発見された時点で仕事は終わりにならないのだろうか。
ところで、オルチェックに「ジャックがビルから飛べと言ったらそうするのかね?」と言われたサムの返答、吹替えでは「もちろんそうします」だったのだけど、TV.comのQuoteで見ると、原文は “Probably, sir, yes.” だったのね。Probably も確実性の高い場合に使う言葉だとは思うんだけど、「もちろん」よりはちょっと印象が弱くなる気がする。ここで言う台詞としては「もちろん」の方が良いとは思いつつも、言ったのがダニーかヴィヴだったらもっと良かったかな。
— Yoko (yoko221b) 2007-12-20